《4/10/2016》《 339日目》
アルゼンチン エルチャルテン (フィッツロイ)
おもしろい夢を見た。
氷河が浮かぶ夜の海をドライスーツを着て泳いでた。寒くはなかった。
漂流する氷河は暗い中でも蒼く光ってた。
すごく大きくて25mはある。氷河の下に潜り込んだら、次に海面に顔が出せるまで息が続かないんじゃないかと思った。
友達もそこには何人かいた。
あやちゃんがいた。
大学の後輩で、職場の同僚で、人一倍のセンスとエネルギーを持ってる子。
あやちゃんとはもう1年半会ってない。
会いたいなぁ、あやちゃん。
場面が変わって、私は友達大勢とどこかの駅にいた。
友達の中には、かつての恋人の姿もあって、彼は何か悲しいことを言って、私に反論の間を与えず電車に飛び乗るようにして逃げた。
嫌な夢だった。
歯磨きしてる夢もみた。
ただ淡々と歯磨きしてる夢。
昨日うっかり歯磨きしないで寝ちゃったから、しなきゃって思ったんだろう。
眠りが浅くてたくさん夢を見たみたい。
寝袋の口を限界まで絞り、外気をなるべく入れないようにしたら、寝袋の中はとても暖かく、むしろ暑いくらいで、息苦しさで目が覚めた。
鼻くらいは寝袋から出しておいて良かったみたい。
ちょっとね、変な夢は見たけど、夏用のテントでも意外と寝れてしまった。
脂肪の光明。
どうなのそれ?笑。
*****
朝6時半。
寝ていたいけど、寝袋を這い出て出発の用意をする。
今日は朝日で赤く染まるフィッツロイを見に行く。
着れる服を全て着て、フルモッコ状態でポインスノットキャンプ場を出発する。
ビューポイントまでは1時間15分。
日の出は8時。
結構きつい登りが続くと聞いてる。
川のそばの木々は水滴が凍っていて、
ヘッドライトが反射して、一面キラキラと光った。
空も雲ひとつない星空で、空も足元もキラキラ光ってた。
りんと冷えた空気が日本の冬にそっくりで、クリスマスみたいだなと思った。
汗をかくとそのあと冷えるので、ゆっくりと登った。
はいはい、こっちですね。
階段や、木の根や、ジャリや、ガレキのような石や、パターンは様々だけど、登りが続いた。
癒しがない。しつこい登り。
たしか、400mくらい標高が上がるはず。
ふと、振り返ると、夜が終わろうとしていた。
待って待って!!
まだ登っちゃダメだよ、来るな太陽!!
パイネの日の出の時とき、
空が白んでから、太陽が出るまでは意外と時間がかかった。
だから今回もまだ時間はあるはずなんだけど、焦る。
息を切らしながら足を早めた。
汗をかく。
肉じゅばんのごとく着込んだ服が暑い。
一枚ずつ脱ぎながら、山を登る。
もうヘッドライトがいらない位、足元も見える。
峠を越えると、山の斜面の雪が見えた。
きっともうすぐだ。
間に合う?!
空はもうだいぶ明るい。
夜と朝の中間で、山も空も雪もすごく綺麗。
写真撮りたいけど、、登らなきゃ!!!
足を進め、進め、もう汗だく。
ヒートテックはこういうときはだめだー
砂利を登り切ると、フィッツロイと湖が目の前に現れた。
本当に目の前。
とても近い。
とても大きい。
このまま山と雪に飲み込まれてしまいそうだ。
汗で濡れた服を脱いで岩で乾かしたり何だりしてる間に、
山の色が変わってきた。
山の頂きが、赤みがかってる。
少しずつ、少しずつ、赤く染まってゆくフィッツロイ。
綺麗だ。
近いからかな。
すごく、すごく、良かった!!
そして、、、
太陽あったかいいいい!!!!!!
太陽があたると体感温度が全っ然違う!!
太陽のエネルギーすばらしや。
赤い山でいるのはほんの数分。
太陽が完全に顔をだすと、山のは白くなってしまう。
普通の白い山になると、何人かを残して人々は山から降りて行った。
白かろうと、赤かろうと、美しいものは美しい。
私はしばらくその場に残って、ぽけーっと山を見ていた。
どうも湖のすぐ横まで降りられるらしい。
せっかくなので、降りてみた。
上から見てる時は、もう堪能したし湖には降りないでもいいかと思ったんだけど、一応ね。
すると。
フィッツロイが鏡ばりになり湖に写り込んでる。
何の芸術かと思った。
赤い山も、山のほとりの湖もパイネで見たからそんなに感動しないかと思ったのに。
パイネのときより、感動しているかもしれない。
いつまででもここにいれてしまう。
いい加減、降りようかと思ったら今度は
コンドル!!
素晴らしいポジションに降り立った。
なんなの、ナルシストなの?!
撮られたがりなの?!
かっこよすぎるでしょ!!
いざ、ビューポイントを離れて山を降りようとしても、ちらりちらりと後ろを振り返ってしまう。
昨日キャンプサイトからフィッツロイを見たときは、そんなにグッとこなかったのに、どうしてこんなに惚れてしまったのか。
第一印象いまいちだったけど、ちょっとそばにいてみたら独特な雰囲気が気になりはじめちゃった、、みたいな。笑。
ちらりちらりと振り返りながら、キャンプサイトに戻る。少しトレッキングルートが凍結してた。
湧き水が凍ったみたい。
ちょっと滑って危なかったよ。
Poincenotキャンプサイトに戻るともう11時になってた。7時前にここを出たはずなのに、どんだけ上に長居したんだ自分。笑。
あったかいものが山で飲めるなんて幸せです。
目の前フィッツロイですし。
最高だぁ。
テントを片付けて、今日のキャンプ地に向かう。
次のキャンプサイトまでは3時間のはず。楽なもの。
紅葉が、昨日より進んでる。。?
見通しがいいせいかそんな気がした。
山にへばりつくように生えた木が真っ赤だ。
大して歩いていないはずなんだけど、今日はやけに疲れるので、1時間で休憩をとった。
寝不足かなぁ。。
素敵な湖のほとり。
寝。
山でする昼寝は冬のこたつでするそれよりも気持ちがいいのですよ。
ほんの少し、氷河の蒼さが雪からのぞいてる。
空の青
雪の白
氷河の蒼
山の赤
大地の茶
自然のパレットですね。
はっとするほど美しいのに、ほっとする。
通常3時間のとろこ、ゆるゆる歩いて4時間半かけてやってきたアゴスティーキャンプサイトにはテントが三つあるだけ。シーズンオフを感じさせます。
すぐ横が川のキャンプサイト。
水くみには便利だけど、夜の冷え込みは必至。
本気出して寝よう。
キャンプサイトのすぐそば、歩いて15分ほどで氷河が流れ着く湖があるらしいので行ってみると、セロトーレ、フィッツロイ、氷河、湖がセットで見られる素敵なビューポイントだった。
日の入り間際は、超絶逆光ですけどね笑。
流れ着いた氷河が近くで見ることができます。
湖の周りを沿って歩くと氷河が近くで見えるらしいんだけど、ペリトモレノ氷河を見たあとじゃ、きっと感動はさほどないかなぁ。
やめておこう。
この思考パターンが旅慣れ感というか旅飽き感というか・・・、
そろそろあんた日本の帰りたいんじゃないの?と自分で自分に聞いてみる。
うん、そうかも。
そろそろ帰りたいかも。
かもって何よ?
うん、終わりを意識しながら、もうちょっとだけ続けたいな、と思うよ。
ほとんど人のいない静かな湖で、寝袋にくるまりながら自問自答。
マイスイートホームに帰りましょう。
今夜も寒い夏用テント。
でも人に譲ってもらったテントだからね、嬉しい気持ちで眠りにつけるよ。
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