にしんごてん【ニシン御殿・鰊御殿】

  鰊御殿は、北海道の日本海側に建てられた、

  網元や漁師たちが寝泊りした居宅兼漁業施設

 

  ●にしん御殿「旧青山別邸」はにしん漁大網元の威信と

   十七歳の少女の夢で建造された、

  「北の美術豪邸」と云われる北海道屈指の豪邸。

  ●小樽市鰊御殿は、水族館などがある祝津エリアにある。

   明治時代に建てられた当時の原型をほぼ留めている文化財。

 

べんじょ【便所】

  大便・小便をするための場所。かわや。せっちん。

 

すぎもと【杉元】⇒すぎもとさいち【杉元佐一】

すぎもとさいち【杉元佐一】

  年齢は20代前半。

  元陸軍軍人で、日露戦争では普通ならば助からないような傷でも持ち直し

  鬼神のごとき活躍から不死身の杉元の異名で呼ばれていた。

  戦死した親友・剣持寅次の妻で、

  かつて相思相愛の仲であった剣持梅子の眼病をアメリカで治療するため、

  一攫千金を目指して北海道へ砂金採りに赴く。

  アイヌの埋蔵金の噂を耳にしてからは、

  現地で出会った少女アシㇼパと共に入れ墨の脱獄囚を追うことになる。

 

しゅうじん【囚人】

  受刑者、被疑者、被告人など、刑事施設に収容されている者。

にしんば【鰊場】

  ニシンのとれるところ。ニシンがとれる場所。

じゃま【邪魔】

  妨げること。妨げになるもの。

かすたたき【粕叩き】

  鰊粕を叩く道具。

こまざらい【細杷い】

  歯が細く長柄のついた竹または木製・鉄製の熊手。

にしんかす【鰊粕】

  鰊粕は、ニシンを原料にした肥料である。

かんそう【乾燥】

  物に含まれている水分がなくなること、それをなくすること。

  かわくこと。

  熱を加えるなどして、目的のものから水分を除去し、

  乾いた状態にすること、乾いた状態になっていること。

にしんづけ【鰊漬】

  鰊漬けは、身欠きニシンと野菜を米麹を利用して発酵させた漬物。

ごちそうさま【ご馳走様】

  食後にいう挨拶。

だいしちしだん【第七師団】

  大日本帝国陸軍の精鋭部隊。

 

にしんだいじん【鰊大尽】

  ニシン御殿を建てた「旧青山家」とは

  旧青山家は、青山留吉・政吉の親子2代で

  明治から大正にかけてニシン漁で

  巨万の富を築いた小樽市祝津の網元で、

 「ニシン大尽」と呼ばれていた。

つるみ【鶴見】⇒つるみとくしろう【鶴見 篤四郎】

つるみとくしろう【鶴見 篤四郎】

  北海道に軍事政権を樹立するため、

  師団内の造反派を率いて叛旗の準備を進めている。

  アイヌが密かに遺したと言われる大量の金塊を巡り、

  杉元一派や土方一派と対立する存在となる。

  日露戦争時には情報将校であったが最前線に駆り出され、

  203高地攻略作戦で

  淀川中佐の立てた無謀な作戦の陣頭指揮を執らされる。

  最終的には高地の攻略に成功し多大な功績を挙げる。

  その過程において甚大な死傷者の山を築いてしまう形となった。

  その後の奉天会戦にて額に砲弾の破片を受け、

  頭蓋骨の前頭部および大脳前頭葉の一部を失う重傷を負う。

  以来、欠損した頭蓋骨を補うために琺瑯製の大きな額当てをしており、

  感情が昂ると額の傷口から時々脳漿(「変な汁」)が漏れ出す。

 

つるみちゅうい【鶴見中尉】

  日本陸軍の中尉。

  日本軍第七師団の自小隊を率いて政府へのクーデターを企てている。

ようきん【洋琴】

  ピアノ。

ゆうふく【裕福】

  富んで生活がゆたかなこと。

えいこせいすい【栄枯盛衰】

  世の中すべての人や物事には繁栄と衰退があるということ。

ほうりょうきょうりょう【豊漁凶漁】

  魚がたくさん獲れたり、ひどく獲れなくなったりすること。

ほうりょう【豊漁】

  魚などがたくさんとれること。大漁。

きょうりょう【凶漁】

  ひどい不漁。

まきしむきかんじゅう【マキシム機関銃】

  1884年にアメリカ生まれの

  イギリス人発明家ハイラム・マキシムによって開発された、

  世界初の全自動式機関銃である。

  最初期の実用的な機関銃であり、

  以後の戦場に革命をもたらした。

きんきゅうひなん【緊急避難】

  急迫な危険・危難を避けるために

  やむを得ず他者の権利を侵害したり

  危難を生じさせている物を破壊したりする行為。

ありたやき【有田焼】

  佐賀県有田町およびその付近から産する磁器。

きぐう【奇遇】

  思いがけないめぐりあい。

やじりくぼみ【鏃窪み】

  骨や木で作られた鏃(やじり)の窪み

しらいし【白石】⇒しらいしよしたけ【白石由竹】

しらいしよしたけ【白石由竹】

  脱獄王。入れ墨をもつ脱獄囚の一人。

 「明治の脱獄王」と呼ばれた脱走の天才。

  生まれつき関節が柔らかく、

  自在に外して狭い隙間を出入りできる特異な体質に加え、

  脱獄に用いる小細工を用意しそれを体内に隠せる器用さ、

  自身の入獄した施設の特徴や死角を見抜く優れた観察眼を活かして

  数々の監獄からの脱獄を成功させている。

  脱獄を繰り返したせいで最初に逮捕・収監された罪よりも

  脱獄の罪による刑期のほうが重くなっている。

 

へんみかずお【辺見和雄】

  刺青をもつ脱獄囚の一人。

  物腰が柔らかく口調も丁寧。

  小柄で少し子どもっぽい容姿。

  囚人達の中でも極めて凶悪な殺人鬼。

  日本各地を放浪しながらこれまでにも百人以上を殺害している。

  殺した相手の背中に「目」という文字を付けるのが特徴。