すぎもと【杉元】⇒すぎもとさいち【杉元佐一】

すぎもとさいち【杉元佐一】

  年齢は20代前半。

  元陸軍軍人で、

  日露戦争では普通ならば助からないような傷でも持ち直し、

  鬼神のごとき活躍から不死身の杉元の異名で呼ばれていた。

  戦死した親友・剣持寅次の妻で、

  かつて相思相愛の仲であった剣持梅子の眼病をアメリカで治療するため、

  一攫千金を目指して北海道へ砂金採りに赴く。

  そこでアイヌの埋蔵金の噂を耳にしてからは、

  現地で出会った少女アシㇼパと共に入れ墨の脱獄囚を追うことになる。

 

いみょう【異名】

  本当の名前以外の別名。あだな。

 

しらいし【白石】⇒しらいしよしたけ【白石由竹】

しらいしよしたけ【白石由竹】

  入れ墨を持つ脱獄囚の一人。

 「明治の脱獄王」と呼ばれた脱走の天才。

  生まれつき関節が柔らかく、

  自在に外して狭い隙間を出入りできる特異な体質に加え、

  脱獄に用いる小細工を用意しそれを体内に隠せる器用さ、

  自身の入獄した施設の特徴や死角を見抜く

  優れた観察眼を活かして数々の監獄からの脱獄を成功させている。

  最初に逮捕・収監された罪よりも

  脱獄の罪による刑期のほうが重くなってしまっている。

あいぼう【相棒】

  共に事をする者。なかま。

こぶん【子分】

  親分に従属している配下の者。てした。部下。

  かりに子として扱われている者。

しゅうじん【囚人】

  主として受刑者、被疑者、被告人など、刑事施設に収容されている者

ようじんぼう【用心棒】

  護衛や非常の場合のために、身辺に置く腕ききの者。

いれずみにんぴ【刺青人皮】

  刺青の囚人から皮を剥いだものである。

  刺青はアイヌの金塊の隠し場所を示す暗号になっている。

へんみかずお【辺見和雄】

  刺青を持つ脱獄囚の一人。

  物腰が柔らかく口調も丁寧。

  小柄で少し子供っぽい容姿。

  実際には囚人達の中でも極めて凶悪かつ最低な殺人鬼であり、

  日本各地を放浪しながらこれまでにも百人以上を殺害している。

  殺した相手の背中に「目」という文字を付けるのが特徴。

さえきまたさぶろう【佐伯又三郎】

  新撰組隊士で副長助勤。若くして暗殺された。

  長州藩のスパイであったとされている。

フンぺ【アイヌ語:humpe】

  鯨、クジラ。

セトㇽセセッカ【アイヌ語:setursesekka】

  背中あぶり。火に背中を向けて暖まること。

  長時間続けることで寒い時期に冷え切った体を温め直し健康を保つことができる。

  セトゥㇽセセッカ(setur・背中 sesekka・~を温める)。

セトㇽ【アイヌ語:setur】

  背中。

セセッカ【アイヌ語:sesek-ka】

  あぶる。炙る。温める。熱くする。沸かす。焙る。

ざんこく【残酷】

  人や動物に苦しみを与えて平気なこと。むごいこと。

じさつ【自殺】

  自分の生命を絶つこと。

モッコ【畚】

  江戸時代後期から戦前(昭和前期)の北海道や樺太のニシン漁場で、

  ニシンの人力運搬で用いられた木製の背負い箱である。

みがきニシン【身欠きニシン・身欠き鰊】

  ニシンの干物のこと。

  水揚げされた鰊は、生の状態では、日持ちがしない。

  冷蔵技術が発達していない時代は、

  内臓や頭を取り除いて乾燥させるのが一番合理的な保存法だった。

  大量の鰊を日本各地に流通させるため、

  干物に加工したものが身欠き鰊である。

 

しめかすどう【シメ粕胴】

  大釜で茹でたニシンの油を搾り出す機械

にしんかす【ニシン粕・鰊粕】

  ニシンを原料にした肥料である。

 

かすたま【粕玉】

  莚の袋に魚粕を詰めて縄をかけ荷姿にしたもの。

  ニシンを煮て搾筒で締め固めたニシンの塊 (これを「玉」 という)。

  粕玉を玉切り包丁で切り分けその一塊を粉砕きで砕きに延し広げる作業。

  これを 「粕付け」ともいう。

 

たまきりぼうちょう【玉切り包丁】

  ニシンを煮て油と水分を取り除いたものは、

 「粕玉」と呼ばれるニシン粕の塊になる。

  それをむしろの上で乾燥させるため、

  小さく砕くときに使うのが玉切り包丁。

かみのさかな【神の魚】

  サケのこと。

  神からの授かりものとして、

  アイヌの人々の間でサケが重要な食べ物とされてきたことが由来。

にしんづけ【ニシン漬け・鰊漬】

  身欠きニシンと野菜を、米麹を利用して発酵させた漬物。