旭川の神居古潭には、アイヌの埋蔵金伝説がある

砂金が多量に埋蔵されたという伝説アイヌ一族が、カムイコタンに近い山中の近辺の川から採集した砂金を和人(サシム)の襲撃に備えて隠蔽した

神居古潭にほど近い魔の谷と呼ばれる沢。近くの監獄部屋で働いていた男が病死した。仲間の死体を捨てに行って、誤って魔の谷に落ちたとき、埋蔵金を発見したという。

神居古潭石(かむいこたんいし)石言葉 厄除け 危険回避 心を鎮める

神居古潭峡谷で、特に神居大橋(吊り橋)付近で算出する石。神居古潭では、神居古潭石(輝緑)が採取できる。アイヌの人々から、神居古潭は、「神の住む場所」といわれ採掘された石には、特別な力が宿っているとされる。神居古潭石の緑の石は、輝緑(きりょく)と緑泥(りょくでい)の二種類あります。

神居古潭の鷗穴(おうあな)群があり、旭川の天然記念物に指定されている。神居古潭渓谷の岩で見つかる不思議な丸い穴「甌穴」甌穴とは川底や川岸の岩石の表面にできる円形・楕円形の穴で、ポットホール、かめ穴とも呼ばれています。

甌穴のできるしくみ

岩石に割れ目があると、川の水によってその部分が削られやすくなり、くぼみができる。そこに小石などが入ると、水流によって岩の弱い部分が削られていく。そのとき渦流が発生するので、岩はだんだんと円形に削られていく。

神居古潭構造体 沙流川岩体と鷹泊岩体

神居古潭渓谷

渓谷の河原からは、折れ曲がった緑色や白色の奇岩やポットホール(甌穴(おうけつ))群を見ることができます。これらの岩は変成岩で、長い年月をかけて石狩川の流れに侵食され、現在のような姿になりました。

神居古潭の変成岩は地球内部で低温高圧にさらされてできる岩石

緑色の岩は、もともとは海の底に広がっていた玄武岩の岩盤で、白い岩はサンゴ礁からできた石灰岩でした。その玄武岩や石灰岩が海洋プレートの動きによって大陸プレートの下に沈み込んでいき、地下15~30㎞の深さで膨大な圧力と熱による変成作用を受け、鉱物が再結晶化して結晶片岩という変成岩になります。

神居古潭一帯の岩は、沈み込み帯の低温高圧の状態で変成した変成岩で、地殻変動などによって上昇した結果、地表に現れたもの。神居古潭渓谷は、変成岩を容易に観察できる国内有数の地であり、国内外の研究者が訪れる地でもあります。

神居古潭の変成岩が地上に再浮上するしくみ

変成岩が地中から再び地上に上ってくるしくみには諸説ありますが、蛇紋岩という暗緑色の岩に取り込まれて上昇してきたというのもそのひとつ。

蛇紋岩は地下深くにあるマントルが水を吸って含水鉱物に変化し、膨れてできたもののため密度が小さくなり、軽くなります。地下深くは圧力が高いため、軽くなった蛇紋岩は、浮力で地上まで上がって露出。このとき蛇紋岩は、すでにできているさまざまな岩石を取り込んでいくという説です。

蛇紋岩に変成岩が取り込まれているということは、海洋プレートがマントル近くの深さまで沈み込んだことを示す重要な証拠になっています。神居古潭渓谷の変成岩は、約1億2000万年~6000万年前にできたことが分かっています。

神居古潭変成帯の変成岩の約1億2000万年~6000万年前にできたこの時期、古日本海溝と呼ばれる海溝が大陸の縁にあり、そこでのプレート沈み込みによって変成帯が形成されました。変成帯は、現在の北海道の中央付近~サハリンに広く分布していて、北海道では神居古潭変成帯、サハリンではススナイ変成帯と呼ばれています。

北海道のおもな地帯構造区分

北海道のおもな地帯構造区分

産業技術総合研究所地質調査総合センター「20万分の1日本シームレス地質図 V2」を元に作成

※ マップルガイドHPより

北海道の地質はその構成や特徴によって、西から渡島帯、礼文-樺戸帯、空知-エゾ帯、日高帯、常呂帯、根室帯に区分されている。

神居古潭変成帯は、北は猿払村から南は新ひだか町(旧三石町)まで、北海道の真ん中付近を南北に約350㎞縦断している。空知-エゾ帯のなかに見られる濃い緑色や濃い紫色、濃い水色が変成岩の分布エリア。

古くから聖地とされた神居古潭渓谷の景観は、プレートを動かす大地の力と岩を削る石狩川の激流による産物。

神居古潭石は、ジュラ紀の岩石が地殻変動によって変成作用を受けた変成岩。

12種類 真黒 蒼黒 輝緑 緑泥 茄子紺 黄金古潭 赤石 茶 紫 銀流し 蛇紋 がある

 神居古潭石は、深川市立図書館の入り口に展示されている。

 

参照 日本の埋蔵金研究所 

   日本の石 神居古潭石

   旭川市のHP

   マップルガイド