古い屋敷に、
西伊豆を集める。
古い建物を残す方法は、
博物館にすることだけではありません。
食べる。
泊まる。
風呂に入る。
パンを買う。
そして、もう一度、
人が行き交う場所にする。
静岡県伊豆市・土肥。
ここにあるLOQUAT西伊豆(ロクワット西伊豆)は、 約300年の歴史を受け継ぐ旧鈴木家の邸宅を再生したオーベルジュです。
古い家を、新しく見せるのではなく。
その土地にあった時間を残しながら、
現代の旅人が使える場所にする。
LOQUAT西伊豆を歩いていると、
ARTHの宿づくりが少しずつ見えてきます。
WHAT IS LOQUAT?
LOQUAT西伊豆とは?
300年の旧邸宅に泊まる、西伊豆のオーベルジュ。
LOQUAT西伊豆があるのは、西伊豆・土肥温泉。
この場所には、江戸時代から土肥の名主として続いた鈴木家の邸宅が残されていました。
母屋と蔵を生かしながら、レストラン、ベーカリー、ジェラート、宿泊などを備える場所へ再生。
宿泊できるのは、蔵を使った「二ノ蔵」「三ノ蔵」と、別邸「villa SUGURO」。
一日に迎えるのは、わずか3組。
でもLOQUATの面白さは、
客室数の少なさだけではありません。
一軒の古い屋敷を入口に、
西伊豆という土地そのものへ旅が広がっていくことです。
01 / THE OLD HOUSE
300年の家は、
何になった?
LOQUATの敷地を見ていくと、古い建築をまるごとひとつの用途へ変えていないことに気づきます。
母屋は、食べる場所へ。
蔵は、泊まる場所へ。
庭では、この土地を象徴する白枇杷に出会う。
そして門を出れば、土肥の町と海があります。
TABIGRAPH EDIT
母屋 → 食べる。
蔵 → 泊まる。
庭 → 枇杷。
町 → 土地を知る。
建物を一度リセットして、
新しいホテルをつくったわけではありません。
もともとそこにあったものに、
新しい役割を重ねています。
だからLOQUATには、「リノベーションされた古民家」という言葉だけでは説明しきれない時間があります。
02 / THE NAME
LOQUAT = 枇杷。
LOQUATは、英語で「枇杷」。
その名前の由来になったのが、土肥に根づく「白枇杷」です。
初夏の限られた時期に実り、とても柔らかく傷みやすい。
だから、この土地の外ではなかなか出会えない果実でもあります。
LOQUATでは、白枇杷をただ「名産品」として紹介するだけではありません。
枇杷の葉を使ったオイルやお茶、石鹸など、滞在の中にもその存在が入り込んでいます。
ひとつの果実から、
その町のことを知る。
「LOQUAT」という名前そのものが、
旅人と土肥をつなぐ入口になっています。
03 / TASTE THE LAND
西伊豆を、
夕食にする。
西伊豆の宿を選ぶ理由に、海があります。
でもLOQUATでは、その海を「見る」だけでなく、夕食でも感じることになります。
魚。
野菜。
果物。
パン。
母屋のレストランでは、西伊豆の山と海に育まれた食材を生かしたイタリアンを味わうことができます。
そこに、ジェラートや焼き立てのパンが加わる。
料理の皿だけを見るのではなく、その向こうに海や畑や町を想像してみる。
オーベルジュで食べるということは、
土地の景色を、別の方法で見ることなのかもしれません。
04 / STAY
泊まるのは、
母屋ではなく「蔵」。
LOQUAT本館で客室として使われているのは、古い蔵です。
ROOM 01
二ノ蔵
平屋の蔵を生かした客室。
広いテラスからは枇杷の木を眺めることができ、源泉かけ流しの露天風呂とデイベッドが設けられています。
こんな滞在に。
古い蔵の空気を、静かに味わいたい。
ROOM 02
三ノ蔵
二階建ての蔵を使った客室。
古い梁を残した吹き抜けのリビングと、100年以上の時を経た伊豆溶岩を用いた寝室。
こちらにも専用テラスと源泉かけ流しの露天風呂があります。
こんな滞在に。
建築の中を歩きながら、空間の変化を楽しみたい。
ROOM 03
villa SUGURO
本館から車で数分。
山間の川のほとりにある旧勝呂邸を再生した、180㎡を超える一棟貸しの別邸です。
2つの寝室、リビング、ダイニング、キッチン、屋根裏の書斎、離れの露天風呂まで備えています。
こんな滞在に。
宿ではなく、西伊豆に「暮らす」ように滞在したい。
LOQUAT西伊豆
05 / FROM HOUSE TO TOWN
一軒の屋敷から、
町へ。
LOQUATを「宿泊施設」としてだけ見ると、少し不思議な場所です。
宿泊者ではなくても、食事をしたり、パンやジェラートを買ったりできる。
つまり、すべてを宿泊者だけのために閉じているわけではありません。
昔から地域の中にあった屋敷が、形を変えながら、もう一度人が集まる場所になっている。
「ホテルの中に西伊豆をつくる」のではなく、
ホテルから西伊豆へ出ていく。
LOQUATを起点にすると、
宿の外まで旅の一部になっていきます。
06 / LOQUAT × WEAZER
古い家を残すLOQUAT。
新しい場所をつくるWEAZER。
同じARTHが西伊豆で展開する、LOQUATとWEAZER。
一見すると、このふたつは正反対です。
LOQUAT
約300年残ってきた建築を受け継ぎ、
新しい旅の場所へ変えていく。
WEAZER
インフラが届かず、これまで滞在できなかった場所へ、
新しい「泊まれる仕組み」をつくる。
片方は「残す」。
もう片方は「つくる」。
でも、その先にあるものはよく似ています。
土地をホテルに合わせるのではなく、
その場所にもともとある価値を見つけ、
旅人が体験できる形へ変えること。
ARTHの西伊豆での取り組みを見ていると、
その一本の線が見えてきます。
READ NEXT / WEAZER
もうひとつの西伊豆。
「何もない場所」に泊まるWEAZER。
LOQUATが「残ってきたもの」を未来へつなぐ宿だとすれば、WEAZERは「これまで泊まれなかった場所」に滞在をつくる試み。
同じARTHが手がけるふたつを続けて読むと、西伊豆で何をしようとしているのかが、さらに見えやすくなります。
WHY STAY HERE?
LOQUAT西伊豆に泊まる理由。
露天風呂付きの客室。
西伊豆の食材を使う夕食。
白枇杷。
古い梁。
蔵。
海。
土肥の町。
もちろん、それぞれも魅力です。
でもTabigraphがLOQUATでいちばん面白いと思うのは、それらが別々の観光資源として並んでいないこと。
一晩泊まる中で、建物、食、果実、温泉、町が自然につながっていく。
それが、このオーベルジュの旅のつくり方です。
STAY AT LOQUAT
300年の家で、
一晩暮らしてみる。
建物を見るだけなら、短い時間でもできます。
でも、夕食を食べ、露天風呂に入り、蔵の中で眠り、翌朝また庭を見る。
時間を重ねて初めてわかるものが、古い建築にはあるのかもしれません。
LOQUAT西伊豆 / WEAZER西伊豆
READ NEXT / ARTH
LOQUATの先にある、ARTHの宿づくり。
LOQUATは、ARTHが手がける宿のひとつです。
歴史ある建築を残す場所もあれば、自然の中へ新しい滞在をつくる場所もある。
ひとつの宿だけでは見えにくいARTHの考え方を、別の記事ではもう少し広く追っています。
A HOUSE BECOMES A JOURNEY
宿を残したのではなく、
町の入口を残した。
三百年という時間を重ねてきた家。
その家に、
レストランが入り、
パンが焼かれ、
枇杷が実り、
旅人が眠る。
古い建物を残すことと、
新しいものをつくることは、
反対ではないのかもしれません。
使い続けるために、変える。
LOQUAT西伊豆が次の時代へつないでいるのは、
一軒の古い屋敷だけではなく、
そこから西伊豆へ入っていく、
旅の入口なのだと思います。
※本記事は2026年9月時点のLOQUAT西伊豆・ARTH・楽天トラベル等の公開情報をもとに構成しています。客室仕様、食事内容、サービス、営業日、宿泊プラン等は変更される場合があります。予約時は最新情報をご確認ください。
※記事中のイラストは、LOQUAT西伊豆の建築、食、地域との関係を伝えるために制作したイメージビジュアルです。実際の建物・料理・景観とは異なる場合があります。








