【 おすすめ漫画 】 その 1
『 ちひろ さん 』
現在、秋田書店から発売されている月刊誌 イブ に連載中。
作者はテレビドラマにもなったベストセラー
『 ショニム 』の安田弘之。
元・風俗嬢で、現在は海辺の小さなお弁当屋さんで働く女性・ちひろの
生き様を一話完結スタイルで描く、シリーズ最新刊。
物語には様々な人々が現れます。
人と話すのが苦手で母親と共依存気味の箱入娘、
廃墟となった食堂を秘密基地にしているはみだしっこ、
仕事に疲れた小学校教師……。
既巻同様、「世間の常識」にとらわれながらも、
なんらかの違和感や生きづらさを感じている人々が
ちひろとの交流によって、
ほんの少し変わってゆく様が描かれてゆきます・・・。
あっけらかんと毒とユーモアを吐きながら、
飄々と気ままに生きるちひろは、
じつは人並み以上の孤独や空虚を抱えているのだが、
それを当然のものとして受け入れているからこそ、
社会の常識やしがらみから自由で毅然としていられるのだろう。
こんなふうに生きられたらいいなあ……と魅了されずにいられない。
どんな人でも最初からそうだったわけではなく、
そうなるべき背景があった。
人を理解するということは、そういった全てを
まるごと受け入れることなのだ。
人間だもの、生きていりゃあ、いろんなことがあるさぁ、
ちひろさんから学ぶこと、この漫画を通して
考えさせられることって、いっぱいあるなぁ~。