紅白なます
大根と人参を用いたなます。
祝い事に用いる紅白の水引にあやかる。平安と平和を願う縁起物。
多くの場合、黒豆と共に盛り付けられる。「長老木」「千代呂木」「長老喜」「長呂貴」といっためでたい漢字を当て、長寿を願う。
酢蓮(すばす)
蓮根の酢の物。蓮根は仏教で仏様のいる極楽の池にあるといわれており、けがれの無い植物とされている。

穴が多数ある蓮根は「将来の見通しがきく」という意味の縁起かつぎである。
菊花かぶ
かぶをめでたい菊の花に飾り切りした紅白の酢の物。長寿を願う縁起物。
武家社会では、かぶは頭に通じることから頭(かしら)を目指すようにという縁起のよい食べ物として広まったともいわれている。
昆布巻き
煮しめの中の材料としても用いられる。身欠きニシンなどの魚を昆布で巻いて、干瓢で結ぶ。「喜ぶ」の語呂合わせ。また、昆布は「ひろめ」あるいは「えびすめ」とも称された。
「ひろめ」は末広がりである昆布の形状に由来する。また、「昆布」に「子生」の字をあて子孫繁栄を願ったものともいわれる。昆布巻きは伊達巻と同じく巻物(書物)に似た形から、文化・学問を象徴する意味を持つ。

陣笠椎茸
煮しめの材料の一。陣笠椎茸は椎茸の傘を陣笠に見立てたもの。
武家社会の名残。神様へのお供えとして珍重されていた椎茸は元気、壮健への願いが込められている。

楯豆腐
煮しめの材料の一。楯豆腐は豆腐に焼き目を付けて楯に見立てたもの。
手綱こんにゃく
煮しめの材料の一。手綱こんにゃくはコンニャクを手綱に見立てたもの。薄く切ったコンニャクに縦に切り目を入れ、その中に片端を通す。武家社会の名残。
心を引き締め、心を養うということを意味している。結び目が円満、良縁に通じることから縁を結ぶという縁起を担いで用いられてる。

芽出しくわい
煮しめの材料の一。梔子とともに煮て色付けする。最初に大きな芽が一本出ることから「めでたい」にかけたもの。芽が出ることから出世を祈願したものまた、黄色に着色することで財を表しお金や豊かさを祈願する。
古くは平仮名の「か」を「くわ」と表したので、くわい=かい=快から、一年を快く過ごせるように食べられるという説がある。

花蓮根
煮しめの材料の一。先述のように、穴が多数ある蓮根は「将来の見通しがきく」という意味の縁起かつぎである。
この孔が空いていることから将来が見通せるようにとの意味のほか、花蓮根には花の後に実を結ぶようにとの意味がある。

矢羽根蓮根
煮しめの材料の一。破魔矢の矢羽根に見立てたもの。

八ツ頭(里芋)
煮しめの材料の一。
八ツ頭はサトイモの栽培品種、親イモが大きいことに因んで頭(かしら)になることを願うもの。また、里芋は親芋に子芋がたくさん育つことから子宝を願ったものとされる。

たけのこ
煮しめの材料の一。成長が早いので子供がすくすく育つように願った。天に向かって伸びるので立身出世を願った。成長する様子を家の繁栄に例えたなど様々な説がある。

金柑
「ん」は「運」に通じ、運を重ねるの意。財宝としての「金冠」を意味している。

梅花にんじん(人参)
型で抜くか、包丁で5角形の梅の花びら形にしたもの梅は花が咲くと必ず実を結ぶことから縁起物とされている。また、ニンジンの赤色は寿を表すともいわれている。

重詰めへの移行
『嗚呼傍廂』(1853年)によれば天明の頃までは食べていたが、それ以降は飾るだけとなり、正月料理は重詰め等へと変化していく。
膳に盛られた料理と重に詰められた料理が用意され、このうち膳に盛られた料理を「おせち」と呼んだ。

後の『東京風俗志』(明治34年)によるとお膳に供えた煮物を「御節」、重詰めしたものを「食積」と呼んでいる。
重箱に本膳料理であった煮染めを中心とした料理が詰められるようになり、食積と御節の融合が進んだ。
現在では重箱に詰めた正月料理を御節と呼ぶようになっている。重箱に御節料理を詰めるようになったのは明治時代以降のことといわれている。

重箱に御節を詰める手法が完全に確立した時期は第二次世界大戦後で、デパートなどが見栄えのよい重箱入りの御節料理を発売したことによるともいわれている。
正月料理の重詰めについては江戸時代の文化・文政年間の料理茶屋における料理の影響を受けているとみる説もある。














