自動車乗り入れ禁止
エーゲ海東南部のペロポネソス半島東岸に位置するギリシャ領の島。

サロニカ湾とアルゴリコス湾の間にあり、サロニカ諸島に属する。



 

アテネやピレウスとは定期高速船で結ばれており、観光地として既に確立されている。

島内は自動車乗り入れ禁止となっており、観光客は徒歩かロバに乗るのが移動手段となる。


 

イドラという島の名前の由来は、古代この地に泉があり、その「水」からきている。

現在は干上がっており、飲料水は船で本土から運ばれてくる。島内には荒涼とした丘陵地帯が広がり、その中に空き家となった農家や、ギリシャ正教の修道院がある。


 

イドラ島は以前商業港として栄え、オスマン朝からのギリシャ独立戦争には大きな役割を果たし、今も1749年創立の有名な国立海事学校(商船学校)がある。


 

イドラ島が他と違うのは、使われている交通手段だ。地元住民はクラクションの騒音に背を向けて、代わりに小気味よい馬のひづめの音を選んだ。


 

ここでは車の姿が見えないどころか、意図的にシャットアウトされている。地元の条例にも、自動車(消防車、ごみ回収車、救急車は除く)を禁じる条項が定められている。


 

人口2500人ほどのギリシャの島では、ロバやラバや小型の馬が人々の移動手段だ。

フェリーを降り、島の中心地イドラ港に降り立つと、島のゆったりしたリズムをたたえながら石畳の道を優雅に進む小さな馬が、訪問客を出迎える。


 

趣のあるイドラの道をさまよいながら目に入る地元の日常風景には、必ずといっていいほど四つ足の相棒がそばにいる。



 

南の海岸沿いにある、伝統的な石造りの家に彩られた閑静な村カミニアから、手つかずの海岸とのんびりした雰囲気で有名な西岸のマンドラキにいたるまで、ロバや馬の姿が島の風景に溶け込んでいる。


 

「イドラはタイムスリップしたような島だ」と言うのは、乗馬トレッキングを運営する会社「ハリエット・イドラ・ホース」のオーナー、ハリエット・ジャーマン氏だ。


 

「島の交通手段はすべて馬かラバ。車がないので、ここでの生活は他よりも少し穏やかだ」

車がなくても大丈夫
馬に引かれる伝統的な交通手段は「ケイクス」と呼ばれ、島の豊かな歴史と持続可能な生活へのこだわりを今に伝えている。


 

18~19世紀、イドラ島はにぎやかな海運の中継地として栄えた。

20世紀に突入し、ギリシャの他の地域で自動車が導入されたが、イドラ島の細く急な坂道や岩がちの地形を車で移動するのは現実的ではなかった。


 

そこで住民は、荒れ地を効率的に移動できる馬を交通手段として利用し続けた。

こうして馬との共存は、長い年月を経てイドラの文化や生活様式に刻まれていった。


 

ロバやラバは島のアイデンティティーと切っても切り離せない存在となり、物品や建築資材、人間さえも運搬した――こうした伝統は現在にいたるまで受け継がれている。


 

「ここでは誰もが馬に支えられて暮らしている」とジャーマン氏も言う。「馬は私たちの足や手となって、建築資材から家具、荷物や買い物袋までなんでも運んでくれる」
 

 

本日は旅行中のため返信出来ませんが悪しからず。