会席
宴会や会食で用いられるコース形式の日本料理。
連歌や俳句の会席で、本膳料理を簡略化したもの。



 

献立に従って、一品ずつ食べていく「喰い切り」のものと、宴会時の配膳方式のものと2種類の傾向があり、いずれも一品料理ではない。

会席料理の形成期においては、即席料理や膳くずしなど、会席料理に類似する料理形式が存在した。


 

寛政年間に入ると、本膳を出すのではなく、酒と酒肴を最初に出す形式となり、会席料理形式が一般化した。

明治時代に入ると、献立の最後に香の物とご飯を出すようになり、明治時代後期には会席料理形式の献立が東京や京都の料理屋で定着した。


 

↑ 別注料理かさごの唐揚げ 桜海老とシラスの掻き揚げ ↓

 

 

桜海老のかき揚げ
小さく切った魚介類や野菜などを小麦粉を溶いた衣でまとめ、食用油で揚げた天ぷらの一種。

エビ、小柱、イカなどの魚介類を主とする場合と、たまねぎやにんじんなどの野菜を主とする場合がある。



 

また両者を混ぜたかき揚げもあり、具材の組み合わせは様々であり種類も多い。

揚げ油は、白絞油、サラダ油、ごま油など。


 

サクラエビ(桜海老、桜蝦)
サクラエビ科に属するエビの一種。深海に生息する小型のエビである。

日本では駿河湾および近接の遠州灘・東京湾・相模灘、さらに長崎県の五島列島沖に分布するが、漁獲対象となっているのは駿河湾のみである。


 

↑ シラスの掻き揚げ ↓

 

日本国内の水揚げ量の100 %は駿河湾産で、主要な漁期は4月から6月まで(春漁)と10月から12月(秋漁)。

6月11日から9月30日までは繁殖期にあたり禁漁、冬はエビが深くにいるため休漁である。

 

産地偽装を防ぐため、静岡県桜海老加工組合連合会(静岡市・焼津市の加工業者で構成)は2020年に「駿河湾産サクラエビ」の認証ラベルを導入した。


駿河湾でのサクラエビ漁の歴史は浅く、1894年(明治27年)に由比(現・静岡市清水区)の漁師、望月平七と渡辺忠兵衛が、アジの網引き漁をしていたときに網が深く潜ってしまい、そのとき偶然にも大量のサクラエビが捕れたことが始まりとされている。

本格的な漁業は翌1895年に由比で、1896年には蒲原で始まった。


 

↑ 富士川沿岸での天日干し(この写真はウェブサイトから借用) ↓

 

由比港漁協の由比・蒲原(42組84隻)と大井川港漁協の大井川(18組36隻)、計3ヶ所の基地に100隻の許可証を持つ漁船がある。

当時静岡の魚の一大消費地だった山梨県甲府市で「さくらえび」と名付けられたいう。

サクラエビ資源を守るため、静岡県サクラエビ漁業組合所属の全ての漁船が一緒に漁に出て漁獲調整を行い、水揚代金を全船でプールして、利益を分け合う「プール制」が1977年に完成し、現在に至っている。



富士川
長野県・山梨県及び静岡県を流れる河川。一級水系富士川の本流であり日本三大急流の一つに数えられている。

甲斐と駿河を結ぶ水運としての要路であり、古くから人々の暮らしに密着してきた。


 

炊き合わせ
日本料理において煮物の調理法、およびその料理。

「焚き合せ」「煮合わせ」ともいう。複数の食品をそれぞれ別に煮ること、およびそれらを1つに盛り付けた料理。


 

一例として、旬が同じワカメとタケノコの「若竹煮(わかたけに)」をとりあげる。

タケノコは繊維が緻密で、味が付くのに時間がかかる。


 

一方、ワカメはすぐに味が付くが、時間をかけると煮えすぎて溶けてしまう。時間差をおいて1つの鍋で煮ても[2]、ワカメの濃い色がタケノコの淡い色に移ってしまう。また、ワカメとタケノコが混ざり、盛り付けに手間がかかる。


 

そこで、タケノコは時間をかけて鰹節を効かせた「土佐煮」とする。一方、ワカメは別の鍋で短時間でさっと煮る。


 

それぞれを1つの器に盛り付け、サンショウの木の芽を天盛りにして、「筍とわかめの炊き合せ」という1つの料理になる。

 



素朴さを味わう「田舎煮」という料理があるように、これらの「時間差若竹煮」も「炊き合せ」も優劣ではなく、並立する料理である。



鮭と木の子のホワイトソース ホイル焼き
その名の通り、アルミホイルで食材を包んで蒸し焼きにするものであり、ホイル蒸しと呼ばれることもある。

 

主に魚介類、または肉の調理に使われる技法である。



日本料理の奉書焼き(和紙包み焼き)やフランス料理のパピヨットなど、食材を紙に包んで蒸し焼きにする料理法は昔から存在した。

この紙をアルミホイルで代用した調理法がホイル焼きである。

紙に比べてアルミホイルは折り曲げて封がしやすく、不燃性などの利点がある。



 

食材
ホイル焼きにされる主な食材として、サケ、マス、タラなどの白身魚や、鶏肉などがある。また、シメジ、マイタケ、エノキタケなどのキノコ類や、ジャガイモ、タマネギ、キャベツなどの野菜や山菜を魚などと一緒に包むことも多い。

食材を適当な大きさに切り、広げたアルミホイルの上へ乗せた後、塩、コショウなどの調味料をかけておく。


 

味付けは醤油、味噌、料理酒、バターなどが基本であり、好みによって配分は異なる。

また、料理酒の代わりに白ワインが使われることもある。

アルミホイルで食材をふんわりと包み込み、蒸気を逃がさないようにしっかりと合わせ目を閉じる。


 

これをフライパンやオーブンなどで蒸し焼きにするが、電子レンジでの調理は危険なため(マイクロ波によってアルミホイルから火花が生じ、やがて発火元となるため)に避けるべきである。

また、フライパンを使用する際には水を張ることもある。

焼き上がりに要する時間は食材や使用する調理器具によって異なるが、大体10分から15分程度であることが多い。



 

焼き上がった後はアルミホイルで包んだままの状態で皿に乗せ、熱いうちにポン酢などをかけて供する。その際、レモンなどの柑橘類の輪切りを添えることも多い。

アルミホイルに食材を乗せる際、注意するべき点は魚や肉をそのまま乗せないことである。


 

これは魚や肉をアルミホイルと密着させてしまうと、焼いている最中にアルミホイルが破れやすくなるためである。

これを回避するため、基本的には野菜類を先に敷いておき、その上に魚や肉を乗せることが望ましい。