静岡県水産・海洋技術研究所
漁業資源、海洋環境、漁海況予測などの漁業に関する調査研究、漁獲から保蔵、流通、消費に至る水産物の利用加工に関する技術開発研究、深層水の水産利用に関する技術開発研究の他、普及指導業務を行っている。

駿河湾深層水水産利用施設
平成13年9月、焼津新港(焼津市鰯ケ島)に、陸上から海洋深層水を取水するための「駿河湾深層水取水供給施設」が完成しました。
駿河湾深層水取水供給施設は、海洋深層水の取水と各施設への送水及び一般への給水のための設備(取水ピット、受水槽、送水ポンプ、小口給水所、大型車両対応給水所)を備えています。
ここでは、駿河湾に取水管を伸ばし、水深397m(取水管延長約3km)の海洋深層水及び、試験研究用の表層水(水深24m)を取水しています。水深397m深層水の取水量は最大で約2000t/日です。

駿河湾深層水水産利用施設
静岡県水産技術研究所では、駿河湾深層水を用いた魚介類の種苗生産研究や、磯焼け対策のための大型藻類育成の研究等を行っています。
駿河湾深層水取水供給施設の西側にあり、平成16年度から本格稼動しています。

焼津市駿河湾深層水脱塩施設
地元焼津市が、市の産業の活性化を図るため、平成15年3月に取水供給施設の隣接地に完成させました。「逆浸透膜脱塩装置」を導入し、海洋深層水脱塩水,濃縮水を計2種類製造し、事業者や一般の方々へ給水を行っています。

深層水ミュージアム
焼津市鰯ヶ島にある自然史系博物館
焼津漁港(新港)の駿河湾深層水水産利用施設の1つである。
駿河湾の海洋深層水に関する情報・資料を公開し、普及・啓発を図っている。2004年(平成16年)4月17日開館。

展示・研究
最大水深2500メートルを測る駿河湾は、日本で最も深い湾として知られ、水深200メートル以下の海水にあたるいわゆる海洋深層水が豊富に存在する。
海洋深層水は、気候変動や人間の活動、プランクトンの増殖などの影響をほとんど受けず、常に一定の水質(高栄養性・清浄性・低温安定性)を保持することから、水産・食品・医療など各種産業活動での利活用が期待されており、静岡県では「駿河湾深層水」として、県をあげて深層水活用の研究を行っている。

焼津漁港には水深397メートルから汲み上げた深層水の取水口が設けられている。
深層水ミュージアムは「駿河湾深層水水産利用施設」の1つとして、海洋深層水の活用法について解説する展示をおこなっている。
またタカアシガニやオオグソクムシを水槽で生体展示するほか、ラブカの標本などを展示している。

併設施設として「取水供給施設」と「脱塩施設」があり、水深397メートルから汲み上げた海洋深層水を一般向けまたは事業者向けに販売している(一般利用:100円/200リットル。水産利用:10円/トン)。

海洋深層水
海洋深層水は、私たちの日常生活に深く根付いている水です。
ミネラルウォーターなどの飲料水のラベルに、海洋深層水の文字を見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
また飲食品にも活用されており、特に酒や醤油などの発酵食品では、普通の水よりも酵母の状態がよくなるという海洋深層水の性質が利用されています。
海洋深層水のミネラル成分を活かした入浴剤やシャンプー、化粧品などもあります。

食品としてだけではなく、肌につけることで効能が期待できる商品へも利用されているのです。
さらに、海洋深層水は、水質が安定しているなどの特徴により生物を飼育しやすいことから、水産分野における海藻の培養や魚介類の飼育にも使われています

医療分野における治療にも海洋深層水は活用されており、さまざまな臨床試験が行われています。
海洋深層水の長期飲用が臓器などへ悪影響がないことや、便通や貧血の改善効果が期待できるといった点は、学会などでも報告されています。
海洋深層水は、水深200メートル以深の深い海域の水のため、微生物が少なく、清浄な状態を保っている水。
海洋深層水は栄養分豊富で、安定性に優れているため、さまざまなシーンで活用されています。
今後研究が進むにつれて、ますます私たちの生活に密接な存在となっていくことでしょう。

