水原一平通訳ドジャース解雇

アメリカの複数のメディアは3月20日、大谷選手の代理人弁護士が水原氏が違法賭博に関与したと明らかにしたなどと伝え、このうちロサンゼルス・タイムズは、水原氏が連邦捜査の対象となっている違法な「ブックメーカー」と呼ばれる賭け屋で賭けるために、大谷選手の資金を「大規模に盗んだ」としています(写真は全てウェブサイトから拝借)。



 

また、アメリカのスポーツ専門チャンネル、ESPNによりますと、大谷選手の口座からこのブックメーカーに対して450万ドル、日本円でおよそ6億8000万円が送金されていたということです。


 

これについて球団はNHKの取材に対して、「報道の内容は把握している」としたうえで、水原氏を解雇したことを明らかにしました。ただ、解雇の理由については明らかにせず、情報を収集しているとしたうえで、「現時点ではこれ以上のコメントはない」としています。


 

水原氏はエンジェルス時代から大谷選手の専属通訳として、昨シーズンのオフに大谷選手とともにドジャースに移籍しました。韓国のソウルで行われているドジャースの開幕シリーズにも同行して、20日夜の開幕戦もベンチ入りし、試合後の大谷選手の取材対応の際にも通訳していました。


 

ESPNは水原氏がギャンブルで多額の借金を抱えていたとも伝えていて、取材に対して、水原氏本人が去年、借金の返済を大谷選手に依頼したと明かしたとしています。

その中で水原氏は「翔平はギャンブルに全く関与していなかったということを知ってほしい。このギャンブルが違法だとは知らなかった」などと話したということです。

また、20日夜の試合後には、水原氏がドジャースのチームメートに対して、みずからがギャンブル依存症であるとした上で「すべて自分のせいだ」などと説明したということです。



 

ギャンブル依存症とは
ギャンブル依存症は、競馬や競輪、パチンコといったギャンブルをやめたくてもやめられない状態に陥り、本人や周りの人たちの生活に支障が生じる精神疾患の1つで、借金をする、仕事や学業を休む、睡眠や食事がおろそかになる、周囲との関係が悪くなるといった特徴があると厚生労働省は位置づけています。

国内でも社会全体で予防を図ることが重要だとして、政府も基本計画を策定して対策に乗り出しています。

それによりますと、依存が疑われる人は成人の2.2%と推計しているということです。

ギャンブルにのめり込むことで、本人や家族の日常生活や社会生活に支障を生じさせるだけでなく、多重債務や犯罪といった重大な社会問題を生じさせる場合があるとして対策が必要だとしています。

ギャンブル依存症は、早期の支援や適切な治療で回復が十分可能だとしていて、政府は、地方自治体や事業者などと連携して必要な取り組みを包括的に講じていくとしています。



 

ウィル・アイアトン氏
2016年にドジャース入りした前田健太投手の初代通訳を務めた人物で、実はその後マイナーリーグのコーチに転身し、現在はメジャーでパフォーマンス・オペレーション主任を務めている。


 

球団広報によれば、パドレス戦第2戦が行われるこの日から「データ分析担当のウィル・アイアトン氏が大谷の通訳と山本由伸投手(25)の試合中の通訳を務める」と説明。一時的な措置とみられる。



 

ウィル・アイアトン氏はタイガース・前田健太投手(35)のドジャース時代の通訳。15歳まで東京で過ごし、日本語が堪能。