二の門
河北門の内側の門が二の門です。南北の石垣台の上に櫓(長屋)を渡す櫓門(渡櫓)の形式をとっています。

 

外観は石川門とほぼ同じですが、規模は一回り大きく、幅26.9m×奥行き8.2mです。江戸時代は弓奉行の管理下にあり、弓などの武具が収納されていたと推定されます。

 

↑ 河北門二の門の見学用外階段と車いす用スロープ ↓

 

外観は石川門とほぼ同じですが、規模は一回り大きく、幅26.9m×奥行き8.2mです。江戸時代は弓奉行の管理下にあり、弓などの武具が収納されていたと推定されます。

 

 

約130年ぶりに復元された河北門は、2007年(平成19年)11月に着工し、2010年(平成22年)に竣工しました。

 

復元にあたっては、埋蔵文化財調査によって発掘された礎石がそのまま使用されているそうです。

 

また、戸室石による石垣積み、漆喰仕上による白壁、軸組をはじめとする木工事及び屋根鉛瓦葺きなど、日本古来の伝統工法が使われています。

 

河北門二の門では2階の櫓の中を無料で見学することができます。

 

また、見学者用のスロープからは五十間長屋や新丸広場が一望でき、金沢城公園の中でも “知る人ぞ知る” 撮影スポットです。


 

河北門二の門では2階の櫓の中を無料で見学することができます。また、見学者用のスロープからは五十間長屋や新丸広場が一望でき、金沢城公園の中でも “知る人ぞ知る” 撮影スポットです。

 

近年、金沢には欧米やオセアニアからの観光客が多く訪れるようになりましたが、河北門の眺望スポットでは白人の方の割合が格段に高くなります。

 


 

河北門を出ると金沢城の正門の大手門まで直線の道が整備されています。金沢城公園から主計町茶屋街、ひがし茶屋街へ行かれる方は、大手門から出るのが一番近いルートです。

また、近江町市場へ行かれる方は、河北門を出て新丸広場の広大な芝生を対角線上に行き黒門から退城すると、近江町市場の十間町口まで5分ほどで到着します。




大手門と菱櫓
大手門とは、城郭における内部二の丸または、三の丸などの曲輪へ通じる大手虎口に設けられた城門。正門にあたる。

菱櫓はその名の通り鈍角100度、鋭角80度の菱形の建物で、柱もすべて菱形です。

 

 

↑ 菱櫓 大手門 ↓


 

二ノ丸でもっとも高い建物で、大きな石落しや千鳥破風の華やかな外観は、天守閣のない金沢城でシンボル的な建物でした。

木型に厚さ1.8mmの鉛を貼った鉛瓦や、平瓦を貼った目地を白塗漆喰で固めた海鼠壁も、他の城ではあまり見られない、この建物の特徴です。


 

縦格子窓(武者窓)
天守や櫓の窓は、明り取りや換気の役割は当然ですが、敵が城に迫って来た時に、敵方の動きを見張る物見の役割を持っていました。


 

また、窓から鉄砲や弓を放つなど、重要な攻撃装置でもありました。当然、壁の開口部ですので、敵の侵入を防ぐために、丈夫な格子が付けられました。


 

格子とは、角材を縦横の格子状に組み上げた物を言います。中間に補強用の水平材が入らずに、角材を縦方向に並べたものも格子と言いますが、より正しい言い方をするなら連子(れんじ)と言います。

城によく見られる縦だけの格子の窓は、本来は「格子窓」ではなく「連子窓」や「武者窓」と呼ぶべきですが、今は縦だけの物も「格子窓」と呼ばれています。


 

窓に太い格子を縦に取り付け、外から内部が見えづらくする役割を持つ。
外には突き上げ戸がついている。格子は鉄砲を広角に撃てるように◇型に取り付けられています。


 

石垣(戸室威石)
金沢市東部の医王山、戸室山やキゴ山で採れる石。医王石とも。


加工が容易である反面、脆い。このため兼六園の石橋は架け替えたり通行止めにしたりしている。また、高級石の一種として取引されている。


 

石垣の千切り接ぎ
千切り(ちぎり)とは、板材の接合に使われる逆向き台形をつないだ形の木片を埋め込む工法のことです。


 

逆向き台形をつないだ形の木片 自体も千切りと呼びます。


 

石垣の石同士を繋ぐための金具も「千切り」と呼ばれます。
石垣を千切りという鉛で接く方法です。

 

石垣の内部に埋め込まれているため普段は目にすることはありませんが、金沢城など幾つかのお城に見られます。

 

↑ 石垣と木工製品の千切り接ぎの例 ↓

 

鉛は「生(なま)り」=「やわらかい金属」からとの説がある。
他の金属と比べると錆びやすく、見かけ上すぐに黒ずむが、酸化とともに表面に酸化皮膜が形成されるため、腐食が内部に進みにくい。


 

↑ 木工製品の千切り接ぎの例 ↓

 

また、多くの無機塩が水に不溶であるため水中でも腐蝕しにくい。

低融点で柔らかく加工しやすいこと、高比重であること、比較的製錬が容易であることなどから、古代から広く利用されてきた。

 



生物に対する毒性
生体に取り込まれた鉛の生物学的な半減期は資料によって異なるが、一例として生体全体で5年、骨に注目すると10年という値が示されている。

 

呼吸器からの吸引に対しては、鉛を扱う工場や、鉛を含む塗料や顔料を扱う作業などに多く、職業病としての側面がある。