七堂伽藍とは
堂宇(どうう)の完備した寺院のこと、または寺院の主要な七つの建物をいう。

 

七堂とは必ずしも七つの堂宇という意味ではなく、悉堂(しつどう「悉」は完備の意)の誤伝ともいわれる。




伽藍(がらん)とはここでは寺院または寺院の建物のこと。

七つの建物を数え上げる場合も多いが、その内容は宗派によって異なり一定していない。
南都六宗では塔(とう)・金堂(こんどう)・講堂(こうどう)・鐘楼(しょうろう)・経蔵(きょうぞう)・僧坊(そうぼう)・食堂(じきどう)をいい禅宗では仏殿(ぶつでん)・法堂(はっとう)・僧堂(そうどう)・庫裡(くどう)・山門(三門)・浴室(よくしつ)・東司(とうす)をいう。



 

伽藍とは、本来は梵語の「サンガラーマ」が由来の僧侶が集まり修行をする場を指す言葉です。


 

その意味が転じて、僧侶のあつまる寺院敷地内にある堂宇(どうう・堂の建物)群を、伽藍と称するようになりました。


 

その建物群の主要な建物を「七堂伽藍(しちどうがらん)」と呼びます。


宗派や時代により七堂の構成はまちまちで、実際の建物の数が7個でなくても、「主要な建物が整備」されている寺院を形容する言葉としても使われています。


 

現在の一般的に七堂伽藍と呼ばれる堂宇をご紹介いたします。

門(三門)
三門とは仏教のひとつである禅宗の寺院における、門の名称である。その他の仏教の宗派では「山門」と言う字を使う場所であるが、禅宗では門は単なる入口ではなく、修行僧が悟りの境地へ至るために通過しなかればならない道筋であると考えることから、三解脱門(さんげだつもん)の略称として「三門」の漢字で表現されてきた。


 

三解脱門とは、一切を空と考える「空門(くうもん)」、すべての執着を離れる「無相門(むそうもん)」、作為なく自然であることを意味する「無作門(むさくもん)」と言う悟りに通ずる3つの解脱の境地を表わす。


 

京都三大門と称される南禅寺三門、東本願寺の御影堂門(あるいは仁和寺の二王門)、知恩院の三門が特に有名である。


 

本堂(金堂・仏殿)
本尊がまつられている、寺院の中核の建物です。


 

平安時代では中堂との名称が多くもちいられていましたが、鎌倉時代以降は本堂という名称が一般的となっています。仏殿は禅宗での呼称です。


 


インドにおいて仏教とともに発生した構築物で、仏陀の遺骨を奉安し供養するために営まれた象徴的な意味での「墓」である。

 

「塔」というのは、当時の口語バーリ語の「トフバ」が中国に伝来し「塔婆」と音訳され、略して「塔」となったものである。


「塔」の文字は大陸古来の文字ではなく、六朝時代に異国の文物を紹介する際の必要性から案出された形聲文字といわれている。

因みに、古代インドの文語サンスクリット語(梵語)では「スツゥパ」と呼ばれ、それが「卒塔婆(卒都婆)」に音訳されている。


 

飛鳥時代の「塔」は、伽藍における最重要建物で、常に中央軸上に配され礼拝の対象とされた。


奈良時代に入り、しばしば中央軸の左右に「東塔・西塔」が配されるようになるが、東大寺では、それを伽藍の外に配するようになる。平安時代、密教の伝来にともない「多宝塔」が多く造られるようになり、神仏習合思想により神社境内にも建てられた。


 

かつて、住吉大社の「神宮寺」には「東西大塔」があり、神仏分離後、西塔は阿波切幡寺に移築され現存している。

禅宗では、教義上あまり「塔」は重視されない。(曹洞宗・安楽寺の八角三重塔/国宝は別格)日蓮宗は設けるが、浄土宗・浄土真宗は稀にしか設けない。

 

講堂(法堂はっとう)
禅宗以外の宗派では、仏殿に相当する建物を金堂、中堂、阿弥陀堂などと呼び、法堂に相当する建物を「講堂」と呼ぶことが多い。


 

仏殿や金堂、中堂、阿弥陀堂などは、本尊の仏像を祀っている仏堂のことです。宗派によって呼び方は違っていても、寺院において最も重要とされていることに変わりはありません。


 

なお、戦乱や火災で多くの寺院が失われ、禅宗寺院においても仏殿と法堂が別々に残っているケースは珍しく、どちらか一方を再建し仏殿兼法堂としているところが多いようです。

 



経蔵(きょうぞう)
仏教寺院において経典や仏教に関する書物を収蔵する主要な建物です。経堂・経庫などともいわれます。


 

また、経蔵の中央に輪蔵(りんぞう)が設置されている場合、中心軸に沿って回転させることが可能な書架が設けられています。


 

そこには大蔵経などが収納されており、これを回転させることによって、納められた経文をすべてを読んたのと同じ功徳を得るという信仰があります。なお、七堂伽藍の一つに数えられます。

 

 

鐘楼(しょうろう)
仏教寺院において時を告げるために打つ、大型の梵鐘を吊るすために設けられた建物のことをいいます。

釣鐘堂、鐘楼堂、鐘撞き堂、撞楼などとも呼ばれます。山門と鐘楼が一体化したものを鐘門、鼓楼(太鼓)と鐘楼が一体化したものを鐘鼓楼といいます。なお、七堂伽藍の一つに数えられます。


 

僧房・僧坊(そうぼう)
神社や仏教の寺院などにある宿坊の一種。僧侶や尼僧のみが利用できる宿泊用の施設のことである。

南都仏教では金堂など主要な建物と共に、僧坊が七堂伽藍のひとつに含まれる。禅宗では同様の建物を僧堂と言う。

かつて大きな寺院では僧侶が暮らすための広々とした大房と、中庭を挟んでその対面には僧侶の従者が住むための小子房(しょうしぼう)を建てることが多く、複数の僧侶が共同生活を送る場であった。

しかし、天台宗や真言宗などでは大きな僧坊を好まず、私僧坊として子院を建てる宗派も出てきたことから、次第に僧坊は減っていった。


 

本坊(ほんぼう)
大寺院の僧房でその寺の寺務を取り仕切る僧房のこと。


 

食堂(じきどう)
寺院で僧たちが食事をする堂舎。金堂、講堂とともに寺院建築の重要な建物で、多くは本堂の東廊に続き、廊下には魚板をかけて、食事の合図にたたく。

堂内に賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)または文殊菩薩(もんじゅぼさつ)を安置する。斎堂とも言う。

同じく休憩・食事にもちいられる建物として客殿がありますが、こちらは、寺院への来客者にたいして使われます。