バスタ新宿
東京都渋谷区千駄ヶ谷五丁目の新宿駅南口地区にある鉄道駅や高速バスターミナル、タクシー乗降場などを集約した交通ターミナルである。


 

↑ 正式名称は新宿南口交通ターミナル ↓


 

バスタ新宿の開業により、新宿駅西口周辺の19か所に分散していた高速バス乗降場が集約された。

開業時点で118社のバス事業者が乗り入れ、1日の発着便数は最大1625便、停車場数は15、行先は39都府県300都市に及び、高速バスターミナルとしては日本最大の規模となる。


 

2013年7月31日より開始された「新高速乗合バス」制度施行後に開業した高速バスターミナルで、従来の高速乗合バス事業者(旧路線バス系)と、旧ツアーバス系事業者が一堂に会することになり「高速バス新時代」を象徴する施設となった。

乗り入れ路線は高速バスのみで、貸切バスツアーは対象外となっている。


 

建物構造
各階の施設
JR東日本の線路から上の2 - 4階部分が交通ターミナルとなっている。
当ターミナル上部の5〜7階にはJR新宿ミライナタワーの文化施設部分が建てられているほか、2〜4階では隣接する同タワーの商業施設部分と接続している。


 

各階の施設は以下のとおり。

2階
バスタ新宿出入口
国道20号接続部分
JR新宿駅
新南改札(旧・新南口)、甲州街道改札(旧・サザンテラス口)、ミライナタワー改札(2016年3月7日新設)


 

3階
タクシー乗降場
新宿区コミュニティバス「新宿WEバス」乗降場
高速バス降車場
東京観光情報センター


 

4階
新宿高速バスターミナル
高速バス乗降場
発券施設、待合所、管制室
店舗
ファミリーマートバスタ新宿店[48]
バスタ新宿 THE土産SHOP
タクシー乗降場


 

3階のタクシー乗降場(2023年1月)
3階にはロータリーがあり、タクシー乗車場が3台分、降車場が2台分、タクシープールが30台分設けられている。

これに伴い、国道20号上のタクシー乗車場は廃止された。また、新宿4丁目交差点から西新宿1丁目の間は終日駐停車禁止となり、タクシーの乗降ができなくなった。

国道20号上には、新宿4丁目方面からの車両に対しては道路の左側に、西新宿1丁目方面からの車両に対しては中央分離帯に、それぞれタクシープールの満空表示器が設置されており、バスタ新宿に進入する前にタクシープールの空き状況が分かる。

また、タクシープールの先頭車両の位置にはモニターがあり、乗車場の状況が確認できる。




新宿WEバス乗降場
3階に新宿区のコミュニティバスである新宿WEバスの乗降場が設けられている。

停留所名は新宿南口交通ターミナルとなっている。これに伴い、国道20号上にあった新宿駅南口停留所は廃止された。

 

新宿WEバス
B 新宿御苑・西新宿循環ルート(京王バス)

東京観光情報センター
東京都の施設「東京観光情報センター」は都庁第一本庁舎をはじめ都内に5か所あり、うち1つがバスタ新宿3階に設置されている。

 

外国人向けの旅行案内を日本語、英語、中国語、韓国語の多言語で行うほか、バスタ新宿内の施設では、宅配・手荷物預かり、旅行商品・イベントチケットの販売、外貨両替のサービスを提供している。

 

これらのサービス提供事業者は東京都の募集によって選ばれ、前者は海外配送の実績や長時間のサービス提供ができることなどが評価されて佐川急便が。

 

後者は訪日外国人向けのツアーや扱う外貨の種類の多さなどが評価されてジェイティービーがそれぞれ選ばれた。


営業時間は6時30分 - 23時00分。

 


歩行者・車両の動線
車両出入口(2016年2月)
前述のように当ターミナルはJR新宿駅の改札口と高速バスの乗降場が立体的に配置されていることから、JR線に限ればエスカレーターやエレベーターによる上下方向の移動のみで鉄道と高速バスの乗り換えができる。

 

自動車は2階のJR新宿ミライナタワーの東側にある出入口から進入し、同タワーを囲むようにして車路を登って3階に到達する。

 

高速バスの在線管理にはETCを活用しており、車載器に登録されたバス事業者などの情報から4階への進入が可能と判断された場合のみ、スロープの手前にあるゲートが開くようになっている。



また、4階の管制室ではETCで捕捉された高速バスの位置情報が確認でき、それを基に適宜発着場所の変更などの指示を出している。

 

4階に発着する高速バスの場合はさらにスロープを登っていく。

 

当ターミナルと国道20号の接続部分の交差点では新たに信号機が設置され、国道側にはターミナルへの進入用に右左折レーンが設けられた。

 

またターミナル内の車路は、入口レーンは1車線、出口レーンは四谷方面へ出る右折レーンが1車線、初台方面へ出る左折レーンが2車線となっている。

 

3階にはロータリーを走る自動車と4階から下ってきた高速バスが合流する箇所があるが、すべて前者の側にのみ一時停止義務が課せられている。
 

なお、計画段階では送迎用の一般車も受け入れる予定だったが、混乱を避けるため現状では進入禁止となっている。

 



高速バス
日本の高速バスの多くが、長距離急行運送等に該当する。

一般的には、距離が数十から数百キロの都市間輸送、ないしは都市と観光地を結ぶものの中で、高速道路を利用するものを指す。

ただ、「高速バス」という語の法律的な定義はされていない。そのため旅行業者が自社商品を「高速バス」と呼称している事実もあった。

高速道路上では「路線バス」と記載されている。観光バスなどとの識別のため、バスのフロントガラスの運転席寄りに「路線バス」の標識を付けている。


 

空港へのアクセスを担う高速バスは事業者によってリムジンバスとも案内されるが、リムジンバスを高速バスの下位概念と見なすことがある。

高速道路は通過しないが中長距離の都市間連絡を担う特急・急行バスも場合によっては制度上は高速バスと同等に扱う。

特急、急行バスは多くは一般道経由のバスとして高速バスと区別されるが、事業者によっては高速バス内の上位種別として特急、急行バスと称する場合や、路線名としてそのように称する場合もある。

また、路線全長の内、高速道路走行区間が短い路線を準高速バスと称する場合もある。

 

↑ 各社のバスが定刻に乗り場に到着 ↓

 

東名ハイウェイバス、名神ハイウェイバス、中国ハイウェイバスの各停便は、種別が急行となる。ただし、名神ハイウェイバスの急行便は2006年(平成18年)現在名称上廃止している。

高速道路を通過する際には、法規によりバスの着席定員を超える乗客を乗せて運行することが禁じられているので、所要時間1から2時間程度までの短距離路線など一部を除き、事前に席を予約する座席指定制を採用することが多い。

一部では、一般路線バスと同様に予約不要だが、定員を超えて乗車できない定員制を採用している。また、ほぼすべての路線で全席禁煙となっている。


 

他の交通機関と比較して安価である場合が多く、鉄道と異なり道路を利用する関係上、天気などの気象状態のほか、大型連休・旧盆・年末年始などの行楽シーズンや、集中工事期間、突発的な交通事故などの発生による渋滞・交通規制などにより、定時運行ができないことがある。


 

車両
観光バスタイプの車両に類似するが、路線バスとして運行するため行き先表示装置・自動放送装置・降車ボタン・運賃表示器・運賃箱等の一般路線バス車両と同様の機器を取り付けている。

逆に必要のない出入口部のガイド席や客席のマイクなどは装備されていない。ただし、完全予約制の路線やツーマン運行の路線などについては自動放送装置・運賃表示器・運賃箱のない車両が利用される場合もある。



室内のシートはほとんどがリクライニングシートで、昼行路線が3列(2+1)または4列、夜行路線が3列独立シートの場合が多く、車両によってはこれらを組み合わせて等級を設定していることもある。

また、わずかながら2010年代後期あたりからホスピタリティを重視した二列独立かつ個室ブース化した座席も登場するようになった。なお2+1タイプの3列シートでは、出入り口側に通路がある車両と運転席側に通路がある車両が混在する。


 

↑ 行く先別の手荷物置き場に収納 ↓

 

また、観光バスとして用いていた車両に、運賃箱や放送装置などを取り付けて、高速バスに転用した車両も多い。観光バスからの転用の場合、ある程度の距離を走る路線でもトイレ無しの場合がある。

西日本鉄道などでは、夜行車を昼行用に転用したことがある。逆に、JRバス関東では昼行用の車両を独立3列シートに改造の上、夜行用に転用したことがある。

 

 

トイレはハイデッカー・スーパーハイデッカーでは中央部か最後部、ダブルデッカーでは1階の最後部に設置されている例が多く見られる。

設置場所の制約からコンパクトにまとめられており、下の写真にあるように、用を足すための最小限の広さのものが多いが、広さを横幅いっぱいに拡大し、便器のほかに洗面台や鏡を備えたパウダールームを設置している例もある。
 

 

↑ 売店で缶ビールと海苔巻きを買い車内へ ↓

 

かつては長距離路線を中心にAVサービス機器(ビデオやテレビ放送の放映、マルチチャンネルオーディオ、ラジオなど)が装備されていたが、近年は縮小・省略の傾向にある。座席に個別の液晶テレビを備えている例もある。
 


また長距離路線を中心に給茶機・冷蔵庫によるセルフサービスでの飲物の提供、あるいは自動販売機による飲物の販売、100円硬貨もしくはテレホンカード専用車内電話などの設備・サービスが実施されていたが、これらも縮小・省略の傾向にある(自動車公衆電話は、NTTドコモのPDC方式の携帯電話が、2012年3月31日を以て停波した際に、自動車公衆電話サービス自体も終了しているため、それに先だってあるいはそれに併せる形でサービスを終了し、自動車公衆電話端末を撤去している)。
 

 

↑ 新屋の晩酌 ↓

 

近年では乗客がノートパソコンやスマートフォンを利用して車内でインターネットに接続することを可能にするため、車両に公衆無線LANを導入したり、座席にモバイル機器充電用のコンセントやUSBポート を設置したりする事例も増えている。

 

 





同一の区間で設備と運賃に格差をつけた複数の便が運行されている例がある。また同じ車両であっても設備と価格に格差をつけている場合がある。



カノピー
WILLER EXPRESSが夜行便に導入した新シートに、頭部を覆って光や他人の視線を遮るようになっている伸縮式のフードの様なものです。