朝食とは
睡眠から目覚めたのち、朝に取る最初の食事[1]。朝餉(あさげ)、朝飯(あさめし)、朝御飯(あさごはん)とも。


 

英語の「Breakfast」は「朝食」と訳されることが多いが、これは「夜間の断食期間を破る」という意味である。


 

朝食を摂るまでもなく簡単に済ませられるぐらい容易なことを「朝飯前」と呼んだりする。起床してから朝食を摂るまでの時間が比較的短いことから、「その間に済ませられるぐらい容易なこと」という意味である。


 

朝食は一日のはじめの大事なスイッチ
私たちの脳は“ブドウ糖”をエネルギー源として使っています。


 

朝起きたときに頭が「ボーッ」としてしまうのは、寝ている間にブドウ糖が使われて足りなくなってしまうためです。


 

朝食を食べないと、午前中、からだは動いても頭はボンヤリ、ということになりがちです。脳のエネルギー源のブドウ糖を朝食でしっかり補給し、脳とからだをしっかり目覚めさせましょう。


 

ごはんなどの主食には脳のエネルギー源になるブドウ糖が多く含まれているので、朝から勉強や仕事に集中できるのです。


 

朝食は一日を活動的にいきいきと過ごすための大事なスイッチ。毎朝ちゃんとスイッチを入れましょう。


 

リズムよく生活して健やかに! 「体内リズム」と「生活リズム」
人間のからだには体内時計と呼ばれるものがあるのを知っていますか?一日単位で、すいみんや体温、血圧やホルモン分泌などの変化をつかさどっている大切な機能です。


 

人間が健康に過ごすために欠かすことのできない体内時計は、光と関係があり、太陽がのぼっている間は活動的に、しずんだら休息しなさい…と働きかけています。これを「体内リズム」といいます。


 

「体内リズム」が自分の「生活リズム」とズレてしまうと、からだにとってはとても大きなストレス。


 

ズレによってからだと心のバランスが保てなくなると、しっかり活動することができなくなったり、感情が不安定になってしまうことさえあるのです。

 

「体内リズム」と「生活リズム」のズレをなくすには、まず朝食をしっかりとることがとても大切。


朝食を食べるためには、夕食の時間も大切です。夕食が遅いと朝ねぼうして時間がない、朝おなかが空いてなくて朝食を食べられないなどの悪いリズムができてしまいます。


 

ですから、からだにとって、そして心にとって、快適なリズムを子どものうちにしっかり身体で覚えていくことが大事です。そのためにも、毎朝しっかりたべる「癖(くせ)」をつけましょう。


 

英語圏における「breakfast(ブレックファースト)」の意味と変遷
英語の「dinner( ディナー)」は古フランス語「disner(ディーニー)」からの借用であり、これはもともと「断食すること」の意味であった。


 

13世紀半ばにその意味が変わるまでは、「その日(の朝)に取る最初の食事」を意味していた。


 

「Breakfast」が「朝に取る食事」を意味する「dinner」からの翻訳借用の言葉として英語で使われるようになったのは15世紀以降のことであり、これは「夜間の断食期間を破る」という意味であった。


 

古英語においては、この単語は「morgenmete(モルゲンメーテ)」、すなわち「朝に食べる食べ物」を意味していた。


 

各地域における朝食
ヨーロッパ
フランス
パン(バゲットまたはクロワッサン)や、シリアル、 飲み物やカフェ・オ・レ、コーヒー。パンにはジャムやバターを添えることがある。


 

ドイツ
パン(多くライ麦の入った酸味のあるものが好まれる)・コーヒー・ヴルスト(ソーセージ)・ハム。

果物を摂ることもある。コーヒーでなく、紅茶や野菜ないし果物ジュース・麦芽を溶いたミルクを好むものもある。火を使わないものを並べる。これを「カルトエッセン」と呼ぶ。


 

「農夫のように肉体労働をする人なら、朝食に食べるかもしれないが」という意味合いで、実際にはブランチ、もしくは昼食に食べられるものである。

 

イギリス・アイルランド
ブリティッシュ・ブレックファストの一例
産業革命の時代より、「伝統的にたっぷりの食べ物を時間を掛けて食べる」とされ、炭水化物以外にも脂肪や動物性タンパク質が豊富なメニューが並ぶ。


「イングリッシュ・ブレックファスト(「イングランド風朝食」, English breakfast)や「アメリカン・ブレックファスト」と呼び、ヨーロッパ大陸で見られる簡素な食事を「大陸風朝食」(Continental Breakfast)と呼ぶ。

18世紀以前は他の大陸諸国と同じく簡素な食事だったが、産業革命期に現在の英国風朝食のスタイルが生じてきた。


 

ベーコン、卵料理(通常は目玉焼き)を基本とし、英国風ソーセージ、マッシュルームのソテー、焼きトマト、 ブラック・プディング(豚の血で作った黒ソーセージ)、ベイクド・ビーンズ(豆の煮物)にバターやジャムを塗ったトースト、揚げパンとミルク付きの紅茶を添えるが、簡素なシリアルやトーストで済ませる者もいる。


 

連合王国全体においては、イングランド以外でも同様の朝食をとる食習慣があるが、スコットランドではこのような朝食を「スコティッシュ・ブレックファスト」(Scottish breakfast)と呼ぶ。

隣国のアイルランドでもそのような朝食をとるが、これは「アイリッシュ・ブレックファスト」(Irish breakfast)と呼ばれる。



アジア
中国大陸・香港・台湾
地域によって異なるが、概ね粥、麺、饅頭(マントウ)が多い。粥には「油条」(揚げパンの一種)が供される場合がある。

香港では「港式早餐」と呼ばれる卵料理、ハムやソーセージ、トーストとマカロニ、ビーフン、あるいはインスタントラーメンが入ったスープを組み合わせたものが茶餐廳で提供されている。



日本
平安時代の天皇は、巳の刻(『寛平御遺誡』)、南北朝時代では午の刻(『建武年中行事』)、江戸時代では卯の刻に身を清め神仏を拝んだ後、辰の刻朝五ツ半(9時頃)に朝食を摂った。

一方、近世の征夷大将軍は辰の刻朝五ツ(8時頃)に朝食を摂っており、天皇より早めの朝食を摂っていた。


北アメリカ
アメリカ合衆国
アメリカ合衆国においては様々な形態の朝食が並立している。移民たちがそれぞれの出身国の伝統を持ち込んでいることに加え、アメリカの大地で生み出された新たな選択肢も加わる。

出身国で見られる朝食を取る家庭も相当数ある。イギリス系の人々はイギリス風の、ドイツ系の人々はドイツ風の、中国系の人々は中国風の朝食を摂る。


日本ではイギリス風の食事が紹介されることが比較的多い。

トースト、 シリアル、 卵料理 、ベーコン、 ハム、 ソーセージ、 パンケーキ、 ワッフル、 フレンチトースト、 ドーナツ、 マフィン、 ベーグル、 果物、ハッシュドポテト、コーンビーフハッシュ、これらを好みで選択する。