ニューハーフ(和製英語: new-half)
男性として生を受けた者が人為的に女性の風貌となり、かつそのことを公にして水商売や風俗店に従事する者、芸能界で働く者の呼び名であり、現代日本における造語である。


 


ゲイボーイ・シスターボーイ(英語由来)・ブルーボーイ・おかま・Mr.レディー・ニューハーフ・おねえ、などと、呼び方が変化してきた。

 


英語では「おかま」等と訳されるシスターボーイの他に米俗語のシーメール(she-male)もある。

 

↑ 男装のままの出演者も ↓

 


シーメールはシスターボーイ同様、直訳すれば「おんなおとこ」というような言葉だが、特に女性化乳房と男根両方を兼ね備えたニューハーフを指す意味合いが強い。


ニューハーフの女性化
昔は過度に古風な女性の仕草をコピーする人が多く「女より女らしい」と言われた時代もあったが、近年では、女性と変わらない自然な雰囲気のニューハーフが増えて来つつある。

 


これは、女より女らしいということを強みとして生きるよりも、なるべく普通の女性として生活し、一般女性の幸せを選ぶほうが好ましいと感じるニューハーフが多くなったためである。

 


化粧や服装による女装のみのニューハーフも相当数いるが、現代では医学を応用して性別適合手術とよばれるような肉体を女性的に作り変える手法が成熟している。

 


ニューハーフとして生きることを選択した者は、肉体的にも女性化を目指す者が多いが、あえてしない者もいる。

 


例えば身長が高く骨格が大きいニューハーフは肉体を変えても女性としては見られにくいので身体は変えずに生活を送ったり、時代により今ほど性別適合手術が一般的ではなくリスクが高かったのでしなかったり、親の反対や世間体の問題で出来ないなどの理由が挙げられる。

 


以下、見た目や肉体を人為的に女性らしい体・風貌に作り替える手法について大まかな分類を挙げる。

 


美容整形
男性的に発達した頬骨やあご骨は整形手術で削ったり切ったりして、女性的な顔立ちを目指す。

 


二重瞼形成手術により目を大きく見せることで、男性的な印象を抑える。
鼻筋を綺麗にしたり、男性らしい眉間の凹みや額の平べったさを改善するためにプロテーゼやヒアルロン酸を注入する。

 


女性らしいくびれを目指すために、骨盤周りに脂肪やシリコンを注入する術例も少なからず存在する。


服装
現在のニューハーフは低年齢で去勢する者も多く男性的な成長が早くに止まるので、一般の女性のサイズの服を着る。

 


資金や環境の問題等で、若年のニューハーフでも男性的な成長を迎えた後で去勢する者も大勢いる。

 


サイズが合わない者は、服や靴を自分のサイズにオーダーしたり、一般女性の大きめのサイズが売っている専門店にいったり、通販を利用したりする。

 


化粧
基本的に化粧の方法は、一般女性とさほど変わらない。しかし人によっては男性らしい骨格を隠すために化粧で過度に陰影をつけたりする傾向もある。

 


例えば、はるな愛はおでこの生え際のところにペンシルで影を入れ小顔効果を演出している。

 


水商売や風俗嬢などは薄暗い屋内で接客するため、濃い傾向のメイクのニーズがあり、またショーパブなどにおいてはショーで映える必要があるため、舞台メイクさながらのメイクを求められる。

 


これらはニューハーフに限らず、女性の同等の職によるメイク法と共通する事も多い。

 


基礎化粧品は女性と同じ物を使う。性ホルモン投与により肌質が女性的になってくれば女性向けの基礎化粧品が肌に合ってくるという事もしばしばある。

 


髪型
髪型も基本的には女性と変わらない。ニューハーフになりたてで髪型が男性的で短い時期はウィッグを着用したりする事もあるが近年はヘアーエクステンションなどの発達によりウィッグを用いなくても自然な長髪を演出する事も可能となった。

 


地毛がある程度伸びてからは、ショートカットやロングヘアに限らず美容室などで女性と同じようにカットする者が多いので女性と変わらない。

 


脱毛
男性の代表的な特徴である髭は年齢と共に濃くなっていき、剃っても根本が肌に透ける「青ひげ」になってしまう。そこで毛抜で抜いたり、永久脱毛することが行われる。

 


ただし濃くなる前や元々生えてない時期に女性ホルモン投与や去勢によって男性ホルモンの働きを抑えればそれ以上濃くはならない。

 


資金的余裕のある者は、両脇や両脚を中心に全身脱毛も試みる。
資金的に脱毛できる余裕がない者は、習慣的にシェーバーなどを用いて顎をはじめ全身の毛剃りを行う。肌荒れ対策にスキンケアも欠かせない。

 


性ホルモン
去勢
手術もしくは薬剤により睾丸から分泌される男性ホルモンを断つことにより、身体から筋肉を減らし、髭を含む体毛が濃くなることを防ぐ。

 


髪以外の体毛の発育は遅くなる傾向にはあるが、永久脱毛をしない限り皆無になるわけではない。


 

女性ホルモン投与
女性ホルモンは、乳腺組織を発達させるとともに、皮下脂肪を沈殿させることで、女性らしい体を作る作用がある。

 


そのため、女性化を望む者の多くの者が投与している。
手術が必要ないという点では手軽であるが、高濃度の女性ホルモンは睾丸などの男性機能を不可逆的に損ない、精子や男性ホルモンを作り出せなくなるので、それなりの覚悟が必要である。

 


臀部も脂肪の沈殿である程度丸みをおびるが、成長期を過ぎてから投与されるため、女性のように骨盤が大きく高くなる事はない。

 


このためヘソとくびれの位置関係でニューハーフを見分けることができる。ちなみに性ホルモン異常などで成長期から女性ホルモンの影響が強いものは骨格も女性的になる。

 


性同一性障害により第二次性徴を迎える前や成長期の途中などの早い時期からホルモン投与を受けた者も骨格や体質が女性的になりやすい。

 


性ホルモン投与や去勢における副作用
精子を作り出せなくなり不妊になる。


性欲が弱くなる、もしくは無くなる可能性がある。
ホルモンバランスの急激な変化や崩れにより、体調や体重の変化が著しい。

筋力低下などにより体力が衰える。
肝機能が低下して酒が飲めなくなる。

情緒不安定になる。


去勢、または長期的なホルモン投与により男性機能が不可逆になってしまった場合は、ほぼ永年に渡りホルモン投与を必要とする。

それを怠っても生きる事はできるが早い段階で骨粗鬆症を患ったり更年期障害を迎える可能性が高まる。


乳房
乳房組織の基となるものは、胎児期に男性に分化する前に作られてしまう。そのため男性にも乳首があり、女性のような乳房を発達させる素地がある。

ホルモン胸
女性ホルモンの作用によって女性化乳房を持つ者。基本的に成長期を過ぎてから投与されるので、乳腺組織の発達に限度がある。

概ねカップサイズにしてAAからA、大きくてもC程度までと考えると良い。ホルモン投与のみで乳房が発達する度合いは個々の素養に大きく左右される。

豊胸
豊胸手術によって大きく見せた胸。基本的に性ホルモンである程度女性化乳房を発達させてから、サイズ嵩上げの為に手術する。

十分に女性化乳房が発達しているほど、自然な乳房に仕上げやすい。昔はシリコンや生理食塩水が主流だったが、近年はソフトコヒーシブシリコンジェルパックなど改良がなされてきている。

身体の他の部位から取った脂肪を胸に移植注入するという手法もあり、より自然な乳房を得る選択肢も増えた。