マリゴケ(毬蘚)
湯川には「マリゴケ(毬蘚)」という珍しいコケが生育していました。


 

マリゴケ(毬蘚)は特定のコケの種の名前ではなく、さまざまな原因で球状に集まったコケの総称です。
 

 

西の河原の向かって右の河原には、地元では見た目から「マリゴケ(毬蘚)」と呼れていた鮮やかな緑色でモコモコとした絨毯のような苔がありました。

 

 

↑ 草津温泉からチャツボミゴケ公園へ向かう ↓

 

 

マリゴケ(毬蘚)とは、チャツボミゴケ(茶蕾苔)の事で、嘗てはその群生が見られましたが、開発の影響によって失われてしまいました。
 

 

しかし、奥草津のに六合村(くにむら)町村合併で中之条町に編入。中之条町六合地区元山にある群馬鉄山の鉄鉱石露天掘り跡の窪み(通称・穴地獄)のチャツボミゴケ公園では本州最大の群生を見ることがでると言うので訪ねることにしました。



 

「チャツボミゴケ」はPh2.0~4.6程度までの強酸性火山性水域に生育するコケ類で世界中の約18,000種の中でも最も耐酸性の強い特異な苔です。

 

 

↑ チャツボミゴケ公園までは約30分の道程です ↓

 

チャツボミゴケは東アジア最大級の群生を形成し、その環境や生態系が評価され、周辺の自然遺産とともにラムサール条約に登録されました。2017年2月に国の天然記念物に指定されました。
 



主に湖沼の水底で、波の動きによってコケが回転しながら球状に成長することで形成されます。そのため、マリゴケの生育には特定の環境条件が必要です。

 

緑の絨毯のように見える苔(チャツボミゴケ)は、硫黄泉などの酸性の条件下のみで生育します。

 

 

本州では草津が最も見ることができ、本州以外では阿蘇山などの火山性の場所で見ることができる特殊な苔です。

 

 

別名を「まりごけ」とも言いますが、猪苗代湖や摩周湖のマリゴケとは別種ですので、ご注意ください。
 

 

↑ 草津町から中之条町へ ↓

 

マリゴケの主な生育条件
水の動きと地形
湖の水底で波による回転運動が起きる地形が重要です。この回転運動がコケの体を丸くし、球状に成長させる要因となります。
 


水中に適応したコケの種類
マリゴケを形成するコケは、水中で生育できる種類でなくてはなりません。

 

例えば、猪苗代湖ではミズスギゴケやイナワシロツボミゴケ、屈斜路湖ではクッチャロカギハイゴケ(ホソヤナギゴケ)などがマリゴケを形成することが知られています。

 

安定した環境
マリゴケ群落の維持には、湖の環境が悪化しないことが重要です。
 

 

↑ チャツボミゴケ公園に到着 駐車場無料 

 

 

水質の変化や護岸工事などがマリゴケの形成機会を奪うと指摘されており、生育地の保全が求められています。

 

 

↑ 入園料600円(事務所窓口で支払い)中之条町民300円、小学生以下は無料 ↓

 


チャツボミゴケ公園

 

↑ チャツボミゴケ公園へは徒歩でも行けますがシャトルバスを利用しました ↓

 

 

高山では、小石が雨や風などで回転し、その表面にコケが生育して球状になるマリゴケも見られます。

 

 

こちらは湖沼のマリゴケとは成因が異なります。
 

 

この場所は、鉄鉱石の鉱床があり、昭和41年(1966年)まで露天掘りによる採鉱が行われていました。

 


その露天掘りの窪み(俗称「穴地獄」)に自生しているのが「チャツボミゴケ」です。

 

 

チャツボミゴケは酸性の水の流れる所に生育。
 

 

↑ 此の川の源流地点にチャツボミゴケ群生地が有ります ↓

 

 

これほどまで広範に自生しているのは全国でも珍しく、本州では中之条町のチャツボミゴケ公園だけです。

 

 

↑ シャトルバス終点 大池・平兵衛池・芳ヶ平湿原 ↓

 

 

東アジア最大級の群生を形成し、その環境や生態系が評価され周辺の自然と合わせ2015年に芳ヶ平湿原と共にラムサール条約に登録されました。

 



↑ 平兵衛池への案内 無料貸し出しの杖 ↓

 

この穴地獄の脇から散策路が伸びており、その先には「大池」・「平兵衛池」と呼ばれる池があります。

 


 

↑ チャツボミゴケ公園入口 ↓

 

 

また、さらにその先には芳ヶ平湿原と呼ばれる湿原が広がっています。

 

 

芳ヶ平湿原にはハイキングコースがあります。

 

 

このハイキングコースを散策される場合、チャツボミゴケ公園をスタートすると多くが上りになります。

 

 

↑ 滝と川床が褐色なのはチャツボミゴケと深い関わりが有る ↓

 

 

渋峠をスタートしてチャツボミゴケ公園をゴールとするコースがおすすめです。
 

 

↑ 褐鉄鉱鉱床 ↓

 

 

群馬鉄山
現在のチャツボミゴケ公園のある辺りは国内随一の褐鉄鉱(かってっこう)鉱床であることが戦前から知られていました。
 

 

戦時中の鉄需要から国内の鉄鉱石増産に迫られ、この地方の鉱業権を取得した日本鋼管は国の命により鉱山開発を行うことに。

 

 

群馬鉄山を呼ばれ、国内2位の生産量を誇る露天掘鉱山として栄え最盛期には2000人が鉱山に携わっていました。

 

 

↑ 此の辺りからチャツボミゴケが見られます ↓

 

 

ここ群馬鉄山は閉山した昭和41年以降も50年近く日本鋼管によって保存され、その間その広大な土地は新たな開発が行われずにいました。

 

 

↑ チャツボミゴケとレンゲツツジ(写真は全て2020年6月1日撮影) ↓

 


もともと人里離れた山奥です。

 

 

見事なまでに希少なチャツボミゴケがそのままの姿で残っています。

 

 

↑ チャツボミゴケ群生地(穴地獄)を取り巻く観賞者用木道 ↓

 

バイオミネラリゼーションとは
「バイオミネラリゼーション」とは、生物が自身の身体の内外に鉱物(無機化合物)を作り出す作用のことを言います

 

 

というととても難しく感じますが、実は自然界では比較的よくあることです。

 

 

↑ 湧き出る強酸性の温泉水とチャツボミゴケ、レンゲツツジが美しい ↓

 

 

群馬鉄山を呼ばれ、国内2位の生産量を誇る露天掘鉱山として栄え最盛期には2000人が鉱山に携わっていました。

 

身近な例では、サンゴや真珠、珪藻土などが挙げられます。
 


 

チャツボミゴケの場合、このコケにバクテリアが関与することにより今でも鉄鉱石が生成されていることが確認されています。