ヒメオドリコソウ(姫踊り子草)はヨーロッパ原産の越年草。道端や庭などによく生えている。また、北アメリカや東アジアにも帰化している。

ヨーロッパを原産地とする。
原生地以外でも道端や空地、畑などのありふれた雑草として知られ、北アメリカでは地域によっては侵入植物種として扱われる。日本では明治時代中期に帰化した外来種で、主に本州を中心に分布する。

茎は短い毛を持つ。根元で枝分かれし、草丈は10cm~25cmまれに30cm程度に達する。
葉は対生し、長さ1、2cmの葉柄をもつ。葉身は長さ2から4cm程度の卵円形で縁は鈍い鋸歯を持つ。葉脈は網目状で窪み、全体に皺があるように見える。上部では暗紫色を帯びる。葉をもむと悪臭がある。

花は日本の関東地方では3月から5月にかけて開花する。明るい赤紫色の唇形花で、上唇片は兜の形で、下唇片先が2裂し赤い斑点があり、上部の葉の脇から外側に向かって開き、上から見ると放射状に並ぶ。
温暖な地域では年間を通じて開花し、他の花が少ない時期にはミツバチにとっては重要な蜜の供給源となる。 しばしばホトケノザとともに生えており、葉と花の色が似ているが、上部の葉の色づくこと、葉の先端が尖るほか上部の葉も葉柄を持つことで容易に見分けはつく。
花がないときには、外観的にイラクサ類 (nettle) と似ているが、分類上はかけ離れており(イラクサはイラクサ科)、刺もない。このため英語では "deadnettle" と呼ばれる。

↑ ヒメオドリコソウ
中国・朝鮮半島から日本に分布するオドリコソウ(踊り子草、L. album var. barbatum)の同属であるが、背丈・葉や花の大きさとも半分以下で小さいため「姫」の名を冠して呼ばれる。
花序が環状に並ぶ様子を、踊り子が並んで踊るさまに例えて名づけられたものとされるが、オドリコソウでは花の段の間が広いのに対して、ヒメオドリコソウは互いに接近してつくため、見かけの印象はかなり異なる。
また、近縁にキレハヒメオドリコソウ(モミジバヒメオドリコソウ、L. hybridum)があり、日本でも1990年代以降に帰化が確認されている。
ちなみに突然変異などで、花の色が白くなったヒメオドリコソウをシロバナヒメオドリコソウと呼び、ヒメオドリコソウと区別することもある。


ホトケノザ(仏の座)とは、シソ科オドリコソウ属の一年草あるいは越年草である。
別名のサンガイグサ(三階草)は、茎が段々につくことから。↓
別名のサンガイグサ(三階草)は、茎が段々につくことから。↓



成長した際の高さは10 - 30cm。四角断面の茎は柔らかく、下部で枝分かれして、先は直立する。
葉は対生で、縁に鈍い鋸歯があり、下部では葉枝を持つ円形、上部では葉枝はなく茎を抱く。
花期は3 - 6月、上部の葉脇に長さ2cmほどの紫で唇形状の花をつける。上唇はかぶと状で短毛がびっしり生える、下唇は二裂し濃い紅色の斑点がある。つぼみのままで結実する閉鎖花が混じることが多い。
白い花をつけるものもあり、シロバナホトケノザと呼ばれる。


分布・生育地アジアやヨーロッパ、北アフリカなどに広く分布する。日本では、北海道以外の本州、四国、九州、沖縄に自生する。
道端や田畑の畦などによく見られる雑草である。

人間との関わり
子供が花びらを抜き取り、それを吸って蜜を味わって遊ぶことがある。
子供が花びらを抜き取り、それを吸って蜜を味わって遊ぶことがある。
春の七草の一つに「ほとけのざ」があるが、これは本種のことではなく、標準和名をコオニタビラコというキク科の草である。
ところが、このためにこの種を七草の「ほとけのざ」であると誤解されている場合がある。本種は食用ではないため、注意を要する。
