喫茶店とは、コーヒーや紅茶などの飲み物、菓子・果物・軽食を客に供する飲食店のこと。

日本では、フランスのカフェを意識した店舗などを中心に「カフェ」と呼ばれることも多い。

和風の茶房(さぼう)や茶寮(さりょう)という呼び方もある。

呼称
「喫茶(きっさ)」とは、もともとは鎌倉時代(源実朝の時代)に中国から伝わった茶を飲用し効用を嗜む習慣や作法をさす言葉であった。

しかし現在では(緑の)茶に限らず、紅茶、コーヒーも含めて「喫茶」と言い、さらには果汁や清涼飲料水なども含めて、これらを飲み菓子を食べることも「喫茶」の概念に含めることが多い。

喫茶店は、俗に略して「茶店」(さてん)とも呼ばれる。近年の口語では「お茶する」などともいう。

日本では、フランスのカフェを意識した店舗などを中心に「カフェ」と呼ばれることも多くなってきた。

また、見晴らしの良いテラスにて「カフェテラス」を行っているところもある。
ヨーロッパ風の店を「ヨーロピアン・カフェ」、イタリア風の店を「イタリアン・カフェ」と呼ぶ事もある。

英語流に呼ぶ場合、特にコーヒーを主力商品とする場合「コーヒーショップ」、紅茶を主力商品とする場合は「ティーハウス」「ティールーム」などとも呼ばれる。

中国茶を出す店は「茶館(ちゃかん)」などと、別の名で呼ばれる事が多い。

こうした豊富な語彙が使われるようになったので、「喫茶店」という言葉をあえて使う場合、フランスの「カフェ」や米国のコーヒーショップや中国風「茶館」とは少し違った、日本での(大正・昭和などの歴史を踏まえた)スタイルのもの、という意味を込めて使われていることがある。

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提供されるもの
コーヒーや紅茶が基本であるが、他に提供されるものは、店舗ごとに様々である。比較的一般的なものを挙げてみる。
 
飲み物 -
コーヒー、紅茶、ジュース

菓子 -
ケーキ、ホットケーキ、パフェなどの菓子

軽食 -
サンドイッチ、スパゲティなど

※一部店舗ではモーニングセットなどを提供している場合がある。
またサラリーマンなどの昼食(ランチ)の需要が見込める立地では「ランチセット」(昼限定の)カレーライスや定食類などを提供している場合もある。

時間帯ごとの傾向や利用目的
都市部では、朝の比較的早い時間帯にはサラリーマン・学生等が朝食をとるために利用している。また、昼食の時間帯になると、喫茶というよりも食事をとることを目的に軽食やランチセットや昼限定メニューを利用する人が多くなる。

その昼食の時間帯を過ぎると、飲み物や菓子の売上の割合が増え、軽食は減る。営業を担当しているビジネスマン(営業職。いわゆる「営業担当」「営業マン」)は(顧客先を訪問する直前の)時間を調整のために利用することがある。

また、PCやタブレットでe-mailを送受信するため、同僚との簡易な打ち合わせをするため、さほど構える必要がない商売相手とちょっとした打ち合わせをするため、等々のために利用していることがある。店内に設置されていることが多い、新聞や雑誌を目当てに入る人もいる。
 
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喫茶店の歴史
喫茶店として提供し始めた時期は定かではないが、16世紀にはイスラム教国の主だった都市にコーヒー店が開かれ、政談、商談の場となっている。

ムラト3世(在位:1574年 - 1595年)治下のオスマン帝国ではカフェでの政府批判が問題となり、カフェ閉鎖令が出されている。

17世紀中頃 - ヴェネツィアにヨーロッパで初めてコーヒーを提供する店が開業。
1650年 - イギリスにコーヒー・ハウスができる。

コーヒーハウスは新聞を読んだり、政治を論じたりといった男社会の交流の場でもあった(ロンドン、ギャラウェイが特に有名)。1686年 - パリ最初のカフェと言われるカフェ・プロコップが開業(現存)。
単にコーヒーを飲ませる店、というだけでなく、文化人が交流する場であった。

日本
享保20年(1735)、京都東山に高遊外 売茶翁が開いた茶亭・通仙亭が日本初の喫茶店といわれる。

1878年 - 神戸元町の「放香堂」が店頭でコーヒーを提供(元町3丁目に茶商として現存)。

1888年4月13日 - 東京の黒門町(当時は下谷黒門町)に本格的なコーヒー店「可否茶館」が開店。

1920年代 - 日本で喫茶店ブーム。当時コーヒー一杯10銭。

1950年代後半 - 日本でジャズ喫茶(JAZZ喫茶)、歌声喫茶、名曲喫茶などが流行。

1952年 - ムジカが大阪市北区にオープン。日本初の本格的英国式紅茶の店となる。

1959年 - 談話室滝沢が東京都内にオープン。日本の高級喫茶店のはしりとなる。

1960年代後半から1970年代 - 日本で純喫茶が流行。味に一家言持つようなオーナー店主が自らコーヒーを淹れて供するこだわりの店が増える。このような店主はバリスタの認定試験を受けたりする事も多い。

1970年代 - スペースインベーダーの登場にはじまるアーケードゲームブームが興り、多くの喫茶店にテーブル筐体が設置された(ゲーム喫茶)。

ゲームが子供の教育上よくないと思われたことにより、学校の校則に喫茶店への入店を制限するものが日本全国でみられた。

1980年代 - セルフ式コーヒーチェーン店のドトールコーヒーが誕生(2006年現在、日本国内で一番店舗数の多い喫茶店でもある)。

1990年代 - 日本へスターバックスなどシアトル系チェーン店が進出。コーヒー一杯を300円から500円で提供する。一方で古民家を改築した和風喫茶などもブームに。

地域ごとの特徴
愛知県、岐阜県では、飲食店の内でも喫茶店の占める割合が高い。特にこの中京圏2県の場合、1999年の総務省統計局発表データによれば、全飲食店のうち喫茶店の占める割合が、全国平均は24.3%。

東京都は17.7%、喫茶店の店舗数が全国1位の大阪府でも36.1%に対し、愛知県は41.5%、岐阜県は40.4%となっており、喫茶に対する支出も愛知県は全国平均の約2倍、岐阜県は約2.5倍となっている。

当然ながら数が多い分だけ競争も激しく、それらの地域ではコーヒーを頼めば菓子やピーナッツがついてくるのが半ば常識化している。常連客が多い店ではレジの近くにコーヒーチケットを保管しておくポケットが壁に設置されている。

また1960年頃から豊橋市、豊田市、一宮市などで「モーニングサービス」と称し、コーヒー1杯分の値段で、朝の開店時刻から10時ごろまで、トーストやゆで卵をつけるサービスもはじめられ、中京圏域に広まっている。

また競合他店より少しでも目立とうとパトライトを看板に取り付けている店もある。

また、スターバックスやドトールコーヒーといった全国規模で展開しているセルフサービスのコーヒーショップも同地域に昨今進出しているが、前述の通り、喫茶店の利用率の高さとサービス競争の熾烈さにはさすがに追随できず、シェアの獲得も中々ままならない状況が見られ、中には駅前の一等地に出店したはずが2年程度で撤退を余儀なくされるケースも見られる。一方では、名古屋から全国展開を始めるチェーン店もある。

チェーン店の例

銀座ルノアール
ドトールコーヒー
タリーズコーヒー
スターバックス
PRONTO
ベックスコーヒー
カフェ・ベローチェ
珈琲館
コメダ珈琲店
エクセルシオール カフェ
サンマルクカフェ
シアトルズコーヒー
ブルーボトルコーヒー
出典・ウィキペディアフリー百科事典。