矢筈豌豆
(写真は全て20016年8月5日撮影)。
(写真は全て20016年8月5日撮影)。
ヤハズエンドウ(矢筈豌豆)は、マメ科ソラマメ属の越年草。ヤハズエンドウが植物学的局面では標準的に用いられる和名だが、カラスノエンドウ(烏野豌豆)という名が一般には定着している(「野豌豆」は中国での名称)。
![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20190605/23/tabicom/3a/b2/j/o0800053014438270840.jpg?caw=800)
特徴
本州~四国・九州・沖縄の路傍や堤防などのいたるところにごく普通に生育している。秋に発芽し、春になると高さ60~150cmに達する。
本州~四国・九州・沖縄の路傍や堤防などのいたるところにごく普通に生育している。秋に発芽し、春になると高さ60~150cmに達する。
![イメージ 2](https://stat.ameba.jp/user_images/20190605/23/tabicom/9d/70/j/o0800053014438270874.jpg?caw=800)
茎には巻きひげがあり、近くのものに絡みつくこともあるが大体は直立する。茎は全体に毛があり四角柱状。花期は3~6月でエンドウに似た小型の紅紫色の花を付ける。豆果は熟すると黒くなって晴天の日に裂け、種子を激しく弾き飛ばす。
![イメージ 3](https://stat.ameba.jp/user_images/20190605/23/tabicom/df/c9/j/o0800053014438270916.jpg?caw=800)
原産地はオリエントから地中海にかけての地方であり、この地方での古代の麦作農耕の開始期にはエンドウなどと同様に栽培されて作物として利用された証拠が考古学的資料によって得られているが、その後栽培植物としての利用はほぼ断絶して今日では雑草とみなされている。
![イメージ 4](https://stat.ameba.jp/user_images/20190605/23/tabicom/b8/48/j/o0800053014438270940.jpg?caw=800)
そのため、若芽や若い豆果を食用にすることができるし、熟した豆も炒って食用にできる。また、未熟な果実の両端を切り落し、草笛にすることができる。
![イメージ 5](https://stat.ameba.jp/user_images/20190605/23/tabicom/cb/23/j/o0800053014438270969.jpg?caw=800)
一見するとソラマメの仲間とは思えないが、よく見ると、茎が角ばっていることと、豆のへそが長いというソラマメ属の特徴を満たしている。
史記で伯夷・叔齋が山で餓死する前に食べていた「薇」(び)は、野豌豆の類ともいい、またワラビやゼンマイのことともいう。
![イメージ 6](https://stat.ameba.jp/user_images/20190605/23/tabicom/a3/36/j/o0800053014438271003.jpg?caw=800)
近縁種
近縁の仲間には、スズメノエンドウ、カスマグサなどがある。この3種は、いずれも路傍に咲くごく普通な雑草であり、生育の季節も共通するため、往々にして混生する。
近縁の仲間には、スズメノエンドウ、カスマグサなどがある。この3種は、いずれも路傍に咲くごく普通な雑草であり、生育の季節も共通するため、往々にして混生する。
![イメージ 7](https://stat.ameba.jp/user_images/20190605/23/tabicom/93/61/j/o0800053014438271036.jpg?caw=800)
カラスノエンドウは大きくて少数の花を着け、スズメノエンドウはごく小さな花を房状に多数着ける。カスマグサは小型の花を少数着ける。カスマグサのカスマとは、カラスとスズメの間(マ)の意である。これら3種は似ているが、ヤハズエンドウは托葉(葉の付け根の付属物)に暗紅色の花外蜜腺があり、他2種にはない。
また、欧米には近縁種でより大型のオオヤハズエンドウがあり、牧草として利用されている。この種は近年日本にも帰化していることが分かっている。