鎌倉の神奈川県立近代美術館、クロージングレセプションへ。
幼い頃から「鎌倉近美」は日常の風景として私の傍らにありました。
あまりにも「あたりまえ」にあったその風景は、戦後の資材統制が解かれた翌年に
多くの文化人達の熱意によって出来た、奇跡的な「場所」。
先日の、鎌倉市生涯学習センターで鎌倉近美についての講義にあたって、改めて資料を
見直し、私の幼少期に近所のおじいちゃんだったり、散歩で挨拶していたおじさんが、
実は設立に関係した文化人たちだったということに、びっくりした。
日本の近代美術の行く先を照らし続けて来た場所が、これからどのような役割と命を
与えられてゆくのだろうか。鎌倉に限らず、文化を担う人たちが声を上げて導かなけ
れば、この場所は、ただの遺跡にしかならなくなるのではないだろうか。
たくさんの人たちで溢れかえる美術館の中庭で、空を見上げると
きれいな三日月が出ていた。