オートバイの旅は、いつもすこし寂しい。 -34ページ目

オートバイの旅は、いつもすこし寂しい。

タイトルは斉藤純氏の小説から拝借…だがまだ読んでない。しかしこのブログに綴られる、現実と空想とが交錯した過去から未来への記憶と記録は、このタイトルの如くどこか少し寂しげな装いを持つ、心象風景の覚え書きである。

上高地に来るのは今回で2度目だ。1度目は河童橋から穂高連峰を見たかったから。上高地が旅の目的地だった。今回はあの日河童橋から眺めた穂高連峰の最高峰、奥穂高岳の山頂が目的地だ。早朝にテントをたたみトレッキングシューズの紐をしっかりと結びタバコに火をつけた。次に火をつけるのはあの山頂だなとあいまいな決意をして歩き出した。

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上高地の朝の聡明な空気の中を、梓川に沿って徳沢から横尾へと向かう。横尾までは平坦なハイキングコースが続いているのだが、横尾で梓川を渡ると少しずつ傾斜が高くなり、山の中へと道が続いて行く。

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はぁ〜はぁ〜はぁ〜。まだ登り始めて2分もたっていないのにこのザマだ。すれ違う下山して来るクライマー達に「あと少しだ!頑張れ!」と声をかけられ「ありがとう!」と返事するが、あと少しのはずがない…いい加減な事を言うな!となかばキレ気味になりながら、しかしその精神状態が意地へと変わり、チクショー!的な力となって先へ先へと、上へ上へと進ませてくれる。

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意識朦朧の中、登った証しにとシャッターを押す。「カール、カール、涸沢カール! カール、カール、うすあじカール!」と訳のわからない自分自身への応援歌を息切れ甚だしい状態の中、途切れ途切れに歌いながら登り続け…着いた!ここが涸沢カール。天国に少しだけ近づいた気がする。オートバイだけでは決して辿り着く事の出来ない場所だ。

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とりあえず、テントを設営し寝ぐらを確保。しかし、疲れは最高潮。多分この後は明日の登頂に備えて、レトルトのキャンプフード食べてウンコして寝た…ような気がする。しかし、トイレは驚きのシステム…5つ6つトイレが並んでいるのだが、跨いだ真ん中のみぞに水が流れてて、それが全部繋がってる。つまり隣の人のもようしモノが股の下のみぞを流れていくという仕組みになっている。雪解け水バンザイ!