オートバイの旅は、いつもすこし寂しい。 -31ページ目

オートバイの旅は、いつもすこし寂しい。

タイトルは斉藤純氏の小説から拝借…だがまだ読んでない。しかしこのブログに綴られる、現実と空想とが交錯した過去から未来への記憶と記録は、このタイトルの如くどこか少し寂しげな装いを持つ、心象風景の覚え書きである。

朝が来た。本日も晴天なり。

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涸沢カールでの最後のコーヒーを飲み、この雄大な景色との別れを惜しむ。シュラフを丸め、テントをたたみ、ザックに詰め込み、さあ下山だ。

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さらば!同じ名を持つ山!

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さらば!涸沢カール!

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何度も振り返り、お約束のように誰にともなくこう呟く…「また必ず来るから!」。多分、自分自身に言っているんだと思う。

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ここからは、まず上高地へと戻り、そこからタクシーにてオートバイを駐車している沢渡へ。たった2日ぶりのオートバイとのご対面だが、ずいぶん懐かしい感じがする。♬な〜がいあ〜い〜だ、ま〜たせてご〜めんんん〜♬と口ずさみながら銀色のタンクを撫でる。ザックをオートバイにくくり付け、トレッキングシューズからブーツに履き替えた。キーを回しエンジンスタート!ドッドッドッと心地よく単気筒エンジンが回り始める。とりあえず松本市内で今夜の宿を探さなきゃ。しかし、世間は夏休み真っ只中、果たして寝床を確保できるのだろうか。JR松本駅前の宿泊案内所で宿泊予約者のキャンセル待ちの列に並び、小一時間ほどの待ち時間でなんとか民宿を紹介してもらえた。安堵の心持ちでオートバイに乗り、駅周辺の観光案内地図をたよりに民宿へと向かう。駅からは少し離れた場所にあるこじんまりした佇まい。真四角の座卓に座椅子が二つある四畳半に通され、座布団を枕に寝転んでみる。小さなテレビ、きしむ廊下、隣の部屋との仕切りは襖が一枚、窓の外を走る車の音…昨夜までの涸沢カールでの大自然の懐に抱かれたテント泊とはかなり違うが、地に足がついた安心感が眠りを誘う。夕食の支度が出来たとの声で起こされた時には、灯りをつけていない四畳半はもう真っ暗だった。民宿の女将さんが気をつかってくれたのか、泊まり客の中では一番最後の食事だった。食事を終え風呂に入り、一息ついて松本の夜の町をぶらつくつもりだったが、部屋に敷かれた布団に横になると、すぐに睡魔がやって来た…就寝。そして朝!そしてまたここからの旅の記憶が定かでない。わずかに残された写真ではこうだ!

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安曇野のJR穂高駅。以前電車で来たことがある場所だ。それからここ!

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どこだろう?この旅では山登りをメインイベントて考えていたので、少し記憶薄なのだが、白樺湖からビーナスライン、蓼科高原、霧ヶ峰、美ヶ原高原を走って来たので、多分そんな高原道路のどこかのスナップだろう。また近いうちにその記憶薄を取り戻しに行かなければと思う。こうして山登りツーリングの旅の後半は曖昧のまま家路を辿ったようだ。