オートバイの旅は、いつもすこし寂しい。 -24ページ目

オートバイの旅は、いつもすこし寂しい。

タイトルは斉藤純氏の小説から拝借…だがまだ読んでない。しかしこのブログに綴られる、現実と空想とが交錯した過去から未来への記憶と記録は、このタイトルの如くどこか少し寂しげな装いを持つ、心象風景の覚え書きである。

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天気は良さそうだ。間もなく開演を向かえるメインイベントの事を思うとワクワクする。ビューポイントに急がなきゃ!しかし何故か右足のふくらはぎが痛む…足がつった訳ではないが、とにかく痛む。5分、10分たっても治らない。でもショーは開演を待ってはくれない。なんてこった…右足を引きずりながらもビューポイントに向かう。なんとかたどり着いた時には開演寸前。沢山の人たちがカメラを構え息をのみ、その瞬間、その一瞬に心を奪われるためにこの場所にいる。

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来たか?

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来るぞ!

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来たァ〜っ!シャッター音がいたるところで鳴り響き、歓声があがる。ダイヤモンドだ!ボクはその瞬間デジカメのシャッターもそこそこに、何故か大きく息を吐いて辺りを見回した。みんな目の前で起こっている絶景の瞬間に心を奪われ、その顔は驚きよりも安堵に満ちたやわらかい表情をしていた…ボクも同じ。そして徐々に富士山頂から離れて行く朝日を見ながら考えた…この旅に出た理由を。冬の寒い夜に訪れた喪失感を振り払うため…と思っていたが、実はそうじゃない事に気づいた。この喪失感が本物なのかを確かめるために来たんだなと…そしてそれが本物だと気づいた。無理に忘れる必要なんてない。ましてや捨てるなんて出来るはずもない。大切なものを失ったことは事実だが、今も大切に思う気持ちは変わらない、多分ずっと…。なんて色々考えている間に、ビューポイントの人影もまばらになって来たので、ボクもまた右足を引きずりながらテントに戻った。さあ、帰ろう!テントとシュラフ、ルアーロッドもろもろを片付けてキャンプ場のバイク置場へ。

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田貫湖キャンプ場…本当に素晴らしいロケーションのキャンプ場だった。しかし、珍しく他のキャンパーとひと言も話さなかった…やはり少し病んでいたのかもね。

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オートバイに荷物をくくり付けて、いざ出発!田貫湖キャンプ場、ダイヤモンド富士、真夜中のキャンプ場に響く人生のドラマ夫婦、また来ます!

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帰りの名神高速サービスエリアで、富士宮焼きそばを食べる。うん、普通に焼きそばだった。

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ここもどこかのサービスエリアだろう。天気も良く暖かく、気持ちはずいぶん軽やかだ。どうしようもない思いを抱えてはいるが、納得ずくなのでなんてことない。このダイヤモンド富士ツーリングは忘れるための旅のはずだったが、事実を再認識する旅になってしまった。何事も自分の本当の思いに素直に向き合うことが大切な事だとしたら、オートバイの旅はボクがボクと素直に向き合えるチャンスをこれからも与えてくれるに違いない…この先ずっと…。いつまで乗るんだ⁇