天気は良さそうだ。間もなく開演を向かえるメインイベントの事を思うとワクワクする。ビューポイントに急がなきゃ!しかし何故か右足のふくらはぎが痛む…足がつった訳ではないが、とにかく痛む。5分、10分たっても治らない。でもショーは開演を待ってはくれない。なんてこった…右足を引きずりながらもビューポイントに向かう。なんとかたどり着いた時には開演寸前。沢山の人たちがカメラを構え息をのみ、その瞬間、その一瞬に心を奪われるためにこの場所にいる。
来たァ〜っ!シャッター音がいたるところで鳴り響き、歓声があがる。ダイヤモンドだ!ボクはその瞬間デジカメのシャッターもそこそこに、何故か大きく息を吐いて辺りを見回した。みんな目の前で起こっている絶景の瞬間に心を奪われ、その顔は驚きよりも安堵に満ちたやわらかい表情をしていた…ボクも同じ。そして徐々に富士山頂から離れて行く朝日を見ながら考えた…この旅に出た理由を。冬の寒い夜に訪れた喪失感を振り払うため…と思っていたが、実はそうじゃない事に気づいた。この喪失感が本物なのかを確かめるために来たんだなと…そしてそれが本物だと気づいた。無理に忘れる必要なんてない。ましてや捨てるなんて出来るはずもない。大切なものを失ったことは事実だが、今も大切に思う気持ちは変わらない、多分ずっと…。なんて色々考えている間に、ビューポイントの人影もまばらになって来たので、ボクもまた右足を引きずりながらテントに戻った。さあ、帰ろう!テントとシュラフ、ルアーロッドもろもろを片付けてキャンプ場のバイク置場へ。








