オートバイの旅は、いつもすこし寂しい。 -17ページ目

オートバイの旅は、いつもすこし寂しい。

タイトルは斉藤純氏の小説から拝借…だがまだ読んでない。しかしこのブログに綴られる、現実と空想とが交錯した過去から未来への記憶と記録は、このタイトルの如くどこか少し寂しげな装いを持つ、心象風景の覚え書きである。

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昭和の日の午後、荷物をオートバイに積んで出発。夕方、大阪南港のフェリー乗り場へ到着。乗船手続きをしてオートバイを二輪の乗船待ちエリアにとめ、港のコンビニで幕の内弁当と缶ビールを買い込む。いつもなら(自宅では)第二
第三のビールですます事が多いのだが、さすがに旅立ちの時にそれでは味気ないのでスペシャルな銘柄をセレクトする。乗船待ちエリアに戻るともう二輪の乗船が始まっており、買い出しをサドルバッグに放り込み、急いでエンジンをスタート。もうフェリーに載せるだけだからとヘルメットをミラーにかけたまま乗船スロープを走らせ、重油と排気ガスの混じり合った臭いの中へと進む。船員に誘導されるまま駐輪場所でオートバイをとめ、エンジンストップ。サドルバッグから買い出しを取り出し、フェリー泊で最低限必要な荷物とヘルメットを持って船室への階段を昇る。長距離フェリーには何度も乗っているが、若かりし頃はまず間違いなく二等船室…いわゆる雑魚寝部屋を利用していた。お金が無かったからね!まあ、今も無いんだけど。この旅で利用するのは二等寝台。普通は、一つの部屋に二段ベッドが向かい合わせに複数あるタイプなのだが、このフェリーの二等寝台は少し違ってて、上段と下段でベッドルームの入り口が交互になっているので、上段と下段の人同士のプライバシー配慮感が向上している。この説明ではよくわからないかも知れないが、こんな感じだ。


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階段を上って上段の入り口、下段の入り口は反対側だ。詳しくはフェリーのWEBサイトでご覧ください。という訳で船室で荷物を降ろし、出港間近のデッキに上がる…もちろん幕の内弁当と缶ビールを持って!

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天気がいい!期待を裏切らない船上からの夕景を見られそうだ。まだ誰もいない最上部のデッキにベタッと座り、とりあえず、この旅が楽しく過ごせる事を祈り、プシューッ!ゴクゴクゴク!美味い!やはり第二第三とは違う。続いて弁当のフタを開ける。まあこちらは普通のコンビニ幕の内弁当…食べ終わる頃にちょうど出港の時間となり汽笛が鳴り響く中、ゆっくりと船体が岸壁から離れていく。その岸壁では家族や友達、恋人を見送る人たちがデッキに向かって大きく手を振っている。中には別れに涙している人もいるのだろうか。そんな事を考えながら、ボクも誰にともなく遠ざかる港に向かって小さく手を振った。