ここ最近ずっと、スリランカを思い出している。
初めてスリランカに行ったのは、8年前。
学生最後の休みを利用して、1ヶ月間くらい回った。

最近は、内戦も終結に向かい、近代化が進んでいるスリランカではあるが、
当時は古き時代の面影が残っていて、暑い熱気と湿度で朦朧とした世界で
厚かましいほどのフレンドリーなスリランカ人たちと、ハチャメチャで
刺激的な時間を過ごした。

---
◇ コロンボに着いたのは真夜中だった。
フライトで知合った松下電器の社員の方が
ホテルまで送ってくれた。
◇ あらゆるものが辛かった。
まさかと思ったが、サンドイッチも辛かった。
もちろんお菓子も辛かった。
スリランカ人の親が、やっと固形物を食べるようになったような
子供の口に、カレーの一つまみを運ぶ。子供はおいしそうに食べた。
育ちが違うのだ。
◇ コロンボのフォートで食べたカレー 70円。
◇ 揚げ物がそのまま置いてある黒光りした木棚と
素手でつかんでサーブしてくれる店員。
◇ いろいろな人が名刺をくれて、貯まっていった。
“僕は、日本人の友達がいるんだ。宝石商人なんだよ”
“私は、オフショア銀行につとめているの”
◇ ラトゥナプラへ向かうバス。5時間くらい乗るのに 300円。

◇ ジャングルを蛇行しながら走る道路では、
バスの運転手たちが危険なレースを繰り広げている。
人、車、牛、犬、バイクが飛び出してくる道路で
前の車をあおり、対向車線にはみ出して追い越す。
車がバスを追い抜く。
バスが車を追い抜く。
バスがバスを追い抜く。
バスは30度くらい傾き、窓から手を伸ばせば
地面を触れることができそう。
◇ マンゴースティックの食べかすをバスの外に投げる。
気分の悪い人も、どうぞそのまま窓の外へ。。。
◇ TATA は音のわりには、スピードがでない。
ババッバ!バッババーバババババ!!♪!!

◇ シンハラージャ森林保護区に泊まる。
夜 電気はなく、暗闇の中でビスケットをかじる。
ジャリジャリとした食感。
たくさんの蟻入りビスケットでした。
◇ 夜、真っ暗だけれど外に出た。
闇の中から大きな息づかいをしながら、犬たちが走ってくる。
それが見えない。
◇ スリランカの女性は黒くて長い髪を一つに束ねて、
イギリス風の古風な花柄ドレス(ワンピース)を着ていた。

◇ 男たちは、サロン(腰巻)にYシャツ姿。
スリランカとイギリスの融合。
◇ 茶葉の入ったストッキングでこす ホット・ミルクティー。
◇ エッラでは、リジーに出会う。
彼女がガーデンで育てているスパイスを食べて、
辛いだけがスパイスではないことを知った。
脳の中で、今まで押されたことのないツボを
刺激してくれるようなスパイス。本物のカレー。
ジャングルの恵み。

◇ リジーのゲストハウスの朝は、掃除から始まる。
質素で古いけれど、清潔で気持ちのいい部屋。
テラスをほうきで掃くときの音で目が覚める。

◇ ひんやりとした廊下を歩き、はだしで外に出る。
一晩かけて香りを蓄えたバラの花に鼻をうずめて朝の深呼吸。
◇ 午前の冒険と午後の昼寝。
夕方の激しいスコールと停電。
◇ 道を歩くと、すれ違う村人全員が挨拶をしてくる。
◇ お菓子をねだる子供たちが、
僕の後を追って山を駆け上がってくる。

◇ キャンディへ向かう列車。地元の子供たちが
客車から身を乗り出して、木の枝や草をもぎ取る。
少し進むと、線路の周りで待ち伏せしてた子供たちと
走る客車の上から投げあい合戦が始まる。水をぶっかけたり、
さっきの枝を投げつけたり、大騒ぎ!

◇ クリケットのスポーツクラブの子供たちだろうか?
キャンディに着くまでずっと、車輌の壁やイスを
たたいてリズムとっている。小さな打楽器隊。
ダッタ、タッタッタ、タタッタ、タッタ…♪
ダッタ、タッタッタ、タタッタ、タッタ…♪
ダッタ、タッタ、タタッタ、タッタ…♪
7時間つづく。
◇ キャンディ植物公園。
葉1枚だけでも1tくらいありそうな、巨大な木。

コウモリの群れが停まっていて、黒くなった木。

◇ カルタラ近くの海辺のゲストハウス。
ベッドから波打ち際まで60歩。
かなしい夢を見て少し泣けた。
一人の漁師が通りかかり、話しかけてくる。
“どうしたの?泣いているの? I can help you.”
それを聞いて、可笑しくて思わずふきだしてしまった。
僕が笑ったのを見て、漁師は満足そうに笑っていた。

◇ 肌を焦がすような強い日差し、
日中は暑くて泳げない。
◇ ヤシの木は、危険だ。
“ヤシの実が落ちてきて人の頭に当ったらあぶないから”
◇ はだしで踏むアクセル。

◇ バスの中では、座っている人は立っている人の荷物を持ってあげる。
女の人が、僕にハンドバックを渡す。
その人は、人に押されるように降りてしまったから
開いた窓から手を伸ばしてハンドバックを返してあげる。
◇ 揺れるバスから落ちた。
バスから落ちて後輪に轢かれそうになった。
僕が落ちたのを目撃した乗客が、瞬間時に大声をだしたので
運転手が急ブレーキを踏んだ。
僕は、バスの下で倒れていた。
乗客たちは僕を引きずり出して、口々に言った。
“走っているバスから、落ちちゃいけないよ!”

◇ コロンボからの帰り道。列車は帰宅ラッシュ。
気さくな若者たちが、外国人の僕を見つけて話しかけてくる。
3人かけの席をめいいっぱい詰めて、僕に座れという。
4人でぎゅうぎゅうに座りながら、いろんなお喋りした。

◇ ゾウのお祭りがあると嘘をつくスリランカ人。
3年前、ゴール・フェース・グリーンに行ったら、
同じ嘘をつく人がまだいた。
---
朦朧とした熱気と、奥深いジャングル。
肌が触れ合うほどフレンドリーなスリランカ人と一緒にいて
毎日が驚きの連続だったし、こだわりを忘れて心が解き放たれた。
最後にスリランカに帰ったのは3年前だ。
機会があれば、またスリランカに戻りたいと思う。
リジーや友人たちがいるスリランカが懐かしい。
家族を駆け抜けて/マイケル オンダーチェ












