<2011年5月1日 ダッカ>
僕は暴徒たちが立てる騒音で目が覚めた。

前日は深夜便でダッカ入りしていた。ベッドから起き上がって
眠たい目をこすりながらホテルの窓から路地を見下ろすと、
棍棒を握った15人くらいの男たちが、壁や地面を殴りつけながら
フルーツ市場のほうから大通りに出てくるところだった。
あー、道を歩いていてこんなのに出くわしたら厄介なことになって
いたなぁ、と思いながら、とりあえず服を着てビュッフェを食べに
行く準備をした。
廊下でエレベータを待っていると、表通りがいよいよ騒がしくなってきた。
さっきの暴徒たちの人数が野次馬を含めて50人くらいに膨れ上がっていて
ターゲットになった向かいのホテルを襲撃し始めたのだ。
棍棒でシャッターを殴りつけ、投石して窓ガラスを割った。
襲撃を受けているホテルの宿泊客は、心配そうに屋上から
騒ぎ成り行きを見守っていた。
まもなくして、警察の到着を察知してか、
暴徒たちは蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。
その中には明らかに子供の姿があった。
やれやれ、とんだ国に来たものだ。

※ 容疑者を取調べ
<人・人・人、車、車、車、リキシャ・リキシャ・リキシャ>
世界でも有数の人口密度と聞いていたが、息苦しいほど密集し
人々が生活してる街だった。正直、できるだけ早くダッカを
離れたいと思っていた。

朝からぴくりとも動かないほど渋滞し、クラクションは四六時中
鳴り響き、バスはお互いをぶつけ合いながら先を急いでいた。
信号などなく、交通の多い3車線道路を、ほとんど命を粗末に
しているのではないかと思うような芸当で横断していた。

※ 船から人が土砂を担いで、トラックへ運んでいる
100円にも満たない金額でリキシャ(自転車のタクシーのようなもの)
のおじさんは、炎天下の中、汗だくでチャリをこいで、狭い路地を
走ってくれる。
特に観光スポットと呼べるようなところもなく、しかたなく
ミルプール聖者廟に行くと、1ダーツほどの野次馬に取り囲まれた。
"どうして僕についてくるの?”
と聞くと、
"みんな暇だし、金もないし、外国人(僕のこと)が
珍しいから見学してるんだよ”
と言われた。
観光に行ったつもりが、僕が「観光物」になってしまった。
※映像「世界一危険な横断」
<お腹ぐるぐる>
正直、ダッカはきつかった。特に日本食が恋しかったわけではないが
普通に清潔でおいしい料理が食べたかった。バングラディシュを離れ
バンコクの日本料理店に行った時のこと、メニューを開いたときに
自然と涙があふれそうになった。僕はこんなにも飢えていたのか。
注文しさえすれば、メニューに載っている写真と同じ食事が
運ばれてくるなんて!とても信じられなかった。これもこれも食べたい!
個人的な意見だが、現地の人と同じものを食べ続けるのは困難だった。
食の豊かさ、衛生管理、移動の快適さなどはダッカには欠けていたような気がする。











