この夏、相次いで動き始めた新幹線計画――注目したい4つのニュース | みえtetsuのブログ

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三重県内・東海・関西・東海道・東京周辺の鉄道を中心に写真を撮影
JR全線完乗を目指す旅のルートなども公開

 はじめに、2026年7月28日に発生した「令和8年熊本地震」により被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。

 今回の地震では、熊本県宇城市と氷川町で最大震度7を観測し、各地で人的被害や建物の損壊、停電、交通機関への影響などが発生しました。地震活動は現在も続いており、気象庁は、揺れの強かった地域では引き続き強い地震や土砂災害などに注意するよう呼びかけています。気象庁「令和8年熊本地震」

 被害に遭われた方々の安全と、一日も早い復旧・復興を心よりお祈りいたします。

 そのような状況のなかではありますが、今年の夏は、将来の交通網に関わる新幹線のニュースも相次いで報じられています。

北海道新幹線のトンネル貫通、東海道新幹線初の夜行列車、北陸新幹線の敦賀以西ルート、そして西九州新幹線の未整備区間をめぐる動きです。

 

 今回は、私が特に気になった次の4つの話題を取り上げます。

  1. 北海道新幹線・後志トンネルの貫通
  2. 東海道新幹線初の夜行列車
  3. 北陸新幹線・敦賀以西の「桂川案」
  4. 西九州新幹線・未整備区間の環境アセスメント

1.北海道新幹線・後志トンネルが貫通
 北海道新幹線の新函館北斗―札幌間では、全長約18キロの「後志トンネル」が貫通しました。これにより、同区間にある17本のトンネルのうち、12本が貫通したことになります。トンネル全体の掘削率も約92%に達しているとのことです。一方、ほかの工区では、巨大な岩塊の出現などによる難工事が続いています。札幌延伸の開業時期も2038年度以降になる見通しですが、今回の貫通は久しぶりの明るいニュースだと感じました。

 新函館北斗―札幌間では、整備新幹線の標準である最高時速260キロから、320キロ運転に対応するための追加工事も進められています。この高速化工事は、JR北海道の負担によって実施されるものです。また、JR東日本も東北新幹線の盛岡―新青森間を最高時速320キロに引き上げるための工事を進めています。
 

 JR北海道が掲げている東京―札幌間の目標所要時間は、最速4時間30分です。航空機との競争を考えると、所要時間だけでなく、札幌駅から直接乗り降りできる利便性も大きな魅力になるでしょう。

 私は三重県に住んでいますが、北海道新幹線が札幌まで開業したら、東京で乗り換えて札幌まで新幹線で旅してみたいと思っています。飛行機より時間がかかったとしても、車窓を楽しみながら北へ向かう旅には、鉄道ならではの魅力があります。


2.東海道新幹線初の夜行列車
 JR東海は、2026年8月8日(土)出発限定で、夜行新幹線「東海道ルミエールエクスプレス」を運行します。東海道新幹線では、午前0時から午前6時ごろまで線路や設備の保守作業が行われるため、通常の営業列車は運行されません。今回の列車は、この時間帯に岐阜羽島駅で約6時間停車することで、夜間の保守時間を確保します。列車は午後10時に東京駅を出発。品川駅と新横浜駅からも乗車でき、午前0時ごろに岐阜羽島駅へ到着します。午前6時ごろに同駅を出発した後、京都駅を経て、午前6時59分に新大阪駅へ到着する予定です。

 
 岐阜羽島駅での停車中は、到着後と発車前の約30分間だけドアが開けられます。ただし、改札の外に出ることはできず、利用できるのは改札内の自動販売機と喫煙所に限られます。


 旅行代金は、東京発・新大阪着の普通車指定席で大人1人1万5,000円。利用するには、JR東海ツアーズの専用旅行商品を購入する必要があります。

 夜間も室内灯は点灯したままで、保守作業による音や振動が伝わる可能性もあるため、寝台列車のような快適さを期待するのは難しいかもしれません。それでも、夜に東京を出発し、翌朝から京都や大阪で活動できるのは魅力的です。


 まずは下り1本だけの運行ですが、利用者から好評を得られれば、継続的な運行や別区間での設定につながる可能性もあります。新幹線の新しい利用方法として注目したいところです。


3.北陸新幹線・敦賀以西は「桂川案」へ
 2026年7月15日、自民党と日本維新の会による与党の整備委員会は、北陸新幹線の敦賀―新大阪間について、「小浜・京都ルート」のうち桂川駅付近を経由する「桂川案」を選定しました。
これまで検討されていた京都駅付近を南北方向に通る案は採用されず、京都駅から西へ約5キロ離れたJR桂川駅付近に新駅を設置する方向となりました。

 ただし、桂川案が選定されたからといって、すぐに着工できるわけではありません。整備新幹線の着工には、安定的な財源の確保、収支採算性、投資効果、営業主体となるJR西日本の同意、並行在来線の経営分離についての沿線自治体の同意という、いわゆる「着工5条件」を満たす必要があります。

 現在の京都駅は国内外の観光客で混雑しているため、桂川駅付近に新たな玄関口ができれば、人の流れを分散させる効果も期待できるかもしれません。一方で、京都駅を経由しないことによる乗り換えの不便さや、巨額の建設費、地元住民の理解など、解決しなければならない問題は数多く残されています。今回の選定は大きな一歩ですが、全線開業までには、まだ長い時間がかかりそうです。


4.西九州新幹線の環境アセスメントで国と佐賀県が合意
 西九州新幹線は、武雄温泉―長崎間がすでに開業していますが、新鳥栖―武雄温泉間の整備方法は決まっていません。
この未整備区間について、国土交通省と佐賀県は2026年7月17日、環境アセスメントに向けた手続きを進めることで合意しました。
 今回の調査は、佐賀駅経由や佐賀空港付近を通るルートなど、特定のルートをあらかじめ決めて実施するものではありません。一定の幅を持たせた範囲を調査し、その結果を今後のルート検討に役立てる方針です。国土交通省は2026年度末までに事前調査を行い、2027年度から環境アセスメントに着手する予定です。

 合意内容には、佐賀県の負担を軽減するための国による特別な配慮や、長崎県にも相応の負担を求める方向性が盛り込まれています。また、並行在来線についても、現在の経営形態を維持することを念頭に置いて協議する方針です。


 佐賀市から福岡市までは、在来線特急でも1時間前後です。そのため、佐賀県側から見れば、多額の費用を負担してまでフル規格新幹線を整備する必要があるのか、という疑問が生じるのも理解できます。
 

 私が住む三重県津市から名古屋までも、近鉄特急で約50分間です。「この距離なら、必ずしも新幹線は必要ない」と感じる点では、佐賀県民の感覚に近いものがあるかもしれません。西九州新幹線の全線開業によって大きな恩恵を受ける長崎県にも、一定の負担を求めるという考え方は、やむを得ない面があると私は思います。


まとめ
 この夏は、全国各地の新幹線計画が動き始めたことを実感させるニュースが相次ぎました。
 北海道新幹線のトンネル工事は着実に前進し、東海道新幹線では新しい夜行列車が誕生します。北陸新幹線では桂川案が選定され、西九州新幹線でも国と佐賀県の協議が新たな段階へ進みました。
 いずれも課題は多く、実現までにはまだ長い時間がかかります。それでも、一つひとつの進展が、将来の鉄道ネットワークにつながっていくのでしょう。
 これから各計画がどのように進んでいくのか、引き続き注目していきたいと思います。