前々回のブログ
2025年度帰国生入試・「帰国生なのに帰国生入試が受けられない」についてディスカッション | 帰国子女の保護者を静かに応援する元塾講師・田畑康のブログ
の続きで、帰国生入試のシステムについて、小5の子供たちとディスカッションしています。

 

 

 TODAY'S
 
広尾学園の帰国生英語入試についての考察

 



英検1級リッキー君(以下、リッキー):先生、広尾の話に戻るんですけど、トフル90点取ればあとは英語の勉強はいいってことなんですか。

 

タバタ:広尾学園の説明会では、トフル90点取れている受験生は、英語力としては十分だから、あとは算数と国語をしっかりやってください、という風に言ってたね。

 

英検2級マックス君(以下、マックス):まだ70点台の僕としては、90点ってすごい点数なんですけど、広尾学園を実際にペーパーテストを受けた場合と、どう違うんですか。

 

英検準1級セレナさん(以下、セレナ):私も気になります。トフルのほうが有利って聞きますけど。

 

タバタ:うーん、一概には言えないんだな、これが。

例えば、トフル90点以上、そうだな、この中ではリッキーがそうだ。

リッキーはすでに94点取れているから、英語のテストは免除される。

 

ただ、トフルの満点は120点でしょ。

広尾学園は、120点満点の人が90点という計算をするんだ。

つまり、100点満点中の90点だ。

 

リッキーはテストが免除されて、得点は94点の75%だから・・・70.5点になる。

 

リッキー:え?結構低くないっすか。

 

セレナ:ホントだ。なんか、70点くらいじゃ心配。

 

タバタ:確かに!しかし、広尾学園の先生の話は本当だと思うよ。

90点で十分イコール当日の入試を受ける受験生たちが70点取るのは難しいと判断しているからだね。

実際に、君たちの先輩たちが広尾学園の入試問題、過去問サンプルね、それを解いてもらうと、英検1級ホルダー、トフル90点以上チームでも60点以上取るのが超大変なんだよ。

 

一同:えー!?

 

マックス:ということは、トフルや英検1級よりも難しい問題を出してるってことですか?

 

タバタ:そうとも言えるし、そうとは言えない部分もある。

 

リッキー:どっちだよ!

 

タバタ:リッキー君、落ち着きなさい。

 

リッキー:ハア、ハア。

 

一同:(笑)

 

セレナ:先生、リッキーが胸をかきむしってるので危険な状態だと思いまーす!

 

リッキー:だってさー。

 

タバタ:だっても明後日もないよ。

あのね、受験の不条理なんて、人生そのものの不条理から比べると、まさにリハーサルみたいなものなんだよ。

 

マックス:哲学始まった!

 

一同:(笑)

 

タバタ:何度も言うけど、受験で受かる、落ちるなんて些細なことなんだよ。

だから、自分がやってることにはしっかり距離を取って、不条理なものにゲームのように立ち向かうほうがいいとは思わないかい?

リッキー?

 

リッキー:へーい。

 

一同:(笑)

 

タバタ:さて、広尾の話に戻ろうか。

広尾の帰国入試の英語の問題はね、リッキーの大の苦手なね、

メタファー解釈だからなんだよ!

 

リッキー:ギャー!

 

一同大爆笑

 

リッキー:もう、勘弁してくださいよ~。

 

タバタ:あはは。

いや、でも、冗談じゃなくね。

 

小難しい物語と詩を読んで、隠喩とか押韻とかを分析して、2作品の共通テーマを探すっていう・・・

 

セレナ:国語みたい!

 

タバタ:そうなんだよ。

だから、セレナやマックスのように、トフルでは90点では届かなくても、そういったメタファー解釈が得意な受験生がちゃんと得点できるようになってるんだよね。

 

リッキー:へいへい、どうせオレはメタファー解釈できませんよ。

 

タバタ:まあ、そう腐るな。

リッキーもこの数か月でなかなかできるようになってきたと思うよ。

 

マックス:そうだよ。だって、もう免除は決まってるんだしさ。

 

リッキー:ふふふ。ま、そうかな。何といっても免除だしね。

 

タバタ:いや、先生の作戦では、リッキーは広尾はペーパーテストで受けてもらう。

 

一同:ざわ、ざわ・・・

 

リッキー:えー?何でですか?

 

タバタ:うん、まあ、これは君たちが6年生になってから、一人一人の受験作戦については詳しく説明しようと思ってたけど、ちょうどいい機会だから話しておこう。

リッキーはさ、12月の広尾学園が受かったとして、1月に本命があるでしょう?

 

リッキー:はい。渋幕と渋渋。

 

タバタ:渋渋の英語入試の傾向って教えたことあったよね。

 

リッキー:はい。フィクションとポエム。あ!

 

タバタ:そう。広尾学園と似ているんだよ!

 

ということは、広尾学園も志望順位は高いかもしれないが、トフルで免除で回避するのではなく、実際に受けてメタファー解釈力の腕試しができるっていう作戦だ。

 

セレナ:すごーい。

 

タバタ:まあ、でも、これは広尾学園をただ練習台、とかレベルの低い押さえにする、という意味ではない。

 

ここ数年の入試の結果を見ると、広尾学園が不合格だったのに渋幕と渋渋にダブル合格している受験生もいるんだ。

 

一同:へえ~。

 

マックス:僕は、広尾の志望順位が上がってきたから、トフルで得点取れたらペーパーテストで回避したくなっちゃうかも。

 

タバタ:うん、それも否定はしないよ。

何度も言うけど、自分の可能性を広げるために、必死の努力をすればいいんだ。

 

今、マックスはトフル70点くらいだっけ。あと1年かけて90点まで上がる努力を続けていきながら、家族とも話し合って受験パターンを決めればいい。

 

セレナ:私はトフルで得点クリアしても、広尾学園のペーペーテストにチャレンジしてみたいです。

 

タバタ:よくぞ言った!どうだ、リッキー?

 

リッキー:おおせの通りに!

 

タバタ:なぜそこで時代劇風?

 

リッキー:NHKのドラマで見ましたもんで・・・

 

一同:(笑)