山内一豊とその妻千代の半生を描いた物語です。
文春文庫では4巻に分かれていますが、長さを感じさせない作品です。
凡庸な才能ながら、実直で妻思いの一豊が、50石をふりだしに土佐24万石の殿様になる出世話です。内助の功の第1人者千代は状況がつかめ、先が読め、的確に手が打てる人物です。
男だったら相当の切れ者として、やはり出世したであろうと思われますが、戦国時代を生き残れたかどうかはわかりません。
夫は古参の家来として、大きな功績は上げないが、いつもそこそこの戦果を挙げて生き残ったのです。
生き残ったところに一豊のすごさがあると思います。
2人が寄り添って、やってきた結果だったのでしょう。
気をつけないといけないと思ったのはえらくなって、年をとったときの傲慢な気持ちです。独裁者になって、考えられないことをしてしまう。
晩年の秀吉然り、一豊もそういった行動が見られます。
土佐を力で治めたものの、幕末まで続く上士と下士の問題を残すきっかけとなってしまうのでしょう。当時は勿論わかりませんし、あとからいえることですが・・・。
司馬作品次は何を読みましょうか。
楽しい選択です。