松村劭著「戦術と指揮」より、印象に残ったところの紹介①
何十年も前から某国の「静かなる侵略」を受けている側として今後、どんな対抗措置が考えられるか、参考になる書籍を取り上げて行くことにした。
既に大阪は落ちて、いま兵庫と京都がターゲットにされている。
戦術とは、戦場において戦闘に勝利する「術」であると言う。
また広義の意味では術を繰り出すノウハウと、それを実行する指揮統率を含む。
戦略とは、戦闘部隊が有利な条件で戦場に臨めるように全体を構成する策略であり、戦闘における勝利を最大限に利用することにある。
戦術が取り扱う世界は、戦場における人間社会である。
そこでは「死の恐怖」「錯誤」「妄想」「苦痛」「孤独」「静寂」「疲労」「睡眠不足」「疑惑」「不信」「劣等感」などが人間を支配している。
ここでの決断の物差しは、「勝利」と「生き残り」以外にない。
そして、そこでは「指導力」「相対的は正義」「愛」「名誉」「誇り」「独立」「自由」「信条」などが、人間の行動原理となる。
しかし、これらの行動原理は、何も戦いの場だけのものではないのがわかる。
平和なときにおいてすら、人間は愛、名誉、誇りといったものを行動原理にして、「勝つこと」を目的にした生き方をしているからである。
目標は、どう立てれば良いのか
状況の変化に、どう対処すべきか
ネット情報などを、どう読むか
上からの命令は、どこまで有効なのか
こうした疑問を解く必要な要素は、「戦術」の中にすべて詰まっている。
戦術には二つの領域があって、第一は「計画戦術」で戦う前に合理的な策を練り、戦闘が始まると計画通りに実行するというもので、
第二は「動きの中の戦術」である。これは最初の計画を、状況の変化に応じて戦術を変えて行くというものである。
戦術の極意は、第二の「動きの中の戦術」にあり、その典型例は「奇襲」と「弱点打撃」であると言われている。
何であれ戦えば、必ず結果が出る。その結果が好ましいものかどうかを判断するのに、二つの指標がある。
一つは、命ぜられた「任務を達成したかどうか」で、達成できれば由とする。
もう一つが「勝ったか、負けたか」であり、勝った場合にだけ評価される。
この二つは、あまり大きな違いがないように見える。
しかし任務を達成したが敗北した歴史もあれば、任務は達成しなかったが勝利したケースも多い。
だから、どちらに重きを置いていたのかで判断されることになる。
「勝つ」ことに特化すれば、「こちらが受ける損害率よりも、高い損害率を敵に与える」こととなる。
戦いは、ただ一度で終わるものではなく、数多くの戦いの繰り返しである。
一つの戦いで敵に大きな損害率を与えれば、次の戦いでの勝利の確率は極めて高くなる。
逆に、たとえ任務を達成したとしても、敵より大きな損害率を受ければ、任務達成の意味はないと言える。
だから戦いを見るときは、
「戦いが展開する速度はどうだったか」
「勝ったのか」
「任務を達成したのか」
の三つが基本的な視点になって来るということである。
優れた軍人ほど戦争を嫌うものだ。
なぜなら「部隊」という「財産」を、戦争で消費し奪われるからである。
もちろん戦争に勝つためには、敵を撃破しなければならない。
しかし敵を撃破するにあたって、敵兵の命を奪うことが唯一の方法ではない。むしろ、それを避けるべきなのだ。
最良の方法は、敵の計画を崩壊させることである。
名将と呼ばれる人ほど、このことを常に頭に置いて、戦術の知恵を絞るのである。
本書では、より深い戦術の知識や、冷静に物事をとらえ判断するテクニックが身につくという。
今までにない本当の戦術の知識のほか、「人間の精神的戦闘力」についても理解できそうだ。