松村劭著の「スイスと日本~国を守るということ」

~「永世中立」を支える「民間防衛」の知恵に学ぶ、より
印象に残ったところの紹介①



スイスのホテルでは泥棒対策として、部屋を出るとき5つある鍵のうち、3つを違う組み合わせで選びかけるという。

 


村では橋や道路、家屋にまで対戦車用などの防御の仕掛けが施されている。


主要なホテルの地下には、頑丈な核攻撃用の避難施設がある。

 

スイスはこれまでの艱難辛苦の歴史から、生み出された国防の知恵を生かしている。

 



スイス人は「国連」をどうとらえているか?


戦勝国による「現状維持」のための国際結託に過ぎないと理解し、世界平和が守られるとは期待していない。

 


つまり、覇権国家は時の情勢で変化するので現状の固定はあり得ないこと。

 

国連憲章でどう平和維持を書き連ねようとも信頼できないことを見抜いていた。



世界秩序の原則は、勢力均衡にあると確信し、また中立が限りなく孤独への道であることも自覚していた。

 

 



スイスが安全保障を考える場合、その範囲はドイツ、フランス、イタリア、オーストリアの4カ国だけでよい。

 

この4カ国の勢力均衡をいかに図ればよいかに集中すればよかった。

 


しかし、高まって行く米ソ対決に危機感を持ったスイス政府は世界に武装中立を宣言し、国内では要塞化の徹底と国民皆兵を敷いて武装独立を国防の主軸とした。

 

 


日本も、かつての「メロスの悲劇」を教訓にすべきである。

己を自助しない者を助ける他者はいない。

 


一国平和主義の中立政策は、いざというとき誰からも助けてもらえず孤立無援で滅んでしまう道なのだ。

 

 

 

 

ちなみにメロスの悲劇とは、古代ギリシャのペロポネソス戦争での出来事であった。


それまで非武装中立を選んでいた都市メロス島は、重要拠点に位置していたため同島をアテナイ軍が攻撃し占拠した。

 

成人男子はすべて処刑されて、女子供は奴隷に売り飛ばされるという苛酷な処置を受けた。


メロス市民が期待していたスパルタからの救援は、最後まで来なかったという。