学生時代に住居学を学ばれていたご夫妻といま楽しく家づくりを進めているが、
モンゴルのパオ住居
を体験されたという奥さんの価値観は
やはり普通の人とはかなり違っていて、
初めて生まれてきたお子さんのために選んだ五月人形は組み木だった。
モンゴルの遊牧民はものが増えると移動に支障をきたすから、
最小限のもので生活するのが身に染みついている。
言い換えれば世界一ものを持たない民族ということになる訳だが、
逆に世界で一番家の中にものを溜め込んでいるのが日本人だと言われている。
そんな訳で?何の訳(笑) このご夫妻の物欲の少なさに強く惹かれたが、
選んだ組み木が小黒三郎
さんのものというのがそれにも増して嬉しいことだった。
というのは、もう25年も前に遡るが、
私も子育て時代にこの組み木の虜になっていたからだ。
当時買った小黒三郎の『組み木』の本を読みたくなって探していたら、
家内が大切にしまっていたのか、「ここよ」と言ってすぐに出して来てくれた。
あとがきに絵描きになりたかった小黒さんが目の見えない子供たちとのふれあいから、
蝕察教具作りへと駆り立てられていったことや、
『グラフィックデザイン』の創刊者である勝見勝さんとの劇的な出会いのこと。
そして、本の中に組み木のデザイン図面を公開したことについての説明がなされていた。
子供を愛し動物好きのやさしい心情がジーンと伝わってくる文章だった。
何かしら段々と子育て時代を思い出してきた。 つづく!
(S.Tomita)