『僕だけがいない街』を観てきた。

ずいぶん前だけれど、僕は『ヒーロー』という小説を書いた。
僕はその中で、1人や2人じゃなくて、みんなが心から「助けて」と願わなければヒーローは助けてくれない、と書いた。
でも、もっと利己的な理由をもつヒーローもいるのかもしれない。

リバイバル。
事件、事故を防がなければ、先に時間に進めない。
そんな時間軸に取り込まれた青年。
彼は何度も同じ時間を繰り返しながら事件、事故を防いでいく。
自分が、先の時間に進むため。
彼はわかっていたんだろうな。それをすることにどれだけの意味があって、見えない犠牲が生じているかもしれない、という可能性に。
彼は、助ける。手足を頭を目いっぱい使って。
いつか本当にするために、今は嘘を使って、あの時知らなかった、そしていつか忘れていた勇気。

「本当の僕は弱い。だから仮面をつける」
「僕が守りたいのは、きみだよ」

眼の前の守りたい者を守る。見えない犠牲はあるかもしれない。でも、その”かもしれない”ではなくて、眼の前の君を守りたいんだ。
彼に出来るのはそれだけなんだ。
ヒーローは、きっと守りたいから守るんだ。

彼が守りたかった沢山のものがある、彼だけがいない街。
彼が望んだ時間軸に、彼はいなかった。
とても寂しいけれど、とても優しい、さよなら。




もし、本当にリバイバルという現象があって、ヒーローという存在がいたとして、今はいったい何回目の今なんだろう。