SUBURBAN ECOLOGY 郊外生態学~郊外住宅地の再編をかんがえる | 建築家 田口知子の日常をつづったブログ

SUBURBAN ECOLOGY 郊外生態学~郊外住宅地の再編をかんがえる

今日は東大の新領域創成学科のスタジオ課題の最終発表会で、柏の葉キャンパスのUDCKに行って来ました。




町が形成されるのに長い時間がかかる場合、自然の生態系と同じように「環境にそって徐々に形作られ、増殖する」という集落のような形が可能になる。そういった集落の形態には、普遍的な美しさ、懐かしさを感じさせる力がある。

一方、日本の郊外住宅地は、ある時期一気に開発された、大規模で均質な宅地によって構成され、町並みには生態学的な痕跡は失われている。 土地の条件、地勢、歴史を無視した、大きく道路で区画割りを行い、均質に住宅を並べていく手法は、人間が自然とともに生きる動物である、という意識も失わせる。

このような均質な郊外住宅地が、高齢化、少子化の中で、縮小しなくてはならないとき、何を考え、どうモデル化していけばよいのか?
分析、調査まではいろいろなできるのだが、実際、何をつくるか、どう介入するか、という決断するのはとても難しい。建築の設計課題はいつもそこを鍛えられるのだ。

 町を考えるとき、昔の地図から江戸時代の水系を探してよみがえらせる人、古い谷津の地形を復活させる人、陶芸拠点と地形に沿った登り窯を作る人.



いろいろなアイデアの中で、印象的だったのは最初から最後まで「墓地」にこだわった学生だった。



今の町の中には「死」を連想させるものを排除し、見ないようにする構造がある。そのことがもち、人間性を疎外し自分たちの根っこを否定してしまうような価値観につながっているのではないか?死者や宗教、墓を、もう少し町の中に、生活の一部として身近に親しむ価値観は、これからの街を作るうえで大切な指針を与えてくれるかもしれない、というのは新しい発見だった。