戸塚の2世帯住宅 竣工引き渡しを行いました。 | 建築家 田口知子の日常をつづったブログ

戸塚の2世帯住宅 竣工引き渡しを行いました。

今日は、戸塚の2世帯住宅リノベーション工事、竣工引き渡しを行いました。

薬局として作られて長年にわたりこの地域で親しまれてこられた老夫婦の店舗兼住宅を、ご子息ご家族が一緒に住むための2世帯住宅にリノベーションしました。


リノベーション工事は4軒目ですが、新築に比べてスピードが速く手間もかかるので集中して体力を必要としますが、ビフォアー・アフターの変化が劇的でおもしろい仕事だと感じます。

こちらはリノベーション前の薬局の姿。


 店舗だったときの広い駐車場はコンクリートを撤去し、庭を作ることにしました。今、ゾエンの蓑田さんに造園の設計施工をお願いして、最後の仕上げ工事を行っています。駐車場のドライな表情が消えて黒土に覆われた庭は、家としての顔になると思います。建物の外観はほとんど変えていませんが、植栽と庭の存在でこの家の顔をデザインできればと期待しています。



2世帯住宅として、上下に左右に2つに割り、老夫婦の生活空間はなるべく手つかずのまま、左側に2階建てとして残しています。お元気なおばあ様は、今でも階段を上り下りして、2階でお布団を干すことを生活の日課にされているからです。
階段は上りやすい勾配に変更し、両側に手すりをつける工事を行いました。

元店舗部分には新しい世帯を、2層、吹き抜けで階段を作り、明るい生活空間を生み出しました。

 
2世帯住宅の作り方として、バリアフリーという概念を覆し、日常的に運動するような上下のつながりを生活の中に組み込むことで、老夫婦が健康に長生きできる家を作ることが大切だと考えています。本当に足腰が弱ったときには、上下で分けることも可能なような可変性とともに、水回り、トイレなどをトレードすることもできるようになっています。そこに住まう人の生活に寄り添って住宅の設計を考えることは、新しい発見につながる可能性があります。