9年経った「Panorama House」 訪問 | 建築家 田口知子の日常をつづったブログ

9年経った「Panorama House」 訪問

先日曜の午前中、横浜で9年前に竣工したPanorama House にご訪問してきました。


設計当時の幼稚園生だったお嬢さんも来年高校生。個室をリフォームしようかというご相談も兼ねて、久々にお伺いしました。


 家主のOさんは、生活を大切にされるご夫婦で、庭の敷石もご自分で施工されたり、奥様の趣味でたくさんの植物、バラやコニファーが元気に繁茂していました。新築時には2mくらいだったささやかなヤマボウシの木は、2階の屋根を超えるほど生命力のあふれた姿に成長していました。




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家の中は当時とほとんど変わらず、とてもきれいにしまわれていました。

 テラスにはブラックコーテッドリトリバーのマリちゃんがくつろいでいました。


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黒くて大きいので、ちょっとびっくりしましたが、とてもおだやかで人懐こい犬でした。マリちゃんは、8歳のメスですが、黒くて大きいので、お客さんはすぐ「オス」だと勘違いするそうです。わたしもすぐに「まり君」と呼んでしまいそうになりました。人間というのは、本当に思い込みの強い生き物であるなあ、と実感。

「メスなので性格もおだやかで、よく見るとやさしい顔をしていますよ」とOさん。とてもかわいい犬でした。



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「よく朝ごはんを食べます。バーベキューもするんですよ」というパノラマテラス。

10年近く経った家を訪問するのは、設計者として緊張する体験です。生活の歴史も含め、さまざまなお話しを伺うことは、設計の欠点や、素材の特長、問題点などとても現実的な認識に向き合うことになるかたです。


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 西日の問題や通風窓の配置などさまざま問題もあり、それは真摯に受け止め、学ばせていただきました。それ以上に、ご家族が生活を大切に、家の手入れをされつつ、幸せそうに住んでくださっている様子を拝見するのは、とても幸せなひとときでした。


10年前のものも、詳細図など手書きスケッチを事務所に保管しています。西日よけを庇に取り付けられるか、という相談にも、図面があれば答えることができます。

 9年を経た図面を見ながら、設計の仕事に新鮮な喜びを覚えました。




建築家 田口知子の日常をつづったブログ 中庭のヤマボウシは2階まで成長して日陰をつくっていました。庭の石はご主人様施工。


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