人を信じる?信じない?~「省エネ建築」のためのスタンス
先週の土曜日、私たちの設計した「キッズタウン東十条保育園」に、内閣官房長官秘書官の方と、経済産業省の方が視察に来られ、設計者として建物の説明をさせていただきました。
今年の8月に内閣官房副長官の仙石由人氏が視察に来られました。そのときに、「これは、なかなかおもしろい、よくできている」と、興味を持っていただき、今回の視察も仙石氏の推薦で来てくださったとのこと。有難いことです。
さて、今回は半年間のキッズタウンの消費電力やランニングコストの実績を計測したデータを統計して、ご説明する機会にもなりました。
当初のシミュレーション予測だと、今回の設計仕様は、「基準建築物(旧省エネ基準仕様)」と比較して、約35%の省エネ効果が期待できるとシミュレーションしていましたが、実際に計測データを見たところ、54%もの省エネ・コスト削減が達成されていることがわかりました!年間では300万円以上のコスト削減です。
今回の省エネ設計に協力してくれたP社エンジニアの方いわく「われわれは、人のことは基本的に信用しないという立場です。できるだけ人が触らないようにすること、機械で自動的に制御することが理想だと思います。」と言って、センサーや自動制御システムをどんどん、取り付けていこうとします。東十条も、高度なマイコン制御システムが導入されており、明るさセンサーで自動調光する照明が入っています。
しかし、コンピューター制御で複雑にからみあった設備にかこまれてしまうと、そこにいる人は、何も操作することができなくなっていきます。
人が、気持ち良いと思える環境を自分で操作しやすい建築、設備をデザインすることのほうが、よほど省エネになるのでは、と私は思っています。
消費エネルギーの少ない最先端の機器を採用しつつ、人が簡単に操作し、コントロールできる余地を作った建築と設備。窓をあけたり、エアコンをつけたり、消したり・・。あたりまえのことですが、いつでも人の手による操作が積極的にできるように設計すること。そのことを意識して設計することが、私たち技術者のスタンスとして、とても大切なことだと思っています。

