建築家の役割~大島芳彦氏の多摩平団地を見学しました。 | 建築家 田口知子の日常をつづったブログ

建築家の役割~大島芳彦氏の多摩平団地を見学しました。



先日、JIAの建築セミナーで、リノベーションで有名なブルースタジオの大島芳彦さんに、多摩平団地をご案内いただき、講演していただきました。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ 団地は、広い空地空間と樹齢のある緑は豊かな環境でが残っています。建物が老朽化しているのをどうするか、が課題です。

UR都市機構のルネッサンス計画の一環で、古い多摩平団地を再生させるために、民間事業者を募集し、定期借地権で賃貸住宅をリノベーションする試みで、その中でシェアハウス棟と、菜園、パブリックファームを持つ賃貸住宅部分のリノベーションをブルースタジオの大島氏が設計されました。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ リノベーションした部屋をつかって、軽くレクチャーをしてくださった、大島氏。お話がとてもわかりやすく、おもしろい!


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和室を全部ひとつにまとめて、1LDKにリノベーション。

建築家 田口知子の日常をつづったブログ キッチンは、質素ながらかわいらしく、愛着を感じさせるデザインです。

 団地の再生を考える際、ポイントになるのは、周辺の空地の利用方法です。団地の良さは、その緑の多さと広い空地です。そこを菜園にして、小屋もつくり、貸農園としての地域のコミュニティースペースに、というアイデアはとても良いと思います。


また、シェアハウス棟では、1階を食堂、アトリエなどにすることで、街に向かって開かれた表情とテラスをつくることで街に向かって明るい表情を持たせ、開放することをデザインされていました。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ 1階のバルコニーを外に向かって出入りできるコモンスペースに変更。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ 住棟間にはコロニーヘーブという貸農園が配置されました。

いつでも、そこに住むであろう人の生活や希望、夢に寄り添って、ソフトというか、人間的な出会いやつながりを作り出すような建築のデザイン。モノとしても「建築」ではなく、住む人の物語をデザインするように建築を作る、という大島氏のリノベーションの世界は、これからの日本の建築の作り方として、とても大切な方法だと感じ、深く共感を覚えました。


建築家の仕事というと、建築というモノづくり、と考えがちです。でも本当は、経済性や社会性、環境への貢献や、街とのかかわり、住む人の個性、生活、あらゆるものを総合して、住む人たちが幸せになれる最適解を、具体的に提案することがきる職業なのだ、ということを、大島氏の話しを聞きながら実感しました。時代は、そろそろそっちに向いて動き始めているのかもしれません。


そのためには、まず引き算すること。過剰な情報のなかから、その人が迷う部分を整理し、大切なことにフォーカスできるようにすることのお手伝い、というのが、建築家の大切な仕事であると・・・。人が、愛着を持てるものを作るということ。


確かに、無意識に普段行っている仕事ですが、あらためて建築家の職能に可能性に触れることができて、希望にあふれるひとときでした。

 古い3Kだった間取りの40㎡強の団地を、壁などすべて取り払って、1LDK+菜園のある暮らし、あるいは、1階のコモンスペースを使ったシェアハウスの提案。インテリアのデザインは、天井をむき出しにしてペンキを塗っただけの簡素なものながら、床の無垢材、オリジナルな味わいのあるキッチン、照明など、雰囲気のあるデザインが、若者の単身者やカップルにはとても魅力的大きさかつデザインです。