ちょっと見(み)ではわからないものごと ~リノリウム床材のおはなし | 建築家 田口知子の日常をつづったブログ

ちょっと見(み)ではわからないものごと ~リノリウム床材のおはなし


皆さん、リノリウム床材というのはご存知ですか?


病院などでよく使われていて、ちょっと見ただけではビニールと似ているシートで、ありふれた材料だなあ、と思っている方が日本には多いようです。昔の人は学校で使ってたような記憶がある、貧しい時代の床材だな、とか、日本人は、どうもリノリウムと聞くとネガティブな印象を持っておられるように感じます。学校建築でもいまやフローリング全盛。天然木だったら自然素材だし、エコロジーっぽいって感じてませんか?



 欧米では、フローリングはそれほどエコロジーで使いやすい材料だとは考えられていません。なぜなら、建築界の安い天然木のフローリング嗜好が、中国などの森林破壊を促進している、と考えられているからです。国産材か、FSC認証森林から切り出した材料ならOKですが、そういう材料はそれなりの価格になります。日本で出回っている無垢フローリングのほとんどは中国から輸入されていて、違法伐採や安い賃金をもとに生産された材料である可能性が高いのです。

 

価格が安いということは、いったいどういうことなのか、疑ってみる必要があります。


 リノリウム床材は、比較的安価であり(4000/㎡程度)、環境に負担をかけない素材です。原料は亜麻仁油とコルク粉、木片など、完全に天然な材料だけでできていますので、廃棄しても土に帰ります。材料の亜麻は生長が早い草で、伐採してもまた生えてくる、というわけで、自然破壊にもつながりません。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ リノリウムメーカーのパンフレット


 見た目がビニールシートっぽい、というだけで敬遠されがちなリノリウム。ビニールシートは化学合成物質で、微量ながら化学物質を発散しますが、リノリウムは、地球にも人にも完全にやさしく安全な材料なのです。




表面的なイメージや値段で判断しないで、材料の素性や、背景にある意味を読み込んでから、判断して、選択できるようになりたいですね。

パンフレット一部紹介


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