快適な眠りの空間について
先週の土曜日、眠りについてのアドバイザーである友人の三橋さん
と一緒にロイヤルパークホテル汐留タワー
に泊まらせていただく機会を得た。快眠のためのさまざまな設備を開発している、ASLEEPという会社のプロジュースで、就寝から起床まで、五感で導く快眠をテーマにプロデュースされた宿泊プランだ。
ベット枠にシステムのアロマと照明。
室内からみた夜景。東京の夜景はすばらしい!
内容は、ASLEEP社の「ジェルスプリングマットレス」のベット、それがお休み前に振動して心地よいリラックスに導く仕掛けや、アロマデヒューザーから、眠りにいざな会うアロマが立ち上り、ゆっくりと眠りにいざなうシステム。そして、起きる時間になると、小鳥のさえずりの音が流れ、朝用のアロマの香りが流れて、ゆっくりと照明が照らされる、というシステム。
ジェルスプリングマットレスの構造
シティーホテルというと、高級感や優雅さ、利便性、ビジネスサポート、空間性など、身近にありながら、普段の生活感を忘れた贅沢なホスピタリティーを体験できる場所として、隅々まできめ細かくデザインされていて、それだけでも日常を忘れた癒しを体験できる。その上で、「快適な眠り」に着目したサービスは、時代のニーズに合致しているし、とてもまさにホテルのぴったりの企画だと思う。
今回のシステムを体験してみて、確かに、プニプニのマットレスが振動したりアロマの香り、小鳥にさえずりはなかなか快適。こんなふうに快眠ルームと言っても良い寝室空間があったら、人々の暮らしももっと穏やかで幸せなものになるだろう。
今回、快眠ルームに宿泊した機会に、快適な寝室空間について考えてみた。
寝る空間で大切なことは、清潔で寝心地のよい寝具と、適切な照明。照明器具は、できるだけ低めのところで間接光を中心にし、照度を下げた暖色系の明かりにする、天井に埋め込む照明など、直接目に入る照明は×。
そして、ごくごくわずかな香りのアクセントと、できれば、1/fゆらぎといわれる「そよ風」が、ほんのり空気をゆらしていることは、湿気をベット周りに溜め込まない上でも大切なポイントであると思う。今回のホテルの快眠体験では、その「そよ風」が足りないと思った。
自分
は設計の中で、家の中に風をつくることにこだわっているが
、夏の夜に、窓を少し開ければそよ風を感じながら眠ることができる開口部の計画、吸湿発散性の高い素材で壁を仕上げ、空気環境を浄化する、眠りに適したやわらかい照明計画と配色計画。そういう快適な眠りをサポートする家を、本気でデザインしてみたい、と実感した。