うしろ向きに一緒にいる
うちの猫は、一頭飼いのせいか、私の動きを見るともなく見ていて、ちょっと部屋を移動すると、すかさずとことこついてくる。
お風呂に入ると、おもむろに後から入ってきて浴槽の脇に座ってぺちゃぺちゃとお湯を飲んですましている。トイレに入ると(洋風なのだが)足元に座ってじっと顔をみている。
食事をしていると、隣の椅子に、後ろ向きに、つまり私にお尻を向けて座る。なんとなく気ままに尻尾をふったりして、うーん、この後ろ向きの座っていつつ、一緒にいるな、と感じる感覚がたまらなくかわいらしい。
「一緒にいる」技というのは、実は人間同士ではけっこう難しいと思う。誰かと話をしている最中でも、何か別のことを頭のなかで考えていたり、なんだかんだと批評したりしていると、その人とは一緒にいない、と感じる。本当に一緒にいる瞬間というのは、人間関係においてとても幸せな感覚を与えてくれる。なかなか意識しても難しいものだと思うけれど、できうれば、「ただ、その人と一緒にいる。」ことができる人でありたい。人の場合は、後ろ向きではちょっと伝わりにくいでしょうけど・・。