京都 日本初めての地蔵菩薩 矢田寺 | 京の一枚

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光仁7(816)年に日本で初めてつくられたとされる地蔵菩薩がご本尊のお寺。

このお地蔵様は代受苦(だいじゅく)地蔵と呼ばれ、人々の苦しみを代わってくださるといわれています。

なぜ、このお地蔵様が苦しみを代わってくれるのかというと、こんな説話が残されています。

閻魔大王といえば、死者の魂を天国に行くか地獄に行くかを決める裁判官。

 



平安時代、この閻魔大王は矢田寺の住職だった満米(まんまい)上人から菩薩戒(ぼさつかい:菩薩が受持する戒)を受けました。

その時、上人は閻魔大王に「地獄を見せてください」と頼みます。

上人が閻魔大王から地獄を見せてもらった際、炎が煮えたぎる鉄釜の中に一人の僧侶がいることに気がつきます。

 



よく見ると、僧侶は鉄釜の中にいる人を助けているのです。

もちろん、鉄釜に入っている人間は現世で罪を犯した罪人です。

その姿に感銘を受けた上人は、その僧侶の姿を仏像に刻み、ここに安置したといわれているのです。

また様子が描かれた「矢田地獄縁起絵巻」が、矢田寺に遺されています。

さらに、このお地蔵様には安産祈願・子孫繁栄・病患悉除・万霊供養の霊験があるといわれています。



送り鐘

お盆の時期、京都では、ご先祖様を迎えるために「迎え鐘」を行います。

これは、ご先祖様の魂が間違わずに家族のもとへ帰って来られるよう、梵鐘を突く儀式。

この迎え鐘に対し、矢田寺では「送り鐘」が行われます。

 



また8月16日にはご先祖様が無事冥土に戻れるように、梵鐘をついて魂を送ります。

この日は特に、多くの人がお寺を訪れます。


ユニークなぬいぐるみ守り

日本でも珍しいお守りが、矢田寺で販売されていることをご存じですか。

それは、ぬいぐるみでできたお守り。

このとても愛らしいお顔のぬいぐるみ守りは、なんとご住職夫婦の手づくりだそうです。

なんでも20年前に大きなお地蔵様のぬいぐるみをつくったところ、近所の方をはじめ参拝客からもかわいいと評判となったため、小さなものをつくり、お守りとして販売するようになったそう。

良縁成就・安産祈願・無病息災などのご利益があり、若い女性がぬいぐるみ守りを求めて、全国から訪れるそうです。

お守りは持ちかえって大切に保管するもよし、願い事を書いて奉納するもよし。

矢田寺に訪れた際は、ぜひ愛らしいぬいぐるみ守りを手にしてみてください。



■アクセス

市バス「河原町三条」下車 徒歩約3分 


■住所 京都市中京区寺町通三条上る 


■参拝時間 8:00~19:00 


■お問い合せ 075-241-3608 


※写真は全て過去のものです。