京都 紅葉100シリーズ 寂びの滝口寺 NO.67 | 京の一枚

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今日はかなわぬ恋愛物語の滝口寺へ。

竹柵の急な坂道をものの5分も登ると滝口寺。

 



細い坂道を登ると一寸した広さの庭と庭に面して本堂だ。

 



縁側に座って紅葉を眺めた時、感動が胸を打つ、しかし心が和らぐ・・・。



侘び、寂びの滝口寺 横笛の悲恋物語  


旧寺名:三宝寺(往生院(現在の祗王寺)の子院)


「山深み 思い入りぬる柴の戸の まことの道に我を導け」




平家物語ゆかりの寺である。

「平家物語」の「維盛高野の巻」で語られている滝口入道と横笛のかなわぬ恋愛物語。

滝口入道は、宮中警護を務める滝口(清涼殿の東北の詰所)の武士だった斉藤時頼(さいとうときより)内大臣 平重盛(たいらのしげもり)に仕えていた。

横笛は、建礼門院に仕えた女性



 

 

滝口入道は、権力者 平清盛(平重盛の父)が西八条殿で催した花見の宴で、建礼門院(平重盛の妹)に仕えていた横笛の舞を見て一目惚れする。

滝口入道が書いた恋文が、横笛のもとに届けられ、二人は愛の契りを結ぶが、厳しい父親に雑仕女との交際を厳しく戒められ、主君 平重盛の信頼に背いた己を自責し、三宝寺で出家して仏道修行を行っていた。



噂で滝口入道が出家したと知った横笛は、自分の心を打ち明けようと、あちらこちらの寺院を探し回り、着物はほころび、みすぼらしい姿にまでなっていた。

 




嵯峨野の地で、滝口入道の念誦(ねんしょう)の声を聞いた横笛は、表門を叩くが、追い帰され、滝口入道に会うことができなかった。



横笛は泣く泣く都へ戻るが、真の自分の気持ちを伝えようと、指を斬り、近くの石に「山深み 思い入りぬる柴の戸の まことの道に我を導け」と血で書き残したという、横笛に居場所を知られた滝口入道は、修行の妨げとなると、女人禁制の高野山静浄院へ移る、それを知った横笛は、大堰川に身投げしたとか、奈良の法華寺へ出家したともいわれる。



横笛の死を聞いた滝口入道は、ますます仏道修行に励み、その後、高野聖(こうやひじり)となったといわれる。




●アクセス:  市バス・京都バス「嵯峨釈迦堂前」下車徒歩約20分(京都駅前からバスで約45分)


●アクセス: JR京都駅から嵯峨野線にて「嵯峨嵐山」下車(約15分)、徒歩約40分

●アクセス: 京福電車「嵐山」」から徒歩約35分

●住所:京都市右京区嵯峨亀山町10-4

  電話:075-871-3929

●拝観時間:9:00~17:00

●拝観料:300円







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