ぼくの苦しみは
単純なものだ
遠い国からきた動物を飼うように
べつに工夫がいるわけじゃない
ぼくの詩は
単純なものだ
遠い国からきた手紙を読むように
べつに涙がいるわけじゃない
ぼくの歓びや悲しみは
もっと単純なものだ
遠い国からきた人を殺すように
べつに言葉がいるわけじゃない
田村隆一詩集 『四千の日と夜』
「言葉」で傷ついたり 傷つけられたりしたことないですか?それは多分不意に 思いがけずに 唐突に 身を守る術もなく でも多分同様に誰かを無意識に傷つけている・・・
詩人たちは「言葉なんか覚えるんじゃなかった」とつぶやく でも それは その想いは「言葉」でしか表せない なんという皮肉なパラドックス・・・
メンデルスゾーン:田部京子
無言歌から、ベネチアの舟歌、他。