海外で手に入れた不思議な日本製のホッチキス | TのBlog

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思ったこと、好きなこと、素直に書いていきたいと思います。でも、このブログを始めた動機は、いかがなものかと自分で思う。気になる方はブログの一番初めを読んでね。どうしようもない事なんですけどね。

オーストラリア旅行中、ある片田舎の文房具店(ステーショナリーショップ)に立ち寄った際、偶々目に留まった日本製のホッチキス(STAPLING PLIER)を購入したのですが、思う所や、使えるようになるまでに研究が必要にだったので、ブログに記しておく事にする。

■購入したホッチキスの箱のイメージ

 



 

箱はとても古びていて汚れや経年による色褪せもあり、箱のどこにも製造した会社名の記載は無く、商品名として「RADIANT 640P STAPLING PLIER (JUNIOR TYPE)」とあり、商品写真の角には「USE FOR BAMBI SIZE STAPLES」とある。製造国は「MADE IN JAPAN」とあり、日本製。販売価格は豪ドルで$14.95で、$1=¥85換算だと、約1,230円ほどとホッチキスの値段としては高価だと思ったのだか、片田舎では目に留まるお土産物になるような物が全く無く、偶然入った文房具屋の片隅にほとんど目に止まらない様な感じで置かれていたけれど、なぜか目に留り、箱を手にして中身も確認して、暫く店内を彷徨き、長居もしない片田舎の場所だったので、自分用のお土産と言う事で、魔がさして購入してしまいました。
 


 


 

■使い方(拡大):

 


 

使い方の英文、どこかぎこちなさを感じる。書体や印刷も数十年前な感じの時代を感じる。

 

購入時、日本製なので、自宅に転がっている普通のホッチキスの芯をいれれば使えるものと勝手に思い込んで購入したのですが、なぜか芯のサイズが合わない。
 

 


 

仕方がないので、とりあえずホッチキスのレールの幅と、ホッチキスの芯の横幅をノギスで計ってみる。
 

 

 


 

レールの幅は約7mm
 

 

 


 

日本中どこででも普通に手に入るホッチキスの芯の幅は約9mm。製品はMAX No.10-1Mと言うJIS規格の製品で、レール幅は10mmに対応する芯になるのですが、この芯の幅は私がオーストラリアの片田舎で手に入れたホッチキスには幅が広過ぎて合わない。日本のホッチキスの規格は、欧米でよく使用されているステープル(英語ではホッチキスのことをステープル(芯)、ステープラー(メカ)と言ったりする)のサイズよりも幅が狭くて小さかったりする。しかし私の手に入れたオーストラリアに随分昔に輸出されたと思われるホッチキスは、その日本で普通に使われている欧米サイズと比較して幅の狭いホッチキスの芯の幅よりも、なんとさらに幅の狭い芯しか許容しない。変なものを手に入れてしまった気分になる。

箱をよく読むと「JUNIOR TYPE」だの「USE FOR BAMBI SIZE STAPLES」などと書かれているのが目に入って来る。しかしこの英語、「JUNIOR TYPE」とか「BAMBI SIZE STAPLES」とか書かれていても、どういう意味なのかが不明。きっと子供用で、小さなサイズのホッチキスの芯が使えるよって事を書いているんだと思うんだけれど、それをどこで手に入れるのかとか、メーカー名とか一切書かれてなくて、箱の中には製品のホッチキス以外に取扱説明書の様な物の添付もない。途方に暮れたような気分になったけれど、このホッチキスもきっと規格があって製品になったに違いないと思いインターネットを検索する。するとミニサイズのホッチキスの芯として6mmのサイズが存在しているのが分る。しかしミニホッチキスとして6mm幅で検索して芯足6mmとか足の長さが6mmだったりと、探している芯がどれなのかが見つからない。

調べて行くうちに、幅6mmのホッチキスの芯は、農業食品包装に使われるホッチキスの芯がどうも使えそうなのが分る。

MAX株式会社 - テープナー消耗品 - 農業食品包装 - 製品情報 -
https://wis.max-ltd.co.jp/agf/tapenar_syoumouhin.html
 

 

 


 

このホッチキスの芯、文房具屋などには売ってなくて、園芸店や農機具を扱うお店なんかに売っているようなのですが、私の近所のお店には在庫がなく、結局インターネット通販で手に入れて試してみる。しかし、このホッチキスの芯の型番の604E-L、私の購入したRADIANT 640Pというホッチキスの名称型番?と、使われている数字が似ているので、実は古いマックス社製??と思ったりしてしまう。
 


 

なんと幅が細くて、長いレールにも芯がピッタリ収まるではないですか!!これで遥々オーストラリアから逆輸入?して、自分用のお土産として購入したホッチキスが使えるではないですか。

しかし謎なのは、なぜ、この、特別幅が細くて長い、特殊とも思えるホッチキスの芯が必要な、ステープラーを日本で生産し、輸出したのだろうかと思う。どなたか、ホッチキスやステープラーの歴史に詳しい人でご存知の方、教えて欲しいと思う。

ちなみに、オーストラリアで普通に売られているのは、欧米でよく見かける幅の広いステープルが現在は主流のようです。


■追記(2017年5月18日)
”古いホッチキス”で検索していると、どうも株式会社ライオン事務器製のホッチキスではないかと思うようになりました。ブログにはほぼ同じ形状のホッチキスの写真が掲載されています:

輸入・廃番文房具の発掘メモ
ライオン、内田洋行などの古いホッチキス

https://blogs.yahoo.co.jp/tai_michi/6391237.html

LION P-110

 

 

■追記(2021年2月11日)

私のオーストラリアで入手した、BAMBI SIZEの針の使えるホッチキスは、イギリスのNo.25、21/4、と言うサイズの針が使えるホッチキスであることが判りました。またイギリスでは、No.25の針に「BAMBI SIZE」と書いて売られています。

 

Amazon.co.ukで売られている、No.25 "bambi staple"
 
eBayオークションに出品されているNo.25針

No.25 "bambi staple"は、日本で売られているMAXの604E-Lの針が幅6mmなのに対し、7.2mmで、少し幅広の針になります。しかしAmazon.co.ukやeBayオークションで売られている針を日本へ発送して貰おうとすると、送料がホッチキスの針の値段に対して相当高くなってしまうため、コロナ収束後にイギリスやオーストラリアへ行くことがあれば、現地文房具店などで探して購入できればと思います。