屋敷の門を入ると、皆んなが


かけ寄ってきた。


若様!

レンちゃん!


マンボ兄妹まで来ていた。



全く、今回はヨンと医仙が悪い!

ロンとランは、可愛いに決まってる!

しかし、レンちゃんの異変を見過ごした

ヨン!!お前が一番悪い!!


わかっておる!



ごめんなしゃい。

レンがわるいこでした。


レンちゃんは、悪くないぞ!



奥様!坊ちゃまもお嬢様も

とても、良い子にしてました。



うん。ありがとう。

ちょっと、頑張り過ぎちゃった。

これからは、

皆んなにもっと頼ろうかな?


そうして下さい!あっ、先ずは、

お乳を絞って下さい!

滲んでます!痛くなかったですか?



あっ、ほんとだ。レンが心配で、

痛みなんか感じなかったわ。


とおしゃま…レン…おねむ…



ああ、疲れたよな?

どら、父さまと一緒に寝るか?


あい…



ちょっと待って!

レン?お熱があるみたいだわ。


は?病か?


違うわ!ビックリしたり、疲れたり

したら、子供がよく熱を出すわ。

知恵熱って言うのよ。


ウンス!薬湯を持ってくるわ!


ありがとう!トギ!


この暑さだし、冷やさないと…。

でも、知恵熱は、明日には下がってるわ。


トギが持ってきた薬湯をコクコクと

飲んだ。


レンの寝台まで連れて行き、

寝かせると、直ぐに眠った。



ウンスは、着替えさせて、

脇の下を冷し、おでこも冷した。



大丈夫なのか?


大丈夫よ!沢山、色々な事があって

ビックリしたのね。

知恵熱は、ビックリ熱とも言うの。


二人で一度居間に行った。


2才の子の心を痛めさせるなんて、

なんてことだい!そりや、ロンは、

嫡男だ!レンちゃんは婚外子だから

といって、差別は駄目だよ!


は?なんだそれ?レンは、嫡男だ!


だって、婚姻前に生まれて、

一才半までは、身分も族譜も

なかったんだろ?



こっちに戻って来て、直ぐに役場に

行って、説明した!

此処の族譜もチェ家の族譜にも、

レンは嫡男と書いてある!


なんだ、そうだったのかい?

てっきり、差別したのかと

思ったよ!



そんな訳、ないだろ!!

レンは、大事な息子だ!



だったら、しっかりしろよ!


姐さん…レンを探してる間、

ロンとランの事を忘れる位、

二人共、心配していたんです。



ウンスは、泣き叫んでいたんだ。

俺も、レンに何かあったら、

生きて行けないと思った…

ロンとランは、勿論可愛くてたまらない!

レンもだ!兄妹を差別するつもりは、

ない!ただ、レンの分もと、

ロンとランの面倒を見ていて、

レンに二番でも良いと言われた時は、

親として、恥ずかしかった。


全くだ!今度レンちゃんを

悲しませたら、俺達が引き取るからな!


駄目だ!

レンは、誰にもやらぬ!

どうやって生まれたかも知らぬ!

その分、特別なんだ!

だからと言って、ロンとランを蔑ろに

する訳ではない!ロンとランも特別だ!



ほんとだよ!その事を忘れちゃ

いけないよ!

熱を出すくらい、胸が痛くなったんだ!



鮫が怖かったと言ってたな…。



チュオン副長は、立派な方です!

わざとではないと思います!

テジャンの次に頭のきれる方です!


チュンソク!それは、わかっておる!



ウンス!これを飲みなさい!


えっ?なに?トギ?


声ががらがらだよ。

喉を痛めて熱を出すよ?


あっ、うん!苦い?


レンちゃんは、苦くてもちゃんと
 
飲んだよ?ほんとに、ウンスの薬湯

嫌いは、治らないのね。


アスピリンもあるけど、改良した

トギの薬湯の方が効くから、

ちゃんと飲むわよ!


俺が飲ますか?


えっ?恥ずかしわよ…


どら?


トギから薬湯を受け取ると、

口移しで飲ませた。


んっ、んっ。



たまげたね〜。昔は、体を起こして

茶碗で飲ませてたのが、これだ!

ヨンも変わったもんだ!


いつもの事です!

此処では所構わずです!


あんた達も大変だ!


レンは?


ああ、レンの部屋に寝かせた。


後で寝室に連れてくるわ。

熱が心配だから、看てあげないと。

ロンとランは?


そろそろミルクの時間です!


タイミングよく二人が泣いた。


お乳をあげたら、温泉に入って、

レンと少し眠ろうかな。


ああ、そうするか。

師叔達も今日は、泊まっていってくれ!



そうするつもりだ!

明日、元気なレンちゃんを見たら、

帰るさ。



テジャン!アンジェ長官には、

連絡しておきました!


すまんな。チュンソク!


ロンとランは、母親が恋しかったのか、

沢山おっぱいを飲んだ。


温泉に二人で入ると、お互いの体を

洗った。


あっ!そうよね…解禁になったばかり

だもの…。


いや、今日は我慢する!


とは言っても、一度だけ、睦み合い

レンの部屋に行って、レンを抱っこして

夫婦の寝室に寝かせた。


なあ、ウンス?


なあに?


近いうちに天界のご両親の所へ

行こうか?


えっ?


チュオンの言う事は、最もだ。

彼奴なら、迷わず海に逃げただろうな。

ウンスが迷子になってしまったのは、

お父上とお母上の事もあったと思う。



で、でもね…ヨンは…指名手配されてるわ。



この前、皆んなで会った時に…

アン・ジン殿?に頼れと。

ウンスの元カレとか言う人か?



違うわよ!命を助けた人だけど…

あの時は、誰もが知ってるIT機器の

会社の社長だったわ。



IT機器の会社の社長とは?



う〜ん。ほら?私のスマホ!

あとは、情報を伝達するモノとか

そこの会社…まあ、王宮の一番偉い人

って、感じかな?


王様なのか?


ちょっと違うわ。ほら?ヨンが天界で

見た、天にも届くような建物の主かな?

そうね、ジンさんに頼んでみるわ!

取り敢えず、実家に行って、その後で

連絡してみるわ!でも…大丈夫?


ああ、今回、身に沁みてわかった!

我が子が居なくなると言う事が

どれ程辛く悲しい事なのか。

殴られる覚悟も刺される覚悟も

出来ておる!


刺したりしないわよ…。例えそうなっても

私が治すわ!


では、レンが元気になったら、

行くぞ!

と、レンの額の布を取り替えた。




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いよいよ天界へ行く覚悟を決めました。

このお話では、まだ、ウンスの両親に

挨拶に行ってないヨンです!

チュオンが着火剤になりましたね😊