隊長!!


どうか、梯子を渡して下さい!

船を近づけます!

医仙様はずっと大声で泣きっぱなしで

声も枯れてます!



ヨン!こっちに来い!

話す前に決着だ!



ウンス?此処で待ってるか?

梯子は危険だ!


イヤよ!私も行く!



チュオンはレンを箱の陰に隠した。


いいか?レンちゃん!おじさんは、

これから、喧嘩する!

耳をふさいで、目を閉じてるんだぞ!



ウンス!俺が下で支えるゆえ、

ゆっくりと下を見ずに上るんだぞ!


うん…。


上だけを見て軍船に甲板についた。


チュオンさん!レンは?

どこ?居ないわ!いやぁーーっ!

かすれた声を振り絞るように大声で

泣きだした。



ウンス!!落ち着いてくれ!


ヨン!剣を置け!


置いた途端に、チュオンが

ヨンを力いっぱい殴った。

後から来たジハも驚いた。


好きなだけ殴れ!



この野郎!なんだ?それで許される事だと

思ってるおるのか!!


胸ぐらを掴んで、倒すと馬乗りに

なって、殴った!


二才の息子が居なくなったのも

気付かないとは、情けないと

思わないのか!!お前は双子だけ

可愛がってればいい!


バゴッ


やめてぇーーっ!!私が悪いのよ!

レンがお腹に居るとわかった時、

嬉しくて…生きて行けると思ったわ!

レンが話し相手でいつも一緒に居たから

当然だと思ってたのぉーーっ!わあーっ!



医仙様!側に居るのが当然だとしても

なにゆえ、内攻が失くなる程の

思いを二才の幼子に与えねば、

ならなかったのですか?

レンちゃんならわかってくれると?


ただ大声で泣くウンスだ。


ヨン!お前、レンちゃんが、

双子と話せなくなったと聞いた時、

何故、抱きしめてやらなかった?

レンちゃんは、その時のお前の顔が

忘れられないみたいだ!

二番でもいいなんて、子供に言わせるな!


えっ?


レンちゃんは、俺が引き取る!

異論はないな!


クッ…駄目だ…レンは俺の大事な息子だ!


大事な息子?ふん!笑わせるな!

殴られて済むと思っておるのか?


だったら、俺を斬れ!


わかった!その腕を斬り落として、

鮫にくれてやる!


剣を取って、振り上げた時、

ウンスが間に入った。


チュオンさん…斬るなら…私を斬って…

レンが居ないなら…死んだも同然だもの。

チュオンさん…言ったでしょ?

ヨンと双子を残して死ねるか?って…

死ねるわ!あの過酷な100年前で

私を助けてくれたのは、レンなの…



医仙様、どけて下さい!

俺はヨンと話を付けてるのです!

女子供を斬る程、落ちぶれておりません!


ウンス!どけろ!

チュオンの言う通りだ!

片腕くらい、くれてやる!


うわぁ~ん!だめでしゅ!

チュオンしゃん…レンにばんでも

いいでしゅ。とおしゃまとかあしゃまを

たしゅけて…うわぁ~ん、ひっく、ひっく。


レンがチュオンの足に抱きついて

止めた。


レン!

レン!!


ヨンは、大きく息を吸った。


チェ・レン!!お前は誰の子だ!



ひっく、ひっく、とおしゃまと…

かあしゃまの…


どれだけ皆んなに迷惑かけたか、

知っておるのか?


ヨン…やめて…


俺の息子だ!怒られて当然の事を

したのだ!国防軍を動かし、

チュオンの仕事の邪魔をした!

みんなが…みんなが…どれ程…


大粒の涙を流したヨンだ。

レンを怒ったのは初めてだった。


父さまと母さまもだ!

皆に詫びなければならぬ!


ひっく、ひっく…


レンは、二番じゃない!!

父さまは、レンと母さまが戻って

来てから、レンの事は、全て憶えておる!

あの時の饅頭は、美味かったか?


あい…しゅごく…おいちかった…ひっく…


父さまもだ!

木匙で分けてくれた魚を乗せた

飯も食べた事がない程、美味かった!

父さまと母さまは、ロンとランが

産まれたら、手助けしてあげないと

いけないけど、レンの事は大好きだ!

と言った事も憶えてるか?


ひっ…わしゅれてました…ひっく


兵営で、母さまを気づかって

一生懸命だったレンに…

言った事は?


ないていいんだよ?って…


そうだ!我儘言ってもいいんだよ?

胸が痛くなったら、泣いていいんだよ?

おいで!



うわぁ~ん!とおしゃま!とおしゃま!

かあしゃま!かあしゃま!

ごめんなしゃい…うわぁ~ん…


レン!レン!母さまのレン!

ギュッと抱きしめた。



違うぞ?ウンス?父さまのレンだ!


けっ!勝手にやってろ!

せっかく、俺にも子供ができると

思ったおったのに、レンちゃんは、

冷たいなぁ。


チュオンしゃんもだいしゅきでしゅ。


そうか?だったら、おじさんの子に

ならないか?


駄目だ!チュオン!

レンは俺の愛息子だ!


レン…まだ、まにゃむしゅこ?


当たり前だ!父さまも母さまも

此処まで来るのが、何ヶ月にも

感じた。母さまは大声でずっと泣いて

声がかれたぞ?



将軍もですよ?

ずっと拳を握りしめ、血が出て

おりましたし、目も真っ赤になって

ました。

しかし、隊長は子供には好かれる

のですね?その調子でこの際、

嫁でも探したらどうですか?


あーーっ!うるさいな!

女は懲り懲りだ!


チュオンしゃんは、ふりんしてるん

でしゅ…


は?

え?

へ?


レレレ、レンちゃん!それは、

男の約束だったはずだ!


しょでした…。



ヨン!俺の部屋を貸してやる!

恩にきろ!寝ておらんのだろ?

俺達は、鮫を網に入れる作業をする!



ああ、すまぬ!

チュオン…あれだ…不倫はやめておけ!


だから、違うと言ったであろう!


いや…言っておらん!


いいから、早く行け!


ヨンはレンを懐に入れて、

ウンスの肩を抱きながら、

チュオンの部屋に行った。

三人で寝るには充分な寝台だった。





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涙の再会でしたが、

レンのひと言で、チュオンはいけない男?😂