レンは、海の力を沢山貰った。




いいか?レンちゃん?

明日早くに、サメが沢山居る所に着く!

レンちゃんの母さまのおかげで、

船も速くなり、砲撃も威力を増した!

危ないから、中で待ってられるかい?



レン…しゃめ、みたいでしゅ。


大きくて、怖いぞ?


レン、つおくなりたいでしゅ。


そうか、では、おじさんの側から

離れるなよ?


あい!


レンちゃん?どうしておじさんの所へ

来たんだい?父さまと母さまが

嫌いになったのかい?


ちがいましゅ!レン…しゃめが…

みたかったんでしゅ。


嘘つくな!他にもあるだろ?

一人で護衛も付けず隣村まで

来るなんて…。


でも、おじしゃんとうみにいくとき、

ごえいはいましぇん。


は?おじさんは、ウダルチのプジャン

より強いからだ!

どうだ?おじさんの子になるか?

どの道、ヨンとは決闘する予定だ!


とおしゃまと?けんか?


ああ、おじさんが勝つだろうな!


とおしゃまは、しゅごくつおいです!


彼奴も今は、内攻が足りないようだ。

普通なら、レンちゃんの気が足りなく

ても、彼奴なら探せるはずだ!

光りの門だって開いて此処に来るはずだ!



レンのこと…いらないから…しゃがして

ないんでしゅ…


ヨンと医仙様がレンちゃんを

いらないと言ったのか?


いってないけど…レン、わかるんでしゅ。

とおしゃまとかあしゃまは、

ロンとランがいちばんで、レンは

にばんだから、いなくてもいいんでしゅ。


じゃあ、決まりだ!

レンちゃんは、おじさんの子だ!

いいな?もう、屋敷には帰さない!


えっと…おじしゃんのおうちは?


おじさんは、これでも貴族の息子だが、

家には、何年も帰っておらん!

おじさんの家は、この船だ!

レンちゃんは船で暮らせるか?

遠くに行かなければならない時は、

何ヶ月も帰って来れぬ!

まあ、屋敷くらい買ってもいいが、

レンちゃんは一人で留守番できるか?

それとも船で暮らすか?


レン…ひとりぽっちはいやでしゅ。
 
レン…

レン…おうちにかえりたい…


でもなぁ…今日は帰れないぞ?

レンちゃんは、もう、海の上に

居るんだぞ?


うわぁ~ん!うわぁ~ん!

レン…ひっく…にばんでもいいでしゅ…


くそっ!ヨンの野郎!!





その頃、なぎさ1号では。



将軍!隊長いえ、副長と

合流しますが、鮫が多い所です!

この船はある程度大きいので、

船体に被害を受ける事は、ないですが

海が怒ると揺れます!

奥方様に船酔いの薬湯を

お持ちします。



海が怒る?


あっ、はい!隊長は海が荒れるのは、

怒っておるからだ!と言います!



チュオンらしいな…。

 

大丈夫です!三半規管は強いので

船酔いはしません!



さ、さんはん?


それより、いつ着くんですか?



明日の朝です。



鮫が大量発生しておるとは、聞いて

おらんかったぞ?



こちらも聞いたのは、昨日です!

長官に副長が呼ばれ、

直ぐに鮫退治に行く事になりました。

将軍の雷攻は、倭寇襲来の時に

知っておりますが、それだと、

他の魚も死んでしまうと、

砲弾を連射すると決めたようです。

将軍は、お子様がお産まれになって、

大変なので、知らせなかったのかと。

しかし、ご子息がサーシャ号に乗りこんで

居たとは、いったい何が?



いや…それは…俺達の不手際だ!

息子が迷惑をかけて

すまぬ…。


いえ、予定も遅れておりません!

隊長は、どんな嵐でも、船を沈めた

事は、ありません!

長い間、海の上に居ても、釣りを

しながらでも隊員を気遣う素晴らしい

方です!



しかし、高麗の頃は、忘れられて

いた水軍だったのに、海で何を

しておったのだ?


家族の居るものは、帰しました。

忘れられていても、知ってる者も

おりました。禄がでておりましたから。

それでも、鍛錬は毎日行われ、今は

ありませんが、

密かに近づく元船も沈めておりました。


は?聞いておらぬが?


密かに沈めておりました。

あとは、釣りをしたり、

無人島で生き残るすべも、やりました。

いや〜、我々水軍は、隊長を崇拝して

おるんです!


水軍隊員が去ると…


チュオンさんって…船の上では、

別人みたいね…ヨンが鬼神なら、

チュオンさんは海神だわ…。



ああ…俺も知らなかった…。

レンは…俺達を見限ったのだろうか?

それでも、失った信頼を取り戻す!


あの子は、見限ったりしないわ。

ただ…私達はレンが居るのが

当たり前過ぎて、親が子供に

甘えてしまったのよ!


俺は…レンが産まれた時の事も

知らない…双子のように1才半まで

レンの面倒をみていなかったのに…

レンは、俺が双子達の世話をやいて

いるのを見て、胸が痛くなっただろうな?



うん…私も同じよ。ヨンと二人で

子育てできる事が嬉しくて…グスッ

レン…


アンジェの言う通りだ…

幼いレンをまた我慢させてしもうた…

情けない…レンと俺も互いに気を

与えあっておったのに、今はこのざまだ!

こっちに戻ってから、こんなに

レンの顔を見ていないのは、初めてだ…

くそっ!

俺はウンスのご両親からウンスを奪った。

レンがチュオンに奪われたら…

親が子を思う気持ちとは、こんなに

大きいものなのだな。

チュオンは手加減しない!

本気の喧嘩になっても、黙って 

見ていてくれないか?


うん…わかってる…

ヨン!ヨン!私達サイテーだけど

レンがいないと…レンがいないと…

ウッウッウッ…


二人は、レンが居ない寂しさを

思い知らされた。




ーーーーーーーーー
引っ張ります!


次回は、鮫退治の後の決闘かな?

ヨンもウンスも、レンが居るのが

当たり前で、居ない寂しさも

思い知らされました。

レンは、素直になれるかな?

チュオンは、激おこ確定ですね。