議会では、お世継ぎが生まれた事に


歓喜し、皇帝陛下と皇后陛下の

子供達への配慮に皆、同意した。

この国を護っているのは、

皇帝陛下と皇后陛下だと言う事を

わかっていたからだ。

そして、お産に立ち会い、子を産むと

言う事を簡単に考えてはいけない事。

我が子を授けてくれた妻君に感謝

しなければならない事。

自らが身を持って妊婦体験をして、

落ちた物も拾えない大変さを

語った。命を授かりこの世に送り出す

というのは、奇跡だと言う事に、

老貴族達も、納得したのだった。

くだらぬ派閥は、金と労力の無駄であり、

この皇室には通じないと、

ジークフリード公爵の後押しもあった。


元ソンゲールだった広大な土地は、

綺麗に整地して、10年計画で、

別宮を建て、活気に満ちた領地にし、

若い貴族達もその支援は惜しまないと

アリシアズ領にすると決まった。

ジークフリード公爵は、既にアリシアズに

行って残っていた元ソンゲールの住民が

サンダー大帝国に行きたいと言う強い

意思と独裁的だった元ソンゲールに

不満を持つ者ばかりだった。

まずはこの領地を元に戻すと言う事で

今は、領地の復興をしていると

伝えた。


「叔父上?何処かに出かけてると

思ってましたが、アリシアズに

行ってたのですか?」


「ああ、広大な土地を野ざらしに

しておくのは、勿体無いからな。」


このジークフリード公爵には、

誰も敵わなかった。


その日から3日間は、サンダー大帝国も

お祭り騒ぎだった。



ウンスも順調に回復し、一人で

歩けるようになり、母乳も出るように

なった。

しかし、暖かいタオルで

巨大な胸を揉みほぐすと言うのは、

ヨンには拷問に近かった。

9ヶ月頃から、夜の営みも控えていたので

我慢が強いられた。


母乳も沢山でて、搾乳器でとり、

子供達に届ける毎日だ。


子供達は、大きくなってきた。

一番小さかったマリンも、2100gに

なり、シヨンとリヨンは2300g程に

なり、母乳もミルクも、飲むように

なった。


「皇后陛下?授乳をしてみますか?」


「えっ?いいんですか?」


初めての授乳は、緊張したが、

3人共、小さな口でクチュクチュと

飲んだ。


ゲップのさせ方も習い、

ヨンも手伝った。

新米パパとママが微笑み合いながら

我が子を抱く姿は、マイヤー夫人も

笑みが溢れた。


「大丈夫そうですね?一応大事をとって

2500gになるまでは、こちらで診ますので

皇后陛下は体力の回復に努めて下さい。」


モリモリ食べて、しっかり眠って、

体力をつけた。


シヨンとリヨンは、2500gになったが、

マリンがもう少しだったので、

3人一緒に退院と言う事にした。


3人が一緒に部屋に来てからは、

メイド達や厨房のスタッフ、執事長や

侍従、そして騎士団のアイドルだった。

皇帝陛下と皇后陛下が、皆んなに手を

洗う習慣をつけたので、

部屋に来る者には、三つ子達を見せて

あげた。


昼間は、授乳したり、皇帝陛下自ら、

ミルクをあげたりした。

夜は、チェミとデイジーが大活躍

してくれた。


「チェミさん?寝不足じゃないですか?」


「いいえ!私もデイジーも、失礼ながら

孫のように可愛くて仕方ありません。

ミルクと言う物に感謝しております。

オシメも簡単ですし、デイジーと2人で

楽しくて仕方ないのです。ただ、

やはり見分けが難しいです。皇子様達は

本当にそっくりなので…。」


「そうか?シヨンは少しやんちゃで

リヨンは少しおとなしい!」


「親と言うのは、見分けがつくらしいです

が、私達には、難しいです。皇女様は

とても、おとなしく、可愛らしいです。」


「だろ?マリンは、可愛いから、

嫁には出さないつもりだ!」


「じゃあ、シヨンとリヨンにも、お嫁

さんは、いらないわ!可愛いんだもん。」


「クスクス。本当にこんなに可愛く

産むなんて、皇后陛下は、凄いです!」


「ウンスでいいわよ!ところで、ヨンは

お仕事しなくていいの?ジェイさんが

死んじゃうわよ?」


「ああ、俺は産休?育休?だから、

ジェイには、執務室に、毛布を

用意してやった。」


「訓練の帰りには、寄ってるんでしょ?」


「大事な案件だけは、ちゃんと見てるぞ?」


「そういえば、エルナもあと2週間くらい?

バタバタしてて、特別診察室でしか

顔を合せてなかったわ。」


その時、ドンドンドンと扉を叩く音が

した。


「ベトル?どうした?」


「だ、団長!大公殿下が公爵様と

ブルーローズの間に行くというので、

護衛をしておりました。

何やら大きな音がしたので…

呼んでみましたが、返事がないので、

扉を開けると、エルナ様が椅子に

躓いて転んだと言って、意識を

失ったので、急いでナマンテを呼び、

大公殿下を呼び戻しました。

出血していると…今、医院に

行きました!」


「ブルーローズの間?母上の部屋か?」


「出血って…どうして…?」


「お腹を…打ったようです…」


ヨンは、ウンスを抱きかかえ、

急いで行った。

「転んだ衝撃で…胎盤が剥がれた?

どうしよう?知識はあるけど…

はっ!レンちゃん!レンちゃん!お願い!」


ウンスは泣きながら願った。

診察室に入ると、青い顔をして

診察台に寝ているエルナが居た。


「マイヤー夫人…」


「転んだ衝撃で胎盤が剥がれ、出血が

止まりません!最善を尽くします!」


「ひ、姫…」

「お義兄様…今はあまり力がありませんが

できる限りやってみます!」


エルナのお腹に両手をかざすと、

光りが出たが弱かった。


「皇后陛下!少しだけ、出血が減り

ましたが、いつまで持つか…」


力を使ったせいか、ウンスもふらついた。

「ウンス!!後は、マイヤー夫人に

任せるしかない!」


その時、部屋が眩しく光った。





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エルナ!何とか持ち堪えて!


アメブロデータベースのメンテナンスが

5月29日 14時〜17時まで
6月  2日  14時〜17時まで

行われるそうです。

一時的に見られないかも?です。

その後、不具合がありましたら、

コメント、メッセージ、お願い致しますm(_ _)m